自分を高めるために、会社全体を見られる仕事へ。新しい情報に触れられるIRは刺激的!(味の素)

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IR(Investor Relations)ということばを、みなさんは聞いたことがありますか?今回は「IR優良企業大賞」を受賞された、味の素株式会社の松尾絵里さんにIRの仕事内容について伺いました。小学生の頃から続けているテニスが原点だという、松尾さんの仕事への向き合い方も必見です!

投資家の方々と「対話」をする

IRの仕事について教えてください。

株を保有している投資家の方々に、当社の経営状況・財務状況・業績動向をしっかりと適時公正にお伝えしていく仕事です。

ただお伝えするだけではなくて、対話をしながら株主の方々・機関投資家の方々のご意見をいただいて、経営にもフィードバックをします。そういった関係を持続させていくことで、企業の価値を向上させていく一助になるような仕事ですね。

扱う範囲が広くて、覚えなければならないことがたくさんあります。今の部署に異動して2年ですが、今でも日々勉強です。大変ですが、常に新しい情報が入ってくるので面白いですね。

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関わる人がとても多そうですね!

それは本当に実感しています。経営層だけではなくて、事業部、広報部とも連携して対応しています。

また、財務だけではなく、環境・社会等の非財務情報について質問されることがあり、CSRとの関わりも多いですね。

その都度、社内のさまざまな部署と連携して、どこまでお伝えしていいのかを話し合います。IRグループに異動してから一気に社内のいろいろな方と関われるようになって、すごく視野が広がりました。

日々の業務としてはどういったものがあるのでしょうか?

機関投資家に対して、説明会などのイベントを開いています。

例えば、四半期ごとの決算発表や、年2回アナリストおよび機関投資家向けに決算説明会を開催しています。

また、4名のメンバーで年に400件程の投資家との個別取材を受けています。合間を縫って発行物等を作成し、投資家の方々が必要とする情報は鮮度の高いものをお出しできるようにしています。

イメージしていた仕事と違いました!まさに対話なのですね。

そうですね。投資家の方々も当社の財務諸表や開示資料等をみて、この会社に投資していいのか判断を迷うときや、当社を分析していて気になるところが出てきたときにプラスアルファで来社をして質問されます。

そこに対して当社の考えをわかりやすくお伝えし、持続的成長や将来性をお示しするだけでなく、対話を通じた信頼構築も図っています。

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味の素さんは2015年度IR優良企業大賞を受賞されていますが、その理由は何ですか?

経営層に積極的にIRに関与してもらい、投資家の方々と対話する機会を増やし、日々の業務を通じて開示の仕方や量・幅を改善し続けた結果、賞という形で評価いただけたのかと思っています。

また、他社に先行してESGについての説明会を行ったことも1つの理由かと思います。

ESGとは何ですか?

環境や社会貢献といった非財務情報のことです。

普段は財務のみの話なので1、2年先の話になりがちなのですが、例えば、環境に負荷をかけずに商品の開発をするなど、環境への貢献を意識してさまざまな社会貢献活動を行っていることをお伝えすると、長期的にこの会社は大丈夫だというアピールにもなります。

このような財務以外の情報を聞きにくる方も増えており、ESGは注目を集めています。

※ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字をとったもの。

まったく知らなかったIRの仕事のイメージが湧きました。この仕事をする上ではどのような力が必要なのでしょうか?

情報を取りにいくためには、コミュニケーション能力でしょうか。

また、間違えることが許されない仕事なので、しっかり情報を整理してから行動する必要があります。

私がこの部署に異動して上司に言われたのが「気持ちの浮き沈みがなくていいね」ということでした(笑)。頭で考える前に行動してしまってはいけないので、冷静さが必要なのかもしれませんね。

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営業としてキャリアをスタートし、「会社全体を見たい」気持ちが強まった

IRへの異動前はどのようなお仕事をされていたのですか?

入社して5年間は、北関東エリアで家庭用商品の営業をしていました。

スーパーのバイヤーさんや問屋の方に、「この月はCMが入るので、ここに陳列させてください」などと商談をする仕事でした。

そもそも、味の素さんに入社を決めたのはどういったきっかけからですか?

食品業界を志望していたわけではなく、さまざまな企業を広く見てから考えようと説明会に行っていました。

その中で、当社の説明会が面白そうだと感じたのがはじまりです。説明会でお話されていた方も印象的だったのですが、なんと選考に進んだら最初の面接官がその方だったのです!そこでご縁を感じました。

当時の面接は、1回の面接の中に何人も面接官が出てくる形式だったのですが、いろいろな社員の方とお話をさせてもらう中で、この人たちと働いてみたいという思いが強まっていきました。

たくさんの人と話してからの入社だったので、入社後のギャップはなかったですね。

入社してすぐ、営業の仕事はどうでしたか?

北関東エリアは女性の営業が少なくて、他社の営業の方がほとんど男性だったことや、毎日車で拠点の埼玉から2時間程運転して営業に行くことなど、最初は慣れず大変でしたね。

お客様に喜んでいただくためにたくさん商品を紹介したいけれど、商品がたくさんあるので覚えきれない、ということもありました。

仕事が一周した2年目、3年目からは自分で考えた仕事を具現化できるようになり、仕事が楽しくなりましたね。

取引先の方にも恵まれて、多少大変でもお礼を言っていただけると頑張ろうという気持ちになれました。異動するときには得意先の方と離れるのが寂しいほどでした。

IRへの異動はご自身で希望されたのでしょうか?

