なぜ「女性」に焦点を当てたの?
女性に焦点を当てた事業をしようと思った理由はありますか?
初めの方で10代の頃からパン粉になりたいって言ったんだけど、女性の活躍っていうのも10代の頃から決めていた私のテーマでした。
私は共学の中高に通っていたのですが、そこには優秀な女の子がたくさんいて…。でも私たちの世代の親は専業主婦が多かったから、その影響でたとえ優秀な女子でも、社会で働く場はないのかな、おかしいな、もったいないなと思っていました。
女の子にとって、社会に出て生きるということはとても良いことだと考えていたし、私も長く働きたかった。だからこそ「女性」は10代の頃からのテーマです。
なるほど、その中でも「女性社長」を対象にしたのはなぜですか?
リクルートで営業をしている中で、決定権のある社長と商談を進めるときが、1番物事が進むスピードが速かったんです。私はせっかちで待てない性格なので(笑)。決定が速い人たちとやる方が良いだろうと思いました。
起業したからこそ経験できる楽しさとは
リクルート時代と今で、働き方にはどのような変化がありましたか?
会う人の種類が多岐に渡るようになったことでしょうか。行政の人、女性社長、学生、大手企業の人など、いろんな人と喋れる。人脈がまあ広い!
それは独立したからこそですよね。
独立ならではですね。あと私はラッキーなことに30歳を過ぎてから、さまざまな省庁の会議にも呼んでもらっていて。会議には著名な学者や大手企業の社長、女性活躍分野の先達の方ばかり。多分、そのまま組織にいたら会えないような人たちにも会えて、すごく勉強させてもらっています。
企業のブランドがないからこそ、「横田響子個人」として覚えてもらえる。そういった個人と個人の繋がりはずっと続くものだと思います。これも独立したからこそできることですね。
起業のやりがいは、そういった幅広い人と繋がれるというところにあるんですか?
幅広い人脈はインプットアウトプット両方に広がりが出ます。会社のブランドに頼らず、小さな規模でも大きな会社と遜色ないような良い仕事をしてくれるねって言われると、してやったり!と思います。やはり実力を見てもらえるとうれしいですね。
大きな組織の中では出てこないようなアイデアも、自分だったら生み出してそれを活かすことができるから、とってもおもしろい。誰もやっていないことをやったり、知らないことを知ったりするのがワクワクしてしょうがないんです。
大きな組織に風穴を開けて、もっとおもしろいことをやりたい!
私は「働く」ことに対する不安が大きいんですけど、横田さんにとって「働く」ことはどういう意味を持つのか教えて欲しいです。
確かに辛いこともあるけど、おもしろいことが本当にたくさんあります!仕事をすることで成長したり、知らないことを知ったり、常に新しいものに触れながらチャレンジできる。それが単純におもしろくて…。おもしろいから仕事をやっています!
女性起業家・社長として活動を続ける原動力は何ですか?
完全に使命感です。女性社長のヒアリングを通して、私と同じようにキャリアを順調に積める人が多いわけではないと知りました。どちらかというと、たたきあげで個性的な起業をしている人がすごく多い。そういった人たちを支援しようという使命感は誰よりも熱いと思います!
女性社長たちを盛り上げていますね!
そうですね。でも実はそれ以外に、大きな組織に風穴を開けたいという気持ちもすごく大きいんですよ。大きな組織と女性社長たちとともに、もっとおもしろいことを一緒にやっていきたい!女性社長としていろんな場に呼んでもらえる機会も増えてきて、起業をして10数年かけて少しずつ新しいことができるようになってきた感じです。
今後のコラボラボの展望を教えてください。
大きく分けて2つあります。まず1つ目は新しいことの量産と、ワクワクするようなマッチングにどれだけ立ち会えるかということです。2つ目は、女性社長を社外取締役として紹介するサービスをスタートしました。ただ最終目標は「女性○○」という言葉がなくなるような、本当のダイバーシティの実現です。
そのためにはまず政治や大組織など、意思決定をする場の仕組みを変えていく必要があると思います。今はそういう場に多様性が足りないから、女性社長も含めて、今まで意思決定をしてきた人たち以外が参加できるような仕組みを作りたいです。
横田さんが女子大生に伝えたいこと
現在、お茶の水女子大学で授業をしているそうですが、授業をしようと思った理由はありますか?
お茶の水女子大は私の母校で、後輩がかわいいから何かできれば良いなという気持ちがありました。やってみてすごく感じるのは、経済感覚を持った人間が大学や自治体に入ることの大切さですね。
なぜそのように感じるのですか?
今は自然と右肩上がりに成長する時代ではなくて、スクラップアンドビルド、時にゼロから新しいものを作っていかなきゃいけない時代です。つまり生産性を高めたり、効率的に成果を出したり、新しい視点の導入が絶対に必要。
そういったことは民間経験のある人の方がより伝えられると思うから、生徒には私やゲスト講師を通して少しでも感じ取ってもらえるものがあれば良いなと考えています。
ありがとうございます。最後になりますが、横田さんから女子大生にメッセージをお願いします!
女の子の方が手を挙げない傾向にあるでしょ?だからそれを踏まえて注意点を言うと、誰かの顔色を見てやるかやらないかを決めないこと。こうしたいという自分の気持ちとか、好き嫌いに忠実になってほしいです。
あと義務は別として、やりたくないことはやらなくても良い。でも迷ったらやってみた方が良い。やってみて違うと思ったらやめてしまえば大丈夫。自分のやりたいことを誰かの言葉でやめるということは絶対にしないで、やれる方向を自ら探してください!
それと、既存のルールにとらわれないでほしいですね。ルールはまやかしのガラスなので、それがなぜあるのかを考えて、変えた方が良い場合は自分から変えていくことが大切です。
取材を終えて
「知らないことを知る、誰もやっていないことをやるのがワクワクしてしょうがない。」そう笑顔で語る横田さんはとても素敵でした。これから社会に出て働く上で、横田さんのように常に自分のやりたいことを明確に持ち、それに向かって自ら進んで行きたいと思うようになりました。お忙しい中、取材を引き受けていただきありがとうございました!
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