ライブ制作の裏側に、どんな思いが隠されていると思いますか?
今回お話を伺ったのは、フリーランスでライブ専門の音楽プロデューサーとして活躍する本間律子さん。「自分がやりたいな!得意だな!と思うことに引っ張られて生きてきた」と語る本間さんから「やりたいことを見つけるコツ」や「仕事への思い」を伺いました。
キツイけど私やれると自信に変わった!
現在のお仕事内容を教えてください。
フリーランスでライブ専門の音楽プロデューサーをしています。アーティストがライブを行う目的に応じて、よりよい結果が出せるような演出・アレンジ・セットリストなどを考え、実際にライブ全体の指揮をします。映画監督の仕事に近いかもしれませんね。
ライブ全体を指揮するまでには、かなりの期間があったのではないかと思います。現在の仕事に就くまで、どのようなお仕事を経験されてきましたか?
新卒から独立するまで、アーティストのマネジメントを経験しました。もともとミュージシャンを目指す中で、レコーディングよりもライブ、特に曲順を考えたりするのが好きで、入社してすぐそういう仕事は誰がやっているのかと人事に聞いたんです。するとそれはマネージャーの仕事だと。じゃそれを!となって8年ほど大所帯のバンドアーティストを担当しました。これがかなりの激務で(笑)でも彼らは絶対いける!と確信を持っていたので、大変でしたがよい経験でした。
マネージャー時代を振り返ってみてどうでしたか?
あのままミュージシャンになっていたとしても、今のような音楽に対する見方の広がりは持てなかったと思います。あの時マネージャーをやってよかったと思っていますよ。入社前までは自分の感覚と音楽的なことだけで勝負してきましたが、8年間あんなにも自分に不向きな仕事をやったことで、苦手意識のあった事柄がそうでもなくなり「こんなにキツイけど私やれるんだ!」と自信に繋がりました。
印象的だったエピソードがあれば教えてください。
入社して間もない頃、新人アーティストの宣伝会議でベテランの部長が、「あ、これは声質がいけるよね」と言ったんです。声質!?と思って。歌に関して、プロはその要素に重きを置くんだと衝撃を受けました。声質はテクニック以前の天賦の要素で、実は聞く人の本能的感情にとても大きく影響します。なるほど、と。それまでの自分の中には全くなかった認識で、仕事への興味がますます深まりました。