共同通信ならではの苦労、やりがい
共同通信社は、ほかの新聞社とどんな違いがあるのでしょうか?
当社の特徴といえば、とにかく地方勤務の人数が少ないことで、何でもジャンル問わず取材できるところですかね。 また、新聞社の支局は県内に向けた発信が中心ですが、共同通信は基本的に県内ではなく、他県に向けて発信する記事を書くところも違いますね。
いろいろと違いがあるんですね。共同通信社のメリットや他では経験できないことはありますか?
共同通信は国際的にも知られており、日本を代表する報道機関としての地位が確立されていることはメリットだと思います。自分が取材して配信した記事はうまくいけば、多くの新聞社が掲載してくださいます。いくつも届いた掲載紙を取材相手の方に持っていくと、喜んでいただけることもありますね。
喜んでいただけるのは嬉しいですね!
以前、阪神大震災を風化させないように、生徒の心のケアをずっと続けている方を取り上げたのですが、その記事を読んで喜んでくださったことがありました。そういうことがあるとすごく嬉しいですね。
はやく仕事復帰したい!藤元さんを支えてくれたもの
現在お子さんがいらっしゃるそうですが、ご家族は仕事復帰を応援してくれましたか?
夫は同じ会社の写真映像部でカメラマンをしているのですが、とにかくやりたいようにというか、早く復帰したければサポートするし、長く休むんだったらそれでもいいというスタンスです。
旦那様が同業者だと理解がありそうですね!
理解はありますね。地方勤務では、休日や朝の呼び出しがあります。そういうときに同業者の方が「しょうがないよね」ってわかってくれるんじゃないかと女性記者同士で話しますね。 臨機応変に対応しながら、2人で協力しつつ子どもを見ている感じです。2人ともダメなときは実家の母に頼っています。
記者を目指したきっかけはスポーツ観戦記。一方で記者を目指すことへの迷いも。
今は記者職に戻られていますが、もともと学生時代から記者を目指されていたんですか?
中学2年生ぐらいで記者になりたいなと思いました。兄がいた影響もあって、プロ野球とかサッカーとかスポーツ観戦が好きだったんです。スポーツ新聞の記事を読むこともあって、記者の仕事は面白そうだなと思ったのがきっかけです。 大学では学生新聞を作るサークルに入り、スポーツの取材もしました。試合ではプロカメラマンと同じ場所で撮影したり、会見後に囲み取材に参加したりして楽しかったですね。マスコミに関する授業も履修していましたが、記者を目指すことに迷いもありました。
どんな迷いがあったのでしょうか?
事件事故でご家族に話を聞くなど、嫌がられるような取材をすることもありますよね。自分が本当にそういう仕事をできるのかなと。だから就職活動はちゃんと軸は定められずに、いろんな企業を受けました。マスコミで受けたのは、新聞社1社と通信社1社だけです。
記者志望の場合、新聞社を軒並み受けるという人が多いですが、2社だけとは珍しいですね。
やっぱり迷いがあったんだと思います。でも、通信社は「きめ細かく事実を報じる」というスタイルなので、事実に意味を付け加えることなく受け取る側に判断してもらえます。それが自分に合っていると思いました。