大学の国文科に入学すると同時に始めた、タワーレコードのアルバイトでバイヤーを経験。大学卒業後も続けたアルバイト経験が活きて、アップリンクに入社し、映画作品の配給・宣伝などに携わっている露無栄さん。音楽が好き、映画が好き。今回は、そんな自分の“好き”を貫いてきた露無さんに、アルバイト時代のお話や、現在の仕事に対する想いをお伺いしました。(2018年9月18日時点)
アルバイトに夢中だった学生時代
現在のお仕事について教えてください。
所属は配給・宣伝部で、映画作品の買い付けから公開まで携わっています。まず、海外の映画祭やそれと同時に開催されているマーケットへ行って作品を買い付けます。上映する作品が決まったら、字幕や日本向けのタイトルとビジュアルをつけ、宣伝活動して公開までもっていきます。
仕事内容の幅が本当に広いですね!マーケットとはどのようなものですか?
マーケットには、世界中から映画を売る人たちが来ています。まだ映画祭にも出ていない新作や、制作途中の新作などを紹介してもらい、カタログや予告映像、試写で全編観たりして買い付けます。東京ビックサイトでよく行われている見本市・展示会の映画版だと思っていただければ良いです。情報収集の場でもありますね。
アップリンクに入社したきっかけは何ですか?
大学に入学してからタワーレコードでアルバイトをしていました。卒業後も含めると6年間くらい働いたと思います。もともとアップリンクで上映している作品が好きで、お店で作品を仕入れたり、自分でアップリンクや他のミニシアター作品の棚を作っていたんです。アルバイトを辞めた後、1年ほど実家で過ごしていたとき、たまたまホームページを見ていたら社員募集をしていたので応募したことがきっかけです。
周りの大学生がみんな就活をしていた時期も、このままタワーレコードで働き続けようと決めていたのですか?
何も考えていなかったと思うのですが、当時はアルバイトに夢中でこのままこういう仕事でもいいかなって(笑)。一応、広告代理店を1社だけ受けてみたのですが、1次面接が終わった時点で「何か違うな」と思って、辞退してバイトを続けました。その時は単純に、楽しいからこっちにしよう!という気持ちでした。
自分が今好きなことを大切にする姿勢が素敵ですね。なぜタワーレコードでアルバイトをしようと思ったのですか?
幼い頃から姉の影響で音楽も映画もどちらも好きでした。他のレコード屋さんではなくタワーレコードにしたのは、はじめて輸入盤のCDを買った店だったから。当時は輸入盤がかっこよく見えたんです。
アルバイトではどんなお仕事をしていたのですか?
主に、映像のバイヤーをやらせてもらっていました。海外のメーカーから直で仕入れることもできて、割と自由度が高かったんです。本で見つけて自分でも観たいと思っていた映画を仕入れて、お店に置けたのが楽しかったですね。それと、サウンドトラックはマニアの方が多いので、日本で入手困難なCDをヨーロッパから輸入することもありました。
海外から仕入れるという点は現在のお仕事にもつながっていますね。アルバイトでの経験で、現在のお仕事に活きている事はありますか?
たくさんありますね。自分が売りたい作品のポップを書いたり、何本作品を入荷して何週間で売るか、といった販売計画や売り場作りも自分で考えて行っていました。
“何のどういう部分をアピールしたら、どのくらいお客様に興味を持ってもらえて、どれくらい売れるのか”を常に考えていたので、肌感覚で「こうしたら人に気づいてもらえるんだ」「興味を持ってもらえるんだ」ということを学べたと思います。