読者の皆さんは、空気の価値ってどんなものだと思いますか?今回は学生時代から一貫して、空気の質を追求しているダイキン工業の北山さんにお話を伺いました。
当たり前に存在しているものの価値を高めて、いつか人の生活が変わるような商品の開発という夢を持ち、日々努力してらっしゃいます。文系、理系問わずこの記事を読んで、技術の凄さ、楽しさを知ってもらえたらと想います。
文系、理系の垣根を越えて商品開発
現在のお仕事内容を教えてください。
お客様の心も体も豊かにしたい!という想いで、お客様が快適に暮らせるような商品の企画や開発を行っています。
具体的には、例えばでんじろう先生がやっている空気砲という技術を使った商品の開発もやりました。穴を開けたダンボールの横をボンって叩くと、勢いよく空気が輪っかを作って出てくる技術です。テレビなどで一度は見たことがある人もいるかと思います。
見たことあります!その技術を使った商品ってどんなものですか。
空気砲の中にアロマを入れたアロマディフューザーの開発です。昨年のCEATECに参考展示をしましたが、商品企画・マーケティングに始まり、どのような構造なら遠くまで届くのかという技術開発に携わりました。
それまで、多くの方からのフィードバックをもらいながら性能を向上させ、展示会では多くの方に興味をもってもらうことができました。今後、同様の新商品や新技術についても検討を重ねて、使った人の心も体も豊かにする技術開発ができれば嬉しいです。
技術系の北山さんも企画からマーケティングも行ったんですか。
1年前にできた新しいプロジェクトに参画しています。元々エアコンの設計開発をしてきた機械系や電気電子系の技術者に加えて、事務系の社員も加わり、あらゆるメンバーが集められました。それぞれのバックグランドをいかしてそこで新しいものを作れないかと、このプロジェクトが立ち上がりました。
技術系だけでなく、文系の方も開発に関わっているんですね!
文系、理系の垣根を超えて、企画やマーケティングの段階から始めて部門に半分くらいいる女性たちの視点も入れつつ新商品を作っています。
実際に、自分だったら何が欲しくて、どんなものがあったら生活を豊かにしてくれるかなど、たくさん考えました。そしてアロマディフューザーがいいのではないかということで、どんどん形になっていきました。
企画、マーケティングは初めての試みだったんですね!それまでは、どんなお仕事をしていたんですか。
以前はエアコンの熱交換機という部品の設計・開発の仕事をしていました。熱交換器は、空気の温度を調整する部分の1つです。より効率的に熱をやり取りするにはどんな設計や材質が適しているかなどの開発を行っていました。
エアコンは一定期間ごとに新しいのが出ると思いますが、見た目は変わっていなくても中身はバージョンアップしています。
以前のお仕事をしていて、大変だったことはなんですか。
商品としてお客様が使えるようになるまでには、さまざまな試験をクリアしなければいけなくて。その厳しい基準を超えるのは非常に難しかったです。毎回、トライアンドエラーの繰り返しでしたね。でも、改良を重ねた結果から厳しい試験を通過して、商品が形になった時の達成感は最高です!