ハナジョブスクールの第4回は「今さら聞けない、総合職と一般職・業務職の違いって?」です。総合職、一般職、業務職、事務職・・・何やら、いろんな職種があって、よくわかりませんね。この記事では、職種の違いや、なぜコース別採用があるのかについて解説します。
総合職、一般職、業務職、事務職・・・なぜ職種が分かれているの?
さっそく、センセイとはなこちゃんのトークを聞いてみましょう。
センセイ、総合職と一般職の違いってなんですか?業務職とか地域総合職とか、いろんな名前があってわかんなくなっちゃう。 | |
そうなのよね、会社によって呼び方も違うし、仕事内容も違うからわかりづらいわよね。最近では、一般職ではなく「業務職」と名称を変えている企業もあるわ。 | |
一般職とか業務職って、女子しかいませんよね?どうしてですか? | |
一般職や業務職は男子が受けちゃいけないってわけじゃないけど、ほとんど女子よね。昔は結婚で退職する女性が多かったから、女子は補助的な仕事、男子はメインの仕事という感じで男女でやる仕事が違うという会社が多かったのよ。その名残かな。 | |
なるほど〜。ってことは、一般職とか業務職がない会社は、男女の区別をしていないってことなんですね。 | |
基本的にはそう考えていいと思うわよ。 | |
あと、地域総合職とかエリア総合職ってなんですか? | |
転勤がない総合職ってこと。でも、一般職の名称を変えただけという会社もあれば、地域が限られるだけで総合職と変わらないって会社もあるわね。 | |
なんだかややこしいですね。しかも、女子だけの選択肢でしょ。なんだか、差別されている感じ。 | |
まあ、人それぞれ希望する働きかたが違うからね。ただ、一般職や業務職だから楽ってことはないのよ。お給料は総合職より低いし、長年勤めれば責任は増すけど権限は持てないし。しかも、ハナコちゃんの嫌いな事務が中心なのよ。 | |
ええ〜! |
就活で女子大生が最初に悩む、総合職と一般職・業務職
ハナジョブスクール第4回は「今さら聞けない、総合職と一般職・業務職の違いって?」です。
一般職や業務職は補助的な業務が中心で、総合職は仕事内容に制限がなく、やりがいもあるけれど責任も重いという違いがあります。例えば、営業としてお客さんと直接交渉するのが総合職、それに付随して必要な書類を作るのが一般職や業務職、というイメージでしょうか。
さらに「一般職・業務職」と「総合職」の中間的なポジションとして、全国転勤がない「地域限定の総合職」も生まれました。現在では、一般職・業務職、総合職といったコース別の採用を廃止する企業が増えています。
これまで一般職・業務職が担ってきた事務はITに置き換えられることも増え、補助的な業務が減少したこと、人手不足の中、男女関係なく能力を生かすことを戦略として位置づけられたことも背景にあります。
それって、総合職?一般職?業務職?
一般職、業務職、地域限定の総合職、総合職と、大きく分けると3つのコース別採用があります。呼び方は企業によってさまざま。とてもわかりにくいですよね。
総合職
- 総合職
- 総合職(全国型)
- 基幹職
地域限定の総合職
- 総合職(特定)
- 総合職(地域型)
- エリア総合職
- 地域総合職
一般職
- アソシエイト職
- 業務職
- 事務職
- ビジネスサポートスタッフ職
地域限定の総合職と全国型の総合職では、基本的には、仕事の内容もお給料も変わります。
総合職と一般職・業務職の違いはなに?
仕事内容
総合職は、男女の区別なく、能力や適正で配属が決まります。先輩の補助をしながら仕事を覚え、2〜3年で独り立ちするケースが多いでしょう。
一般職・業務職が存在しない会社では、すべての人が総合職となります。一般職・業務職は、総合職の補助的な仕事です。営業用の資料を作ったり事務手続きをしたりと、内勤が中心です。一般職・業務職の多くは女性ですが、性別によって制限があるわけではありません。
給料
総合職と一般職・業務職とでは基本給、ボーナス、手当、昇給に大きな違いがあります。年々差が開くと考えて間違いはないでしょう。入社から15年間程度で、倍近く差が開く場合もあります。
勤務地
総合職では、日本・世界のどこにでも転勤の可能性があります。
地域限定総合職(エリア総合職)のように勤務地限定の職種もありますが、給料や仕事内容に違いがあるケースが多いので注意が必要です。
一般職・業務職でも、自宅から通える範囲での転勤はあります。
部署異動
総合職では、数年に一度は異動があるケースが多いでしょう。
一般職・業務職では異動が少ないですが、長く働いている場合には部署異動もあります。
研修
職務に必要な知識を得るために、会社は様々な研修を用意しています。
一般職・業務職より総合職のほうが職務の幅が広いので、研修を受ける機会も総合職のほうが多いでしょう。条件だけみると、総合職のほうが有利ですよね。
コース別採用は何のためにあるの?
