”頼ること”も物事をやり遂げるための大切な手段
そしてJWSを立ち上げられたのですね。
そうですね。これもいろいろなご縁が重なったものでした。留学中にたまたま博報堂からスポーツマネジメントとはどのようなものなのか問い合わせがあり、そのご縁を繋いで半年間、インターンに参加させてもらいました。当時は今のようなシステムではないので、自分から勝手にインターン(研究生)にしてもらうようにお願いをしにいきましたね。
そしてそのインターン中に女性スポーツの世界的なムーブメントに出会ったんです。自分の目でもそのムーブメントを見てみようと思い、アフリカに行って世界女性スポーツ会議というものに参加しました。そこでは、アジア以外では女性スポーツを盛んにするための国際的な動きがすでに行われていることを初めて知りました。そのとき、「女性スポーツというイベントを日本から作らないとアジアは動かないぞ」と思ったんです。そこで、博報堂の協力もいただきながら作った組織がNPO法人JWSです。
小笠原さんは、誰も挑戦したことがないことにどんどん挑戦をしていて非常にアクティブだなと感じます。この原動力はどこからくるのですか?
間違いなく、自分の考えの中に「みんなと違うことをしよう」という考えがあるのは事実ですね。やっぱり競技スポーツをやっていたので、自分の中で「勝つ」ということは大事なことですが、自分には際立った能力がないと思っているからです。
そうなると、能力がある人に負けないために何をするのかと考えるわけです。他の人がやっていることに取り組んでもまず勝てない。じゃあ「他の人がやらないことってなんだろう」って考えるわけです。
これがたくさんの運と縁と結びついているのですね。
そうなんです。あともう一つ大切なことは、「何でも一人でできるとは思わない」ことです。私の周りには、私にはない高い能力がある人たちが集まってくれていますから「お願いします、これをやりたいんだけどできないんです」という気持ちで周りの人に頼ります。このような気持ちでいないと、みんなでやろうとしている夢は叶わないと考えています。
年齢も男女も関係ありません。その人の能力に気がついたときに「力を貸してください」とお願いしてきました。
さらに実現したい夢などはありますか?
女性で、リーダーシップを取るようなコーチであったり、組織の役員であったり、そういった人たちを増やしていきたいです。話し合いをするとなると、男性同士で話し合うということがまだ当たり前の世界です。女性も男性も対等に意見を言い合える現代だからこそ、女性がもっと活躍していいんじゃないかなと考えています。実現に向けたシステム作りはまだ始めたばかりなんですけれど、本当に実現できたらいいなと思っています。