IRと限定したわけではなかったのですが、「会社全体を見られるところで働いてみたい」と4年目頃から上司に伝えていました。営業はお客様と一番近い仕事ですが、家庭用営業しか知らないことへの不安が少しありました。

当社はアミノ酸メーカーで、食品だけでなく化粧品や動物の飼料など様々な部署があるので、これをやりたいとは決めずに、広く会社を見られる仕事を希望しました。

希望通り、会社全体を見られる仕事に就いて、感じたことはありますか?

IRの仕事は状況を整理して段階を踏んで情報を外に出していく仕事なので、営業の頃と180度仕事のスタイルが代わり、転職したような感じでしたね(笑)。

すぐに結果が出る仕事ではないのですが、当社をアピールできる場にいて、経営層の声を近くで聞けるのは刺激的ですし、なかなかこの年次でできる仕事ではないので、貴重な機会をいただけていると感じています。

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仕事は、自分を高めるもの。引き出しを多く持ちたい

学生時代は体育会に所属されていたそうですね。

はい。硬式テニスをやっていて、遊ぶよりも練習ばかりしていました。

就職活動の時期はキャプテンもしていたので、部活に出ながら説明会などに参加をしていました。テニスは小学校から始めて、会社の実業団にも所属しています。

すごいですね!そこまで続けられるテニスの魅力は何なのでしょうか?

生涯スポーツで、男女年齢関係なくやれるスポーツという意味では、いろいろな人と関われるのも楽しいです。

テニスだけで知り合いという人が社内に何人もいますし、仕事以外のところで人と繋がれることが魅力かなと思います。

今の目標は何ですか?

まだIRは道半ばなので、まずはIRでしっかりと一人前になり、上司や社内の方に「彼女に任せれば大丈夫だよな」と思っていただける存在になりたいです。

今後のキャリアというところでも、何がやりたいというのはまだわからない状態です。

ただ、入社当時からマルチに働けるような人間になりたいと考えていました。私で言えばテニスのように1つのことを極める生き方も良いと思いますが、女性の働き方を考えたときに「これしかできません」ではなく、いろいろな引き出しを持っていたほうが対応しやすいのではないかと思っています。

広い視野と広いスキルを持ちたいので、自分に足りないものをより身に付けられそうな仕事を通して、できることのベースを上げていきたいです。

松尾さんにとって、仕事とは何ですか?

自分を高め続けるもの、ですかね。

アスリート気質なので、現状維持ということよりは、この仕事を通じて常に自分を伸ばしていきたいと思っています。仕事は常に考えて常に行動して、と変化があるものなので、それだけ自分を変えることができると思います。

ずばり、将来はどのような人間になりたいのでしょうか?

すごく漠然としていますが、仕事だけでなく公私ともに人を支えられる人間になりたいと思っています。自分を高めておくことは人を支える上で力になりますよね。

そのように思ったきっかけは、やはりテニスですね。キャプテンをしていたとき、自分が勝つことももちろん嬉しいけれど、部員が勝つこともすごく嬉しかったのです。

今もその考えは変わらず、仕事で自分だけ良ければよいとは思いません。どうしたら相手が動きやすくなるか、わかりやすくなるか、と相手のことを考えながら仕事をしています。原点はテニスで活動していていた学生の頃なのかな。

最後に学生へのメッセージをお願いします。

私もそうでしたが、就職活動ではいろいろなものをみて、その中から可能性を持って職業や仕事を選んでいったら良いと思います。

学生の頃、学生時代の経験が社会人になって役立つのか疑問だったのですが、8年近く働いてみて、勉強だけでなく日々のコミュニケーションや体育会でやっていたことがとても役に立つと感じています。

みなさんには、日々やっていることがいつか役立つと思って、学生時代を過ごしていただきたいです。

取材を終えて

「IRってどんな仕事なんだろう?」ふと浮かんだ疑問から、今回味の素さんに取材をお願いしました。

想像していた仕事内容とは違い、幅広い知識に加えコミュニケーション能力が必要な仕事でした。丁寧に説明いただいて本当に勉強になりました。

仕事を自分を高める1つの場だと考え、自分に足りないものを補って成長していこうとする松尾さんの考え方が素敵でした。

「自分の頑張ったことの先にキャリアがついてくるのだと思う」ともおっしゃっており、この言葉に励まされる方も多いのではないでしょうか。お忙しいなか取材にご協力くださり、本当にありがとうございました!

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味の素株式会社

味の素グループは、「おいしく食べて健康づくり」を創業以来の志として事業を展開し、世界各地域の健康な生活に貢献し、経済価値を生み出し続けてきました。これからも味の素グループ従業員約3万3千人の一人ひとりが、地域の人々とともに、健やかでサステナブルな未来に向けて活動していきます。ウェブサイトはこちら→http://www.ajinomoto.com/jp/

ハナジョブ企画運営:NPO法人ハナラボ

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About Author

大石真子

興味があるのは、ジェンダー、「働くこと」に関するあれこれ。高校生のときに運命的に出会ったハナジョブ。一人ひとりの想いが伝わるような記事を書いていきたいと思います!中高の6年間、女子校で育ちました。趣味・特技は、始めて9年目になる華道。よく、笑顔を褒められます!

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