全寮制の大人の学校 デンマークのフォルケホイスコーレと私は出逢った

1

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

大学卒業後、教育系の出版社、そして島根県海士町の公営塾で働いていた的場陽子さん。29才で憧れていた海外留学!留学先はデンマークです。海外での暮らしや学びをデンマークからお届けします!学生時代に留学するかどうか迷っているというみなさん、社会人になってからの留学を選択肢に入れてみては?

Goddag! Jeg hedder Yoko Matoba

みなさま。はじめまして。的場陽子といいます。

大学を卒業したあと、教育系の出版社で4年半、その後離島の公営塾で3年働いた私は、デンマーク留学時には既に29歳でした。

それまで聞いたこともなかったデンマーク語を習い始めるとは、自分でも夢にも思っていませんでしたが、学校卒業後の今もデンマークに残って生活しています。

なぜ私がデンマークに惹かれるのか。そのわけを中心にしながら、この記事では、私が出逢ったデンマーク人たちの生き方も紹介できたらと考えています。

心にずっと残っていた やってみたかったこと

ずっと忘れていた気持ち

「フォルケホイスコーレ」

この言葉に出会ったのは、3年前のとあるSkypeの最中でした。

ベルリンに移住したばかりの知人を中心に4人ほどで話していた時、私はふと、人生に一度は外国で暮らしてみたいと思っていたことを思い出したのです。

その時、私は島根の離島で公営塾の講師をしていたこともあり、かなり地域に、そして日本に根付いた生活を送っていました。だから、ずっとそんな気持ちが自分の中にあったことを忘れていました。

hanajob-shimane-IMG_0242

大学時代の留学はデメリットが多い?

私の大学生活は他から見ても充実していたように思います。もちろん当時の自分自身も満足していました。サークル活動に精を出したあと、学生団体に所属してイベントも企画していました。第一志望だった企業から内定をもらった後は、インターンをしたり、友人と長期の旅行に出かけたり。

ただひとつの心残り。それが海外留学でした。当時、仲の良かった友人の一人や付き合いのあった先輩たちが揃って交換留学制度でアメリカに1年行っていたからかもしれません。

高校時代に短期の語学留学に行ったこともあって、元々留学に興味がありました。

しかし、大学時代に留学をする、ということは私にとっては大きな”犠牲”を伴うものでもあったのです。留学に行くということは、日本でできうる”楽しい”ことや”意義のある”ことを捨てることだ、と考えてしまっていました。

サークル付き合いや遊び、バイトを辞めてまで、そして就活の時期をずらしてまで留学するメリットが当時の私には思い浮かんでいませんでした。けれども、その気持ちは卒業後7年もどこかに石のように残っていて、人生最後にやりたいこと、の中に海外で暮らすということが残っていたようです。

入学試験なし、語学のスコア不要の社会人ができる留学・・・そんな方法があった!

大人の海外留学は難しい?

社会人になってから留学をしようと思うと、大学院かMBAのように資格を取ることをメインにしたものでないと格好がつかないとも思っていました。

そのためにはTOFELやIELTSといったスコアを取らないといけない。その準備の時間も捻出できるのだろうか。そういった不安や恐れでずるずると先延ばしにしていました。

思いがけない友人の言葉が、私の選択を変えた

「海外で一度は長く暮らしたいと思っていたんですけど、準備とかを考えるとなかなか踏ん切りがつかなくて。でも20代でこれを逃すと後悔すると思うんですよね。語学力を満たしていなくても留学できる場所ってないのかな・・・」

そんな私の虫のいいつぶやきに対し、東京に住んでいる友人から思いがけない答えが。

「私の友達でデンマークのフォルケホイスコーレっていう学校に通ってた友達がいるよ!入学条件にスコアは必要なくて、ある程度の英語ができれば問題ないって。私の友達は福祉を専門にした学校に通ってたみたいだけど、他にも色々な分野があるみたい。デンマークに何箇所もあるんだって」

彼女の優しい声を聞きながら、私は手元にあった手帳にとりあえず「フォルケホイスコーレ」と書きました。このSkypeが2年後の自分の選択を大きく変えることになるなんて、その時は思いもよらず。

誰でも通うことができる デンマークのオトナの学校

フォルケホイスコーレとは何か?

