「社会人若葉マークのわたし」では、新卒社員として入社をしてから1~2年が経過した先輩たちに「現在の仕事内容や仕事のやりがい」「入社し働いて気が付いた社会人の面白さや苦労」「これからのキャリアをどう考えているか」などをインタビュー。
社会人は大変なこともあるけれど、楽しいこともたくさんあるという思いを語っていただき、これから社会人になる女子学生の皆さんの背中を押します。今回はMRとして働くRenaさんにインタビュー!「やりたい仕事がない」と思っていたというRenaさん。そこからMRという仕事に出会うまで、そして、働いて知ったMRの面白さについて伺いました!
小さい頃の出来事が原点。形は違えど「患者さんの助けになりたい」という思い。
現在勤めている会社とお仕事の内容について教えてください
医薬品を病院に売る、製薬会社で働いています。主に抗がん剤や喘息、糖尿病などの薬剤を扱っています。私はMRとして抗がん剤を営業する部署で働いています。MRというのは、日本語でいうと医療情報販売者のことです。この仕事は自分が担当する病院に行き、医療従事者の方達に薬剤の有効性や副作用、有害事象をお伝えするのが主な仕事です。また、実際に薬剤を服用している患者さんの容態や薬剤の効き目を確認もします。
なぜMRという職業を選んだのでしょうか。
就職活動を始めた頃は自分が就きたいと思う職種がなかったんです。様々な業種のインターンや説明会に参加しましたが、ピンと来るものがありませんでした。どれも面白そうではあるけれど、「これをやりたい!」というのがあまり見えてこなくて。就職活動の途中で、このまま続けても自分の本当にやりたい仕事には出会えない、と思いました。
そうだったんですね。本当にやりたいと思える仕事はどのように見つけたのですか。
そこで自己分析を一からやり直し、幼少期まで遡って自分を見つめなおしました。その際に、自分が幼い頃になりたかった職業が、お医者さんや看護師さんなどの医療従事者であったことを思い出しました。しかし、理数系科目が苦手であったことや、他のことに興味を持ったことから、その夢を叶えるために医学系の大学に行くことはありませんでした。でも自分がなぜそういった夢を持っていたのか思い返すと、幼い頃に祖父母が癌で亡くなったことが影響していると感じました。私自身ももちろん悲しかったですが、悲しんでいる両親をみるのもやはり辛くて。そういった経験から、医療従事者となって病気の人たちを助けたい、と幼少期に感じていたことを思い出しました。
MRという職業にはどのように出会ったのですか。
私は文系なのですが、文系でも医療に携わることができる仕事を探した際にMRという仕事を知りました。MRは医薬品に関する正しい情報を伝えるのも必要ですが、先方の医療従事者の方達に信頼されるようコミュニケーションを取ることも大切なので、そういった点でも面白そう、と感じました。
日々勉強。知識に加えて人とのコミュニケーションも大切に。
入社して新たに発見したことはありますか
MRという仕事は、個人ではなく、チームでやっていく仕事だということに現場に出て初めて気がつきました。それまでは、先生方とコミュニケーションを取り、自分で全てマネージメントして進めていく仕事だと思っていました。でも実際は先輩をはじめとした周囲の人たちと一緒にやる仕事が多いですね。例えば、先生方向けの講演会や勉強会を先輩たちと一緒に企画したり、イベントを通して先生同士を繋げたりするようなことがあります。そういったことから、MRはチームでやっていく仕事なのだと実感しました。
仕事をしていてやりがいを感じるときはどんなときですか
患者さんの体調が良くなった、というお話を聞く時にやりがいを感じますね。MRは患者さんと直接的に接する仕事ではないため、直接話す機会も無ければ、患者さんが病院内で私たちを見つけてもMRの人だと認識していない場合もあります。しかし先生や看護師の方から患者さんが薬のおかげで具合が良くなった、などというお話を聞くと、「自分は医療の一部にはなってしまうけど患者さんの助けになることができているな」と感じます。
仕事において大変だと感じることはありますか
