社会人1〜2年目の先輩たちにインタビューする「社会人若葉マークのわたし」。
今回は就活レポでもその経験を語ってくださったRisakoさんにインタビュー。地域の社会問題の解決を目指し文系からシステムエンジニアとなった彼女の価値観に迫ります。
今も変わらない自分の強み
入社した理由と今のお仕事を教えてください。
大学では人文系の学問を学んでおり、そこで感じた「社会課題を見つけ研究することはできても解決できない」という歯痒い思いから、社会課題の解決につながるシステムを作ることを期待してIT企業に入りました。その会社で大都市向けのシステム開発をしています。
文系とお聞きしましたが何を売りに就活に臨みましたか。
面接で長所を聞かれ「私の強みは相手の考えを言語化することです」と答えました。一見システムエンジニアに関係なさそうな能力ですが、先方が抱えている言葉にできない問題や課題を引き出して言語化し、相手が求めている以上のシステムを提供するというのは、実はより良いサービスを提供する上で必要不可欠な能力なんです。 理系出身の方は技術的なことへの興味関心が強い一方で社会課題に目が向きづらい傾向にあると思います。文系出身の方など、技術とは関係のない知識や視点を持った人がそこに入ることでビジネスの視野が大きく広がります。
社会人となった今の強みはなんだと考えていますか。
「わからないからないことをわかるまで聞く力」です。なんとなくわからない、どう質問したらよいのかがわからない、というのは誰にでもあることだと思います。それを言葉や文字、図といった形にできること、質問できるところまでそのモヤモヤを消化できることは私の強みです。
いつまでも「意思」のある人でいるために
大学と会社で違うことはどういったところでしょうか。
大学と会社の大きな違いの一つはモチベーションの方向性だと考えています。私のモチベーションは社会課題を解決したいという思いですが、自分の技術を活かしたい、自分が誇る会社をもっと大きくしたい、出世したいなど、働くモチベーションは人それぞれです。それに引きかえ、大学の先生たちにはそれぞれ専門領域があります。それは社会問題を学んでいた私の場合であれば、対象や方法はさまざまでも当然どこかで社会が抱える問題につながっていました。会社とは全体のモチベーションの統一感が違うと思いました。
今、会社には自ら課題を見つけそれを解決するシステムを作る積極的なビジネスに対する動きがあります。社会問題を解決したいという意思のある人物がきっと必要になると信じて私は自分のモチベーションを大切にしています。
モチベーションを維持するためにやっていることはありますか。
首都圏に住んでいるので、地域社会の社会問題とは無縁の生活をしています。問題を忘れるのはとても簡単です。それでも私を引き止めるのは日々の記事や雑誌、論文です。読むだけで悲しくなるようなニュースや深刻な情報をあえて意識的に取りに行き、怒りや悲しみを感じる。それが私の中の解決したいという強い意志を呼び覚まして、モチベーションの維持につながっています。
非常事態でも一心一意
入社の年にパンデミックとなりました。オンラインで始まった新生活で意識していたことはありますか。
やはり一番は考えを言葉にすることです。研修は全てオンラインでした。初対面の顔が見えない集団の中で勇気を持って発言や提案をすることは大切だと思いました。
普段なら講師の方は研修生の表情や仕草をなんとなく伺って声かけをしたり助言をしたりできますが、オンラインにはそういったことが難しく、自分で自分の置かれている状況を伝える必要があります。私は意識的にモヤモヤしていることを言葉にして自分の欲しい回答が得られるまでそれを根気よく続けるようにしていました。「ちょっと待ってください」「やはり昨日のこの部分の説明が理解できません」といったふうに。こうやって助けを呼べば講師の方はその都度ちゃんと応じてくれます。
新たに良い聞き手になることも意識するようにしました。コメントやスタンプなど可能なリアクションを駆使して他の仲間が喋りやすい空間を作る。積極的な質問や提案でお互いに高め合える空間になるよう意識しました。雰囲気の助けがない中、自分が置かれている状況の報告を欠かさないことは効率的で信頼できる仕事につながります。オンライン研修は考えを深掘りし言語化することの大切さをより意識させてくれました。
私はいざリアルで初めて登校するに当たって不安もありました。今は稀に出勤することもあると思います。初めての出勤に不安はありましたか。
はい。ありました。私たちの世代の大変なところはリアルな新生活とオンライン上の新生活の二つの環境に同時に慣れなければいけないところです。会社の先輩方にとって出勤は「普通」に戻ることですが、新社会人にとっては「普通」ではありません。例年の新生活の不安も消化する必要があります。学生、社会人問わず新生活の不安は授業や仕事そのものではなく、それ以外の小さなことにあったりすると思います。
その中で意識したことはありましたか。
自分の考えを深掘りすることです。まずは慣れること。こればかりは経験に勝るものはありません。その上で自分の考えを深掘りすると新しい環境に慣れやすくなると思います。慣れなくても気持ちが少し楽になります。「嫌だ」「行きたくない」そんな漠然とした感情を、ではなぜ自分は今そう感じているのだろう、と一度冷静に考える。すると意外にちょっとした工夫で負担が軽減したり、自分の嫌なものが明確になることでその出来事の前後に自分で自分を気遣ってあげられるようになったりすると思います。
それでは最後に恒例の質問です。今、社会人として何分咲きだと考えていますか。
まだ二分咲きです。一年間、社会人を経験して今までできなかったプログラミングができるようになったり、会社や仕事の用語がちゃんとわかるようになりました。社会人一年生としてしっかり頑張れた、それでまず一分。二年目に入った現在も今やるべきことを頑張れていると思うのでもう一分、合計で今は二分です。 まだまだわからないことも多く、正直、自分がやりたいと思っていた仕事をできているわけではありません。でもこれからもっと学んでいって、自分が進む方向を自ら変えていけるように頑張りたいと考えています。私は二年目で可能性もいっぱいあると信じています。今の会社や仕事に必要以上にとらわれず、自分が実現したい社会に向けて自分ができることを探し続けたいと思います。
インタビューを終えて
考えを深め、言葉にする大切さ。とても説得力がありました。Risakoさんの様にどんな時もどんな場所でも力強く自分らしくありたいものです。
自分の考えを深めることに慣れていない人もいるのではないでしょうか?不安を感じた時、ただ自分を不甲斐なく思うのではなく自分自身に相談し、友達の相談に乗るようなつもりで考えを深めてみるとRisakoさんの様に前を向いて生活できるかもしれません。
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