女子高校生向けにメンターシッププログラムなどを実施している学生団体LADY。共同設立者の河野さんに、プログラムや団体創設のきっかけ、リーダーシップについて伺いました。
海外視点で臨む、意識改革
LADYはどのような団体なのでしょうか?
女子高校生を対象としたプログラムの運営を行っている団体です。日本で行われる国際的なサマープログラム(例:HLAB、ISAK サマースクールなど)をもとに、女子高校生が大学進学や将来のキャリアについて考える機会を提供しています。
高校生5〜6名に対して大学生2名で「ファミリー」というグループを作って、ワークショップをしたりゲストスピーカーの講義を聞いてディスカッションをしたりしています。小さなグループの中で身近に感じられるロールモデルがいる、というところから始まり、絆を深められるようにしています。
どのようなワークショップを行うのですか?
いろんなひらめきを体験できるようなワークショップをしています。例えばデザインワークショップ。高校生たちが自分の生活の中で女性としてジェンダーが不便だと思う事柄について解決法を作るという内容です。これは、プログラムの最後に行うので、講義や他のワークショップを経て最終的にどういう風に自分の力で社会を変えられるのかという話をもとに、行動に繋げることを目標にしています。
メンターにはどのような人がいますか?
とても様々です。アメリカの大学に4年間の正規生として通っている学生や、もちろん日本の大学に通っている学生も。1年間の留学を経験している人もいます。大学に入ったら色々な選択肢があるということを知ってもらい、女子高校生の不安や質問に対してアドバイスをして、継続的なサポートをしてあげる役割を持っています。
環境を変えれば、人は変わる
LADYを立ち上げた経緯を教えてください。
LADYは私を含めた5人のメンバーで創立しました。LADYを立ち上げようと思った理由には、日本の女性リーダーが少ないという問題意識があります。
私自身、高校生時代はリーダーシップを取ろうと思わない性格でした。ですが、大学環境のおかげで自分自身の可能性に気づき、少しずつ機会を掴んでいったんです。私が通っていたアメリカのスミス大学という女子大学は、女性同士の支え合う環境が出来上がっていて、リーダーになるのももちろん女性です。
多くの女子高校生や女子大生が、スミス大学のような女性同士の支え合う環境を体験できる方法はないかと思っていたところ、他の4人と知り合いました。
メンバーはサマープログラムの経験から、年齢の若いうちに教育などで影響を与えると後の意欲に効果が現れることを知っていたので、女子高校生を集めて大学やキャリアの話をしてみたらいいのではということになりました。
リーダーシップにまつわる、大学時代の思い出は?
学内のAsian Students’ Associationという団体で部長を引き受けたことです。友達作りのために入部したものの、あまり盛り上がっていないことを課題に感じていました。所属しているうちに色々と改善できるアイディアが思いついて、それを実行したいなと思いました。元は大人しくて、部長になりたいなんて思わないタイプだったのですが、勇気を出して友達と一緒に2年生から部長を務めました。
誰だってリーダーになれるはず
河野さんはリーダーシップについてどう考えていますか?
外から見ると、LADYでは私がトップに立っているイメージですが、正直いうとみんな平等で、同じ立場なんです。リーダーシップというと「男性」のイメージが強かったり、一人がみんなを引っ張っていくイメージがあったりするのかもしれません。
でも、LADYがイメージする女性としてのリーダーシップは、「こういうものだ」という一つのイメージではなく、誰でもリーダーシップをとる可能性があって、トレーニングすれば誰でもできるというもの。だから別に私がトップなわけではないんです。
基本的には個人を尊重するようなスタイルですね。
個人の意見をもっと出してほしくて。私は自分個人の意見として発言をするので、他のみんなもそれに対して何かしら自分の意見を言ってくれればと思います。
LADYという学生団体の運営側を、大学時代に経験できることは貴重な体験なので、それをぜひ活かして欲しいです。みんなのいい経験になったら嬉しいですね。
継続的な団体を目指して
今後の目標を教えてください
LADYを一般社団法人にしたいと考えています。プログラムの運営にあたって、スポンサーを見つけているのですが、一般社団法人にしないと企業からの寄付やスポンサーが来なかったりするので。法的なフレームワークがないといけないので、そこをしっかりとさせていきたいですね。それから、ジェンダーやリーダーシップに興味のない女子を巻き込んでいくことも、LADYの今後の課題です。
取材を終えて
メンバーの多くが海外との関わりを持つLADY。女性のリーダーシップにかける情熱と日本の女性を変えたいという思いがひしひしと感じられました。インタビューのご協力ありがとうございました!