医薬品についての知識を頭に入れるのは大変に感じます。専門家であるお医者さんと話す以上、私自身もそれに追いつけるくらいの知識が必要ですし、患者さんの命に関わる医薬品を扱っているため専門的なことも勉強しなければいけません。また、医学は日々進歩しているので、常に学会発表や論文にも目を通すこともあります。
これからが本当のスタート!自分の気持ちに素直にしたがった先にあるものとは。
大学時代に取り組んだことについて教えてください。
大学時代は自分がやりたいこと全てに挑戦してきたと思っています。学園祭の委員会に所属したり、東北の被災地にボランティアに行ったり。3ヶ月の短期留学にも挑戦しました。
色々挑戦した中でも特に印象に残っているのが、大学の自主ゼミで学んだリーダーシップについて学ぶプログラムです。リーダーシップというと、人をまとめるのが上手な人や、人前に出て話すことが得意な一部の人が発揮するものだと思っていましたが、実はそうではなく、人それぞれの強みに合わせた形があってより組織を高めていくようなものだということを学びました。社会人になってみて、自分なりのリーダーシップをどのように発揮してチームに貢献していくかという点で、ゼミで学んだことが生きていると感じています。
先程のお話にも通ずるところがあるかと思いますが、学生時代に学んだことは、現在どのように生かされていますか。
リーダーシップの面もそうですが大学時代、様々なことに自分なりに考えて挑戦したことが現在にも生かされていると感じます。例えば、多忙でなかなか面会する機会のなかった先生とどのようにして会っていただくか、という点で大学時代の経験が生かされました。先生に会っていただくために、まずは電話をして少しずつ話を聞いていただけるようにしました。するとMRの先輩から、「積極的に電話する、挑戦する姿勢が良いね」と言っていただきました。極端に失敗を恐れずに「とりあえずやってみよう」という姿勢は大学時代に様々なことに挑戦してきた成果だと思っているので、当時の経験が現在になって生かされていると思います。
自分を評価するとしたら社会人として何分咲きですか。
社会人1年目が3月に終わり、最近ようやく一通りの仕事の流れを覚えて、一人で様々な業務をできるようになってきたと思っています。なので、まだ一分咲きくらいかなって。やっとスタートラインに立てたと思っています。
今後の目標を教えてください。
第一の目標としては、先生方に信頼されるMRになりたいです。今はまだ勉強不足というのもあって、先生からの質問に答えられず一度持ち帰らせていただくことがあります。そのため、信頼されるというところまでにはまだ達していないと思っています。スキル面だけではなく、人間性の面でも「あなただからお願いしてみようかな」と思っていただけるくらいにまで成長したいです。
その先の目標としては、まだ漠然としてはいますが後進の育成に携わりたいと考えています。学生時代にリーダーシップについて学んできたこともあって人の成長や育成に関心があるので、現場での経験も活かしつつ、他のMRの方たちの成長に貢献していけるような立場になりたいです。
最後に、将来に悩む女子学生へのメッセージをお願いします。
最初にも言ったように、就活の時に私はやりたいことが見つからなくて悩んでいました。さらにMRという仕事に出会ってからも、迷いが生じてしまう時期もありました。でもその時に、「自分がやりたいことって何だろう」というのを考えて、できるだけ自分の気持ちに正直になって将来を決めていけば良いと思います。周囲の人と比較してしまうことも私自身ありましたし、実際皆さんもあるかと思いますが自分のペースで進んでいけば本当にやりたいことも見つけられると思います。そうすれば就活だけではなく、将来にも前向きに向かっていけるのではないかと思っています!
インタビューを終えて
現在私は大学3年生でこれから就職活動に向けて動き出す時期ですが、就職後のキャリアについて考えるのが大切だとわかっていつつも、つい就職がゴールだと考えてしまいがちです。しかし、Renaさんは就職がゴールではなく、社会人2年目のこれからが本当のスタートだとおっしゃっていたのがとても印象的でした。
現状の自分に満足せず常に向上心をもって果敢に挑戦する姿勢は、現在の私に欠けている部分でもあり、見習いたいと感じました。Renaさんのように「とりあえずやってみよう」というマインドで前向きに将来について考えてみようと思います。