「好き」よりも「得意」を仕事にしたいという思いから留学・転職し現在イギリスの通信会社「BTジャパン」でファイナンスマネージャーとして働く井土可奈子さん。国内外の人と連携しながら、経理・会計という専門分野で活躍しています。今回は井土さんのこれまでのキャリアや人生、そしてこれからの話について伺いました。
紆余曲折を経て辿り着いたファイナンスの道
現在のお仕事内容について教えてください。
現在私はイギリスの通信会社でファイナンスマネージャーとして勤務しています。会社の利益と健全な資金の運用が主な仕事です。会社である以上、利益を生まなければいけませんし、それを適切に運用しなければなりません。経理部では数字を通して過去・現在・未来を見ることで会社を支えています。具体的には予算組みや予測と実績の比較分析、監査対応などを行なっています。
難しそうなお仕事ですね・・・
そうですね(笑)大学時代は新聞学科でスポーツジャーナリズムを勉強していました。スポーツに関わる仕事がしたいと思っていたので、正直学生の頃は経理部やファイナンス部門で働くなんて、まったく想像していなかったです。
そうだったのですね!では、最初に入社した会社は別の業界だったのですか?
はい。最初はサッカーに関わる仕事がしたいと思い、サッカーのモバイルサイトの運用をしている会社に編集者として入社しました。好きなことを仕事にできたので、毎日楽しんで働いていましたが、途中でその仕事は自分の得意なことではないということに気づき、留学、転職を経て今の仕事に至ります。
好きだけど自分の得意なことではない、ですか・・・
編集者としての仕事は、高い感性やクリエイティビティが求められます。サイトの企画をしたり自分でコラムを書いたりしていたのですが、人の感性に訴えかける企画を考えたり、人の心を動かすような記事を書くことが苦手で…。私はそれよりも物事を分かりやすく説明するなど論理的に考える方が得意だったんです。また、英語から日本語に翻訳する仕事を行うことも多かったのですが、当時は受験レベルの英語力しかありませんでした。より自分にあった仕事をしたい、そして英語を勉強したいと言う理由から会社をやめて留学することを決意しました。
会社を辞めて留学するということは大きな決断だと思うのですが、そこに対して不安はなかったのですか?
もちろん、自分が1年後にどれくらい英語ができるようになるか、思うような職につけるかは分からなかったので不安でしたが、それ以上にわくわくする気持ちが大きかったです。早く英語を自分のものにして、ビジネスパーソンとしての基礎を身につけたいという気持ちが強かったです。
留学先ではどのようなことを学ばれたのですか?
これまで全くビジネスの勉強を行ったことがなく、これから社会人として生活していく中で数字がわかるようになりたいと思っていたので、簿記や会計、経営管理について勉強しました。会計の世界は非常にロジカルなので、いざ勉強してみたら自分にしっくりきましたね。1年間の留学後、日系の会計事務所で初めて会計の分野で3年間仕事をしました。同時にアメリカの公認会計士の勉強も始め、今の会社に入社しました。