男女雇用機会均等法により、募集・採用、配置・昇進で女性差別をすることが禁じられました。
そこで生まれたのが、コース別採用です。全国型の総合職か、サポート業務中心の一般職・業務職か、どちらを選ぶかは本人次第です。しかしながら、これが女性の仕事の幅を狭めることになりました。
男女の違いはまだまだ残ってる
ある企業の採用サイトでは「総合職」には男性の写真のみ、「地域限定の総合職」「一般職」「業務職」には女性の写真のみが使用されていました。
男性はこっち、女性はこっちと誘導されているかのようです。男女関係なく、自分が望む働き方を選択できるのがよいはずですが、現実にはまだまだ壁はありますね。
会社ごとに業務内容は違う
もちろん、コース別採用を行っていない企業もたくさんあります。最近では、人手不足やジェンダー平等の観点から区別せずに採用する企業も増えています。
とはいえ、まったく男女の区別をしていない企業もあれば、同じ総合職なのに男女で業務内容が違うという企業も。
さらにややこしいのは、地域限定の総合職と全国型の総合職でほとんど仕事内容が変わらない企業もあれば、地域限定総合職が一般職・業務職と同様、サポート業務中心という企業もあること。
いや〜、いったい何を信じればいいのか!?困っちゃいますね。
必ず先輩に話を聞こう!
こんなはずじゃなかった?
そんなわけで、企業によって呼び方も異なれば仕事内容も異なる、3つのコース。
採用サイトや説明会で見極めるのが難しければ、やっぱり社員に話を聞くのが手っ取り早いでしょう。
本命の企業であれば、数人に話を聞くのがオススメです。数人に話を聞く必要があるのは、部署によって働き方が異なることもあれば、人によって感じ方が異なることもあるからです。
自分で確かめる
こんなややこしい採用方法を考えた人、出てこーい!と言いたいですね(笑)。
同じ呼び方であっても、企業によって仕事の範囲が異なることは理解していただけたでしょうか。あとで「こんなはずじゃなかった!」と思わないよう、自分の目と耳で確かめてね。
では、一般職・業務職と総合職に向き、不向きはあるのでしょうか!?
総合職と一般職・業務職、どっちが向いている?
未だに「総合職と一般職・業務職で迷ってるんです」と女子学生から相談を受けます。
総合職と一般職・業務職で区別して採用する大手企業が多いので、大手を目指す学生ほどどちらを選ぶのか迷うんですよね。
大企業の総合職は男性比率が高く、女子にとっては狭き門だと言われてきました。しかし、人手不足の現在、男女関係なく能力の高い人を採用したい、という企業が増えています。
適性を考える
一般職・業務職では、事務的な仕事が中心です。
「人と話すのが好きで、決まったルールに従って書類を作ったりするような事務作業は好きじゃない」「同じ場所でじっとしているのは好きじゃない」という人は、一般職・業務職は向いていないでしょう。
「私は人をサポートするのが好きなんです。だから一般職・業務職が向いていると思うんです」という話はよく聞きますが、本当にそうだと思いますか?
どんな仕事であれ、お客様がいます。
仕事のベースにあるのは、お客様をサポートすることです。目の前にいるお客さんをサポートすることもあれば、将来のお客さんのために新しい商品を開発することもあります。
人事であれば、社員のサポートをする仕事ですね。つまり、総合職だって、サポートする仕事なんです。だから、サポートするのが好きだから一般職が向いている、というのはちょっと短絡的ですよね。
価値観を振り返る
それでも総合職と一般職・業務職で悩むのはなぜでしょうか。大きくは2つあると思います。
- 子育てしながら仕事を続けられるのかどうか
- 大手企業か中小企業か
悩みの背景には何があるのか、探ってみましょう。
1. 子育てしながら仕事を続けられるのかどうか
「総合職だと仕事がきついから、出産後に同じように働けないでしょ。だったら、一般職・業務職を選びたい」そう、思っていませんか?
でも、夫の転勤で仕事を辞めざるを得ない場合、一般職・業務職ではスキルが身についておらず転職ができないというケースは少なくありません。逆に、総合職でスキルを身に着けていれば、転職できる可能性は高まります。
もちろん、将来に備えて考えておくのは悪いことではないですが、そもそも結婚するかも出産するかもわからないのに、将来の選択肢を狭めるのはもったいないと思いませんか?
