欧州でブリヂストンのタイヤの製造・販売を拡大させるために、現地の方と日々関わりながらお仕事をされている星野めぐみさん。その仕事ならではのおもしろさや難しさを教えていただきました。 またお子さんがいるということで、仕事と子育ての両立についてもお伺いしています。 将来仕事も子育てもがんばりたいという学生の皆さん必見です!ぜひお読みください!
日本と海外をつなぐ仕事
現在はどのようなお仕事をされていますか?
私は現在、欧州・ロシア・中近東・アフリカ事業部の欧州ユニットに所属しています。ベルギーのブリュッセルにある子会社と日本にあるブリヂストン本社をつなぐ役割を担っています。欧州で日本のサポートが必要なものは何でも対応する、という感じですね。
具体的には欧州でのブリヂストンのタイヤの販売状況、また欧州各国にある工場の生産状況や財務状況を毎月まとめて、日本側のマネージメント層に報告をしています。その他には、現地の工場のタイヤ生産能力の増強や販売網の構築といったプロジェクトの推進に必要な日本からのサポート業務も行っています。
海外の方と一緒にお仕事されているんですね!その上で大変なことはありますか?
まずはコミュニケーションの面で大変だと感じますね。基本的には英語でコミュニケーションを取りますが、相手も英語が母国語でない可能性もあり、細かいニュアンスが伝わりにくいことがあります。ですのでメールの文章も、長くせず要点だけ書くなど、なるべくわかりやすく伝えるように心がけています。
また、直接連絡を取り合った方がお互いに理解しやすいので、電話をかけたり、実際に現地に行って話したり、ということも重要だと考えています。
日本と欧州では時差がありますから、なかなかタイムリーに連絡を取り合えないことも大変な点の1つです。私には子どもがいるのですが、保育園のお迎えでどうしても早く帰らないといけないときがあります。ちょうど欧州の始業と同じ時間帯なので、すぐに連絡が取れないことも多く、その場合は上司や同僚にサポートをお願いしています。
お仕事で心がけていることを教えてください。
相手の立場に立って物事を考えることをとても大切にしています。お互いの理解を深めるために、メールを書くにしても、電話をかけるにしても相手がどういう立場で話しているのかを考えながら自分も発言をするように心がけています。
特にブリュッセルの子会社には様々な国やバックグラウンドの人が働いており、仕事に対する考え方も本当にさまざまです。だからこそ相手のことを考えて行動することで、より仕事がスムーズに進んでいくと思います。
もちろん同じ日本人に対してもそのスタンスは変わりません。学生時代とは違い、社会人になると多様な人と仕事をすることになるので、その1人ひとりにどう対応していくか臨機応変に考えていく必要があります。
現在に至るまではどのようなお仕事をされていましたか?
新卒で入社してから約4年半は、国際渉外部で事業の買収や売却を専門に行っていました。いわゆるM&Aを専門に担当する部署です。社内で実際にM&Aを行う部署でも専門知識がある人は少ないので、私たちの方でアドバイスをするなどのサポートをしていました。
また、私は大学でマーケティングの勉強をしており、物をどのように売るかを考える部署で働きたいという思いがありました。そのため当時の上司にはいつか希望が叶うように、思いを伝えたり相談したりしていましたね。その結果、約4年後にロシア事業部に異動が決まりました。
ロシア事業部ですか!そこではどのようなお仕事をされていたんですか?
ロシア事業部では主に、アゼルバイジャンやジョージア、トルクメニスタンといったCIS諸国(旧ソ連諸国12カ国の独立国家共同体)へのタイヤの販売を担当していました。なかなか馴染みがないですよね(笑)。販売担当ということで、現地に足を運ぶことも多く、貴重な経験ができたと思います。
CIS諸国という馴染みのない国々に行ったからこそ学べたことはありますか?
ブリヂストンの企業理念に「現物現場」、つまり現場に足を運び、自らの目で真実を確かめるという言葉があります。CIS諸国を担当することになってまさにその重要性を実感しました。
CIS諸国のそれぞれの国にブリヂストンのタイヤを販売している代理店がいて、その代理店と共同で販売促進策を考えていきますが、限られた予算を何に充てていくかで代理店側と意見が異なることがよくあり、どうしても現地のアイデアに納得できないことがありました。
しかし、実際に現地に足を運び、自ら市場の状況を確認すると代理店側の意図していることが見えてきて、日本で当たり前だと思っていることが必ずしも通じないことを実感しました。