27年度の新入社員を一言で表すと「消せるボールペン」。
まさに、昨日のニュース「今年の新入社員は『ほどほどに働き、付き合い残業はしたくない』派」をうまく表した言葉ですね。
見かけはありきたりなボールペンだが、その機能は大きく異なっている。見かけだけで判断して、書き直しができる機能(変化に対応できる柔軟性)を活用しなければもったいない。ただ注意も必要。不用意に熱を入れる(熱血指導する)と、色(個性)が消えてしまったり、使い勝手の良さから酷使しすぎると、インクが切れてしまう(離職してしまう)。
日本生産性本部が発表している「新入社員の特徴とタイプ」より
今日は、今年の新入社員の価値観について見ていきましょう。
日本生産性本部の平成27年度新入社員「働くことの意識」によると、生活価値観に関する16の質問のうち、1位となったのは「人間関係では、先輩と後輩など上下のけじめをつけることは大切なことだ」でした。
昨年と2.5ポイント以上差があったのは「あまり収入がよくなくても、やり甲斐のある仕事がしたい」(62.9→57.8%)、「すこし無理だと思われるくらいの目標をたてた方ががんばれる」(74.3→69.9%)です。
「ほどほどに働き、付き合い残業はしたくない」派ならではの、人並みで十分という意識が現れているようですね。
といっても、回答全体をみれば、前向きに物事を考えていることが見て取れます。「ほどほど」とクールな面がありつつも、本音ではがんばりたいと思っているのではないでしょうか。
- 人間関係では、先輩と後輩など上下のけじめをつけることは大切なことだ 88.5%
- 将来の幸福のために、今は我慢が必要だ 84.6%
- 他人にはどう思われようとも、自分らしく生きたい 81.4%
- 明るい気持ちで積極的に行動すれば、たいていのことは達成できる 80.8%
- 自分はいい時代に生まれたと思う 77.3%
- すこし無理だと思われるくらいの目標をたてた方ががんばれる 69.9%
- たとえ経済的には恵まれなくても、気ままに楽しく暮らす方がいい 61.9%
- 冒険をして大きな失敗をするよりも、堅実な生き方をするほうがいい 61.4%
- 企業は経済的な利益よりも、環境保全を優先するべきだ 58.5%
- 世の中は、いろいろな面で、今よりもよくなっていくだろう 58.2%
- あまり収入がよくなくても、やり甲斐のある仕事がしたい 57.8%
- リーダーになって苦労するよりは、人にしたがっている方が気楽でいい 50.8%
- 自分と意見のあわない人とは、あまりつきあいたくない 49.4%
- 世の中、なにはともあれ目立ったほうが得だ 49%
- 周囲の人と違うことはあまりしたくない 42.6%
- 世の中は、いろいろな面で、今よりも昔のほうがよかった 37.4%
本音は言わず、一人が好き!
対人関係についての3つの質問では、「本音は言わず、一人が好き」な様子が浮かび上がりました。
- 浅く広くより一人の友人との深い付き合いを大事にする 79.3%
- 相手とは意見が違っても、その場ではあまり反論しない 62.3%
- 友人といるより、一人でいるほうが落ち着く 51.9%
1位は「浅く広くより一人の友人との深い付き合いを大事にする」とありますが、2位、3位の数字をみる限り「少ない友人と浅い付き合いをする」傾向がありそうです。上司のみなさんは、すぐに密な人間関係を強要せず、少しずつ距離を縮めていく方がいいのかもしれません。
さて、来年の新入社員はどんなふうに表現されるのでしょうか。楽しみですね!
出典
平成27年度 新入社員「働くことの意識」調査結果(公益財団法人 日本生産性本部)
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