モヤモヤESをスッキリESに!今回は「自己PR編」です。どうしたら、数万、数千というESの中から自分のESを際立たせることができるのでしょうか。自分の強みをどう伝えるのかはもちろん、エピソード選びも大切ですよね。キコ先生のアドバイスで、あなたのESもスッキリESになれるかな!?
何があなたの人生を動かしたか?
こんにちは、キコです。大変お待たせしました。今回は最後のテーマ「自己PR」編です。
キコ先生のプロフィール
都内大手マスコミ勤務。女子就活生のESや面接の相談によく乗り、お節介をやくアネゴ的存在。
ESでは、必ずといっていいほど要求されるこのテーマ。
面接でも「まずは自己PRをしてください」などと言われることが多いでしょう。あまりに何度も聞かれるため、まるでレコーダーを再生するかのように、自己PRだけはスラスラと話せてしまう学生さんもいるかもしれません。
では、なぜ企業は学生に自己PRを要求するのでしょうか。それはズバリあなたがどんな人かを知りたいからですよね。具体的には、あなたの「人間的な成熟度」や「客観的に自分自身を見つめる力」をチェックしているのです。
自己PR(モヤモヤバージョン)
ここでは、ハナコさんのESから、「自己PR」の欄を見てみましょう。
【ハナコさん】首都圏私立大3年生
【志望企業】大手広告会社
私はどんな状況でも自分のやり方や考え方を変え、状況を改善していくことにやりがいや楽しさを感じます。
私は小学校から高校までの8年間バレーボールをしていました。高校生の時は部長を務めましたが、初戦か2回戦で負けてしまう弱小チームでした。約130チームある市内で毎年ベスト8に入っており、地域では強いといわれていた中学の時と比較すると、雰囲気や練習時間等様々なことにギャップを感じました。そこでどうにか改善してこのチームを強くしたいと考えるようになりました。
具体的に行った改善策は、大きい声を出し、走ることを徹底して行い練習に活気を出す。コーチに少しでも練習をつけてもらえるようお願いし、連絡を頻繁にとって、来られない時もできるだけ練習メニューを充実させる。他の部活に交渉して体育館を使える時間を増やす。他の強いチームと比較してよいところを取り入れる。試合後には録画したものを見て反省会をするなど行いました。
部長として最も大変だったことは、部員たちの同意や協力を得ることです。モチベーションを上げるために、頻繁にミーティングを行い、模造紙に目標を書き込んで部室に張り、練習前のかけ声を習慣づけるなど工夫していきました。
そしてチーム一丸となって取り組んだ結果、県大会連続出場につながりました。皆をまとめ引っ張ることは責任感があり辛いこともありましたが、大きな達成感を感じ、自分の自信にも繋がりました。
今後も、部活での経験を生かし、人や社会を改善していくきっかけになるようなことをしていきたいと考えています。
・・・・いかがでしょうか?
ハナコさんは高校時代にバレーボール部で一生懸命活躍したことを、企業にアピールしたいのでしょうね。きっとハナコさんの人生の中で自信を持って語れる体験の一つなのでしょう。
エピソードの取り上げ方が具体的で、部長として部員をリードした様子がよくわかります。文章にも破綻がなく、内容的にモヤモヤしている点は一つも見あたりません。
・・・・しかし、この自己PRで書類選考を突破することは、かなり難しいでしょう。業界にもよりますが、ハナコさんが希望するマスコミでは厳しいと言わざるを得ません。
残念なポイント
ハナコさんの自己PRの、残念なポイントを3つあげます。
- 小学校~高校時代の話では、時代が古すぎる。
- 部活やサークルの体験談は、ありきたりすぎる。
- 何が「ハナコさんらしさ」なのか、よく伝わってこない。
残念なポイント解説
「小学校~高校時代の話では、時代が古すぎる。」について。
第1回目でもいいましたが、ESは企業に自分という人材を売り込むためのプレゼンシートです。高校時代の部活の話も決して悪くはありませんが、過去の栄光に頼っていて単なる思い出自慢話になってしまっています。一生懸命やったことを何か一つ紹介するなら、大学時代の話題をオススメします。
「部活やサークルの体験談は、ありきたりすぎる。」について。
学生さんの多くが話題にする3大鉄板ネタ。それは「サークル(部活)」「バイト」「ボランティア」です。10人中9人の学生が話題にするため、企業側はハッキリ言って飽き飽きしています。鉄板ネタを取り上げるなら、切り口にオリジナリティーを出してください。逆に鉄板ネタ以外で、あなたのことを語れたら、10人に1人の目立つ存在となれるでしょう。たとえば、大学の授業で必死に学んだことや、モノにした知識や技術はありませんか?
