日本は女性に厳しい。出産で多くの人が辞めてしまう。家事育児は女性の負担・・・世の中にはいろいろな噂があります。
でも、その噂は本当のこと?
社会の本当の姿を知るために、「データ」の世界をのぞいてみませんか?
みなさんを導くのは、とある業界の企業で人事労務系のお仕事をする、社会人記者の石井真希さん。数字が伝える真実から、社会を理解してもらいたいと思っています。
こんにちは!社会人記者の石井真希です。
突然ですが、皆さんが、結婚相手に求めるものは何ですか?
性格?収入?相性?包容力?
もし、子どもがいて、仲良く子育てして・・・、そんな家族をイメージするのであれば、収入よりも何よりも、大事なものがあるかもしれません。
家事や育児、どれだけ分担できますか
厚生労働省の研究機関の調査によると、男性が家事や育児を分担する割合が高いほど、女性からみた父親としての評価が高くなるそうです。
例えば、育児・家事を半分以上分担する男性については、9割以上の女性が良い父親と評価!
これに対して、家事・育児の分担が1割の男性では、良い父親との評価は4割まで下がります。
家事や育児など、家庭の中のケアをちょっとしかしない男性と暮らしていると、女性の6割はパートナーを少なくとも「良いお父さんとは言えないな~」と思っている。なんとなくモヤモヤしながら暮らしていることになりますね。
一割の家事・育児ってどの位?
家事や育児の分担が1割というと、ゴミ捨てと週2、3回の子どもお風呂、週末のお風呂掃除と掃除機かけをやる位のイメージでしょうか?
「僕は家事・育児してるよ」、という男性も、実際にはこれくらい、というおうちが多いかもしれません。でも、これだけじゃ、生活は回らないですよね。
食材買い出し、料理、料理の片付け、洗濯、家中の片付け、掃除、家中のゴミ集め、シーツや枕カバーの交換、子どもの衣類や生活備品の点検・補充…。これに、起きているあいだは一緒にいたい、遊んで欲しい、目を離すと危ないことをしかねない子どものケアがある。
ここでちょっと、夫婦ともども会社員で、乳幼児を育てている男性と女性に注目して、一週間の家事や育児時間をみてみましょう。週全体で女性は平均373分、男性は平均60分。だいたい1割ちょっとでしょうか・・・。
収入はあまり関係ない
先ほどの研究機関の調査では、父親の年収が600万円以上でも、600万円未満でも、父親として花マルをもらう男性の割合は3割とほとんど変わらないそう。
収入が多いかどうかは、父親としての評価に関係しにくくなっているんですね。
もし、「将来」、パートナーを良いお父さんだなと思いながら、ほっこり過ごす日々を思い描くなら、逆に「いま」はシビアな目が必要なのかもしれません。今のうちに、彼の価値観を聞いておきましょうね!
データの出所
- 労働政策研究・研修機構「子どものいる世帯の生活状況および保護者の就業に関する調査」2012年
- 総務省「社会生活基本調査」平成23年