当たり前に新しい価値を
大学時代はどんなことを学んでいたんですか。
大学の専攻は化学工学で、いかに効率よく物を作るかを専攻していました。はじめに物を作る時は実験室などのラボスケールから行うことが多いです。でも、大量生産となると工程とかが微妙に変わってきたりしますね。その違いがありながらも、いかに効率的に作るかということを専攻していました。
研究室では、大学の1年間と大学院の2年間、計3年間でPM2.5など、空気清浄機に入っているフィルターなど空気質に関することを研究していました。
空気質の研究室を選んだのはなぜですか。
実は最初から空気質に興味があったわけではないんです。よい先生で、面白そうな研究室だなと思って選びました。その後、研究室で専門性を高めたいと考えて、大学院への進学を決めました。研究室にいた海外からの留学生と関わりながら研究できたのはとても楽しくて、それも大学院に残った理由の一つですね。
研究のどんなことが面白かったですか。
PM2.5がどこで発生して日本まで来るのかという研究をしていたのですが、そのときは国内だけでなく海外にもサンプリングに行っていました。研究しながらも、いろんなところに行けて、さまざまな人々と触れ合えたのはとても楽しかったです。
北山さんが思う、空気質を研究する魅力って何ですか。
空気って世の中に当たり前に存在していますが、研究を通して空気の価値を高めていけると思うんです。それが面白いですね。
例えば、どんな価値ですか。
人間に必要不可欠なのは酸素ですが、その空気中にいろいろな成分を含ませることによって価値が高まると思います。例えば、お肌によい成分だったり、勉強や仕事がはかどる成分だったり。
今のお仕事のアロマディフューザーにもつながるところがありますね。
そうですね。入社当時から、空気があるだけで元気が出たり美しくなれたりする空間を提供できる新しい商品を作りたいと言っていました。今、それを実現できていますね。
今のお仕事で楽しさややりがい、喜びなどはありますか?
自分が考えた商品が形になって、世に出たときですね。そこで「いいね」と言ってもらえると、さらにがんばってよかったなと思います。
逆に大変なこと、辛いことってどんなことですか。
新しいものを生み出すきっかけが難しいなと思います。日々考えるようにはしているのですが、なかなか思い浮かばないときは大変だなと感じます。
新しいものを考えるときに、心がけていることはありますか。
いろいろなものを見たり、触れたりして感受性を豊かにすることを心がけています!これまでですと、アロマの商品はもちろん、今はまったくアロマとは関係ない商品でも積極的に関心を持つようにしています。オシャレな空間に行ってみて、人が心地よいと感じる空間デザインの勉強もしています。
商品を企画していく上で、大切にしていることはありますか。
自分だったら欲しいかということを常に考えるようにしています。仕事をしていると作ることに意識が向いてしまい、ときどき「こんな物いらないわ!」となることも。(笑)そういうときこそ、お金を出してまでこれを手に入れたいかどうか客観的に考えます。