子どもが生まれてからも充実した仕事ができるかどうかは、むしろそれまでにどんな仕事をしてきたのかにかかっています。
そして、もう一つ重要なのがパートナーの存在です。
家事・育児をともに担い、仕事を通じてお互いを高めあおうとするパートナーであれば、女性だけに家事・育児の負担がかかることはないでしょう。
仕事ができない社員に対して、手厚い制度を提供する企業などありません。逆に、実力さえあれば、勤務先が両立に適さないとなったら転職することもできます。
これからは優秀な女性を企業が奪い合う時代。まだ見ぬ夫や子どものために選択肢を狭めるのではなく、来てほしいと思われる人材を目指してはどうでしょうか?
「やりがい」は努力しなければ手に入りません。自分は楽をしたいだけなのか、それとも自分の強みを活かすには一般職しかないと思っているのか、考えてみてくださいね。
2. 大手企業か中小企業か
一般職・業務職を目指す大きな理由は、大手企業に入りたいから、という人が多いのではないでしょうか。大手企業以外は、そもそも総合職・一般職という区別をしていないからです。
仕事と家庭との両立に関しては、確かに企業によって差はあるでしょう。「出産で辞める人はほとんどいない」という大手企業も増えています。
中小企業でも大企業より進んだ施策を取り入れている会社もあります。逆に、古い価値観を維持している会社もあります。むしろ、男女問わず、生産性を上げて残業時間を減らす努力をしているのかを確認したほうがよいでしょう。
そして、「大手企業で働くことこそが私の幸せ」と思っているならば、大企業を選ぶべきです。それがあなたの大切な価値観だからです。
でも、その理由をちゃんと考えてくださいね。その企業でしかできないことがあるからなのか、他人からすごいと言われたいだけなのか。
さて、あなたはどちらでしょうか?
一般職・業務職は消滅するかも?
女子ならではの就活の悩み「総合職にするか、一般職・業務職にするか」。2022年現在、一般職・業務職を目指す女子学生は減少しているように感じます。一般職・業務職の採用が減少し、狭き門になっているという理由もあるでしょう。
いまだに、女性の管理職比率が低い日本。それでも、少しずつ管理職となる女性は増えています。一般職・業務職を廃止し、全員を総合職に転換するという企業も少なくありません。コース別採用を継続している企業は、男女の区別が大きい企業であると言えるでしょう。
近い将来「一般職・業務職」という職種は消滅するとしたら・・・一般職・業務職であれ総合職であれ、同じようにスキルを身につけておく必要があります。一般職・業務職だから総合職よりも楽な仕事、というのはもう過去の話かもしれませんね。
ハナジョブスクール
ハナジョブスクールにはお役立ちコンテンツがたくさん!1on1キャリア相談もぜひ利用してね。
就活のお悩み解決 ノウハウ編
- 就活の悩みを解決!ハナジョブスクール【2025年卒・ふ・完全版】開講
- ホントにその業界でいいの?業界選びのコツ
- やりたい仕事の見つけかた!
- 今さら聞けない、総合職と一般職・業務職の違いって?
- 就活を楽しむコツ!
- モヤモヤESをスッキリESに変身!志望動機編 Part1
- モヤモヤESをスッキリESに変身!志望動機編 Part2
- モヤモヤESをスッキリESに変身!学生時代に頑張ったこと編 Part1
- モヤモヤESをスッキリESに変身!学生時代に頑張ったこと編 Part2
- 自己分析を見なおそう!「強みと弱み」ワークシートつき
- モヤモヤESを、スッキリESに変身!自己PR編
- ESでも面接でも使える!志望動機の書き方、伝え方
就活のお悩み解決 職種・業界編
- 営業を目指す就活女子が読んでおくべき記事 5選
- 広報を目指す就活女子が読んでおくべき記事 5選
- 商品開発を目指す就活女子が読むべき記事 5選
- マーケティングを目指す就活女子が読むべき記事 3選
- 記者を目指す就活女子が読むべき記事 5選
- SEを目指す就活女子が読んでおくべき記事 4選
- テレビ業界を目指す就活女子が読むべき記事 5選
- 商社を目指す就活女子が読んでおくべき記事 4選
フレンズ登録のススメ
ハナラボでは、社会人女性に気軽にキャリア相談できる「1on1TalkRoom」を提供しています。利用する場合は、フレンズ登録が必要です。どちらも無料ですので、安心して登録してください。
https://hanajob.jp/friends/