日本は女性に厳しい。出産で多くの人が辞めてしまう。家事育児は女性の負担・・・世の中にはいろいろな噂があります。
でも、その噂は本当のこと?
社会の本当の姿を知るために、「データ」の世界をのぞいてみませんか?
みなさんを導くのは、とある業界の企業で人事労務系のお仕事をする、社会人記者の石井真希さん。数字が伝える真実から、社会を理解してもらいたいと思っています。
こんにちは!社会人記者の石井真希です。
皆さんは将来のパートナーとの出会いをどんな風にイメージしていますか?
告白しますと私は、以前、婚活をがんばっていたことがあります。
自分に合う人がいないと嘆くくらいなら、チャンスを広げようと努力したい!と思ったのです。
価値観は人それぞれ
知らない男性とたくさん会うのは疲れたけど、収穫もたくさんありました。
その一つは、仕事への意欲、趣味へのスタンス、パートナーに求めるものなど、びっくりするくらい色々な価値観があるのだとわかったこと。
ある男性に聞いた話で、印象に残っていることがあります。
「情けないと思われるのが心配で、共働き希望でもなかなか口に出せないんですよ」
日本はいまだに男性が家族を養うという意識が強いですよね。
でも、こんな基本的な価値観を出せずに、パートナーを探すというのはお互い遠回りというか、効率が悪いと思いませんか?
今日はこんな表に出にくい、男子の価値観の変化についてデータから考えてみたいと思います。
未婚男子の理想が変わっている
国立社会保障・人口問題研究著の調査によると、未婚男子が将来のパートナーに希望するライフコースは着々と変わっているそうです。
まず、専業主婦希望がどんどん減ってきています。
1987年には、ざっくり未婚男子の4割が「将来のパートナーに家庭に入って欲しい」と希望していましたが、2010年にこれを希望しているのはたった1割です。
「出産したら仕事をやめて、子育てが終わったら再就職する」を希望する男子はちょっと上下に動きつつ、1987年も2010年も約4割。
2010年になっても、4割の未婚男子が将来のパートナーに出産したら一旦仕事をやめてほしいと考えているのは、働くことが大好き!な私としてちょっと衝撃的です。
「子供が小さいうちはお母さんがつきっきりで世話をするべき」という考え方は、なかなか崩れないのかもしれません。
働き続けたい女性にとって「救い」と言えるのは、妻に「子供を産み、仕事も続ける」ことを希望する男子が1987年の1割から3割へと増えていることでしょうか。
*グラフ1:未婚男子が将来のパートナーに希望するライフコース
男子もツライ
では、なぜ専業主婦希望が減り、両立希望が増えてきたのでしょうか。
ここには、男性ひとりで家族を養うには、あまりにツライ現実が増えてきたことがあるように思います。
2つめのグラフは、男性の失業率と賃金がこれまでどう変わってきたのかをみたものです。
まず「失業しやすさ」ともいえる失業率をみると、1991年からぎゅっと上がり、そのあともなかなか下がりきらない。生活の糧である「平均賃金」に至っては、1997年から落ちる一方。
未婚男子の希望の変化の裏には、こうした厳しい現実を彼らが肌で感じていることがあるのではないでしょうか。
また、「家庭と仕事の両方を大事にしたい」と考える未婚男子が増えているという背景もありそうです。
*グラフ2:男性の失業率と賃金のうごき
価値観をすり合わせよう
人事労務畑にいる者として、ここ数年は働く女子を応援する「風」がさらに強くなっていることを感じます。
2020年に女性管理職を30%に増やすという政府の目標もあり、女性の採用・育成に力を入れる企業が増えています。
男性の賃金が上がらず、女性の就業が求められている現在、感情だけでなく冷静に働き方を見直す必要がありそうです。
夫が働き、妻は専業主婦という夫婦、夫も妻も働き、ともに子育てをする夫婦、夫が子育てに専念し、妻が働く夫婦。いろいろな夫婦の形があります。
自分の希望するライフコースや、素敵なパートナーシップを実現したいなら、男女の「希望のすりあわせ」が、ますます重要!
従来の働き方に囚われず、お互いの価値観を話し合えるパートナーを見つけたいですね。