「何が「ハナコさんらしさ」なのか、よく伝わってこない。」について。
自己PRは、つい体験談をかっこよく“盛り”すぎてしまいがちです。でも、企業側としては、本人の優等生的な面だけでなく、「人間としての素の個性」も知りたがっています。
コテコテの厚化粧ではなく、スッピンの魅力も実は知りたい。(そのために実際に会って話す面接があるのですが)。
無難にまとめるのではなく、何が「自分の個性」なのか考えて、短いキャッチコピーにしてみてください。キャッチコピーをESに書く必要は必ずしもありませんが、その要素が伝わるようにESを書いてみてください。読んだ相手の頭の中に同じキャッチフレーズが浮かべば、自己PRが成功したことになります。
さっそく私は、ハナコさんに、以下の質問を投げかけてみました。
ハナコさんへぶつけた質問
- 大学時代で何が最もあなたの人生を動かしたか?(できればサークル・バイト・ボランティア以外で。なければ何でもOK)
- あなたが最も大切にしてきた「自分らしさ」とは何か?(ほとんど哲学的な質問ですが・・・)
- 企業に入ったら、その「自分らしさ」を、どんな局面でいかせると思うか?
ハナコさんとの実際のやりとり
ハナコさんは、大学時代で人生を動かされたような印象的な体験はある?高校時代の部活だとちょっと古い話題なので、最新の体験があれば、教えてください。
えーっと、そうですね・・・あ、そう聞かれて今思いつきました。
私、自治体が毎年やっている「記念祭」の親善大使をやったんですよ。大学2年の3月~3年の6月の約3カ月間。90人いた中から選考で12人選ばれ、その1人でした。母に勧められて申し込んだのですが、まさか自分が受かるとは思いませんでした。
大使は、キャンペーンガールのようなもので、みんなおそろいの衣装を着て街でチラシを配布したり、お祭り本番近くには地元ラジオやケービルTVのマスコミ対応をしたり。
お祭り本番の最後には大がかりな合唱イベントがあって、大使たちは合唱団の一番前でお客さんの前で歌いました。それまで私は外に出るタイプではなかったのですが、「人前に出るのは意外と楽しい。何でもやってみればできるものだ」と思いました。
大使のお仕事で一番苦労したことは何?
すごく地味なことですけど、「チラシ配り」です。
通りすがりの人に渡そうとしても最初は完全にスルーされてしまう。そこでだんだん渡し方を工夫するようになった。コツは、「その場で何をやっているのかわかるように大きな声を出す」「チラシを渡す前から相手の目を笑顔でガン見」「少し頭を下げて下の方向から相手をガン見」です。
すると不思議なくらい受け取る人の数が増えていきました。親善大使という一種の広告媒体としてアプローチを工夫すると、相手の反応が全然違ってくるということを実感しました。あとは、他の大使メンバーたちと業務の分担を決める時に、調整サイトでスケジュールを組んだりしていました。
ハナコさんが大切にしてきた「自分らしさ」って何かな?自分自身にキャッチコピーをつけるとしたら何ですか?