「フォルケホイスコーレ」という言葉を早速ネットで検索してみると、「フォルケフォイスコーレ」だの「ホイスコーレ」だのが出てきました。そのうち上位にあったサイトを元に、「フォルケホイスコーレが一体何者であるのか」が見えてきました。

  • デンマークの国民(フォルケ)高等学校(ホイスコーレ)という機関であり、高校卒業した人なら誰でも、いつでも通うことができる学校。
  • 全寮制で共同生活をする。デンマーク人であっても寮に滞在することが必須条件。
  • 海外からの学生を受け入れているが、全校生徒の半数以上はデンマーク人でなければいけない。
  • 学費は思ったより安い!

北欧の学費と生活費は高い?

語学力と同じくらい障壁となっていたのが学費でしたが、フォルケホイスコーレの多くは滞在費と食費を合わせて、なんと1ヶ月約10万円(注:学校によって差があります)。噂に聞いていた北欧の物価の高さを考えると、かなり割安感がありました。

ここまで調べたら、いつでも行くことができる、という安心感が出てきてしまい、このあとしばらくは放置してしまった私。再びフォルケホイスコーレに関して調べ始めたのは、約1年後のことでした。 

写真は、私が通ったVestjyllandshøjskole(西ユランホイスコーレ)。

part1-1学校の正面から

もう一つの大きな選択・・・結婚

結婚する前にどうしてもやっておきたかったこと

1年後、私は一つの方向に向かって舵をきりかけていました。それは結婚という選択。

長く付き合っていた人と結婚するため、仕事を半分にしてもらい、働き方と場所をシフトしつつあったのです。相手は島根の別の地域に住んでいたので、結婚をしたらしばらくその土地に根付いた生活をしなければいけません。

ならば結婚前にしたいことは可能なかぎりやっておきたい。「ヨメ入り前にやっておきたいこと」を何気なく書き出していた時、一番に出てきたのが『留学』。そこで再びフォルケホイスコーレについて調べ始めたのでした。フォルケホイスコーレは調べれば調べるほど、当時の私が知りたかったことにフィットしており、それとともにデンマークに対する好奇心も膨らんでいったのです。

しかし、彼に「結婚前に留学したい」という旨を伝えた時の表情は複雑そうでした。「応援するよ」と言ってくれた中で見せた寂しそうな表情に、当時の私は気づかないふりをしました。そして、自分が最後に手にできるであろう“自由”に思いを馳せていました。

フォルケホイスコーレへの留学を決断した背景、そして彼との未来に向けた選択、そして辿り着いたデンマークの最初の印象については、次回。2回目はこちら→『彼との未来に向けた選択。海士町からデンマークへ

的場さんが活動しているIFAS(International Folk high school Administration Service)のFacebookページはこちら。→https://www.facebook.com/ifas.japan/

2016年夏にフォルケホイスコーレを体験できる2つのプログラムがあります。
本来は3ヶ月以上しか通えないホイスコーレを体験できる貴重な機会です!

〇8/15-20開催
Nordfynsホイスコーレを中心に、森のようちえん、エコビレッジ、ロラン島をめぐるプログラム
http://ifas.renuplus.com/nordfyns/

〇8/29-9/4開催
Boseiホイスコーレに滞在し、フォルケホイスコーレをどっぷり体験するプログラム
http://ifas-bosei.renuplus.com/

Share.

About Author

的場陽子

兵庫県出身。現在デンマーク在住。自身が受けてきた教育への疑問から、教育分野で働きたいと思い、教育系出版社の編集職、離島の公営塾での指導スタッフとして20代を過ごしました。デンマークのフォルケフォイスコーレにて半年過ごす中で、デンマークに根付く自分を知り個性を伸ばす学びの場づくりと民主主義精神に興味を持ち、それをもっと学ぶ方法を現在模索中です。