う~ん、そうですね・・・私のモットーは「とりあえず何でもやってみる」ということですね。
「自分が成長できそうなもの」「自分の欠点を克服できそうなこと」があったら、どんどん挑戦してみたくなります。
親善大使に挑戦した時は、「あがり症を治したい」と思っていましたが、やってみたらかなり度胸がつきました。他には1人旅もよくしました。以前、親が厳しくて門限があったのですが、自分で何でもできること証明したくて、青春18きっぷで広島の宮島まで行ったことがあります。
自分の欠点を克服できる・・・なるほど。ハナコさんは自分の欠点は何だと思う?
私、結構負けず嫌いなんですよ。
なので、同年代の友だちが特別な活動をしていたりすると、悔しいと思うこともあります。その悔しさをバネにして自分なりにいろいろ挑戦している感じです。
他人からは、どんな人に見られていると思う?
友だちからはよく、「誰にも嫌われないよね」とか「人がいいね」とか言われます。
なるほど・・・。では、もしハナコさんが志望企業の広告代理店に入ったら「自分らしさ」をどんな風にいかして、どんな企画をやってみたいですか?
う~ん、そうですね。大手広告代理店が海外進出を進めているのに、私が希望している企業は海外進出の動きが遅いように感じますね。
でも、海外へ発信することはこれから必須ですよね。相手の国が違えば文化も人も違いPRの仕方にも違いが生まれてくると思います。
様々な角度から粘り強くチャレンジしていくという、私の強みをいかして日本のよさを海外に伝える事業をしてみたいと思います。
・・・・ハナコさんのお話を聞くと、大学時代にも様々なエピソードがありました。
高校時代のバレーボール部で鍛えた粘り強さに加え、成熟した大人女子の魅力も加わっています。せっかくですから、この両面の魅力をESの中でうまく伝えたいですね。ハナコさんを形容するキーワードを次のように考えてみました。
「自治体の歩く広告塔」「常に笑顔の親善大使」「街頭チラシ配りの名人」「嫌われないキャラ」「実は負けず嫌い」「バレーボール歴8年」「スポ根の燃える女」
変身後の「自己PR」をチェック!
自己PR 変身後
私は行動力と、人前に出る度胸に自信があります。
昨年春、「自治体の歩く広告塔」として、記念祭の親善大使に応募し、90人中の12人に選ばれました。大使活動3カ月間の中で最も面白かったのは、チラシ配りでした。
お客に受け取ってもらえるコツは3つ、「お客にハキハキ挨拶」「配る前からお客をとらえ、じっと笑顔で見つめる」「目線は下の方から向ける」です。これをすると面白いように受け取ってもらえます。
親善大使という一種の広告媒体としてアプローチを変えることで、お客の反応が瞬時に変わるのを実感しました。それがきっかけで、通りすがりの人に効果的に見せる駅広告の世界に興味を持ちました。
私はバレーボール歴8年、スポ根の燃える女です。日頃、同年代の友人からは「敵を作らない性格」だと言われますが、実は内面は負けず嫌いです。
小学校から高校まで校内のバレーボール部に所属しました。高校時代は部長を務め、毎年ほぼ県予選初回戦負けだった弱小チームを引っ張り、県大会連続出場できるレベルにまで引き上げました。
御社に入りましたら、私の行動力と粘り強さをいかし、日本の魅力を外国人観光客にPRするような駅広告を手がけてみたいと思っております。
どうでしょう・・・。この自己PRでも、彼女らしさが100%伝わったとは言えませんが、最初のよりは言いたいことがスッキリ、かつ、パワーみなぎる感じになったのではないでしょうか?
「親善大使」と「バレーボール」の両方で培った力を広告業界で生かす!と一本の線を引いてみました。ハナコさんが実際にどんな駅広告を手がけたいかについては、さらに掘り下げて「志望動機」で披露すればよいと思います。
「学生時代に頑張ったこと=過去」「自己PR=現在」は、すべて「志望動機=未来にやりたいこと」につながる一本の流れである、ということを意識してみてください。
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