「将来自分が何をしたいのかわからない」「自分の行きたい企業に軒並み落ちてしまってどうしたらいいかわからない」――特に就職活動中では、そう感じている人も少なくないのではないでしょうか。 今回は、新卒でIT企業に入社し、そこで培った経験を活かしてエンタメ(エンターテインメント)業界へのキャリアチェンジをした原アンナさんにお話を伺いました。「好き」を原動力に、自らのキャリアを切り開いてきた原さんのお話は、きっと将来を考えるヒントや勇気をくれるはずです。
SNSマーケティングは試行錯誤のくり返し
現在のお仕事について教えてください。
映画「ハリー・ポッター」シリーズの制作の裏側を体験できる「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ・ハリー・ポッター (以後スタジオツアー東京)」のマーケティング部署に所属しています。主に、SNSを中心にスタジオツアー東京の宣伝を行ったり、インフルエンサーマーケティング、イベントの企画運営なども担当したりしています。
SNSマーケティングは、他のマーケティングとどこが違うのでしょうか?
SNSマーケティングは、毎日がトライアンドエラーのような感覚で動けるのがおもしろいですね。例えば、ポスターなどの広告媒体では一度出すと簡単には差し替えられませんよね。でも、SNSであれば、毎日さまざまな角度で柔軟に発信できるのが大きな違いです。「この投稿がウケなかったから、次はこれをやってみよう」みたいに、柔軟に施策を変えることができます。
また、媒体ごとの特性を意識した使い分けも重要です。Xでは速報性、Instagramはブランドの世界観づくり、TikTokはテンポ感と共感性が求められます。それぞれの特性を活かしながら、誰にどう届けるかを考えるのがSNSマーケティングの醍醐味です。
若い世代に魅力を届けるために、どのような工夫をされていますか?
20代やそれより若い世代の方は、そもそも「ハリー・ポッター」に馴染みがない可能性があるという前提で考えています。そのため、作品に詳しくない人にも直観的に「ハリー・ポッター」の世界観やスタジオツアー東京の魅力が伝わりやすいようなコンテンツを作るように心がけています。また、縦型動画はスワイプをしてすぐに次のコンテンツに行きやすいので、インパクトがあるものを動画の最初に入れて、後半では説明を多くするなど、離脱されないための工夫もしています。
お仕事の楽しさや、やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?
自分の「やってみたい」を尊重してもらえる環境で、アイデアをかたちにできることが楽しいです。特に、SNSコンテンツの制作においては、企画から撮影、編集、投稿までを自分の裁量で進められることが多く、自由度が高い分、工夫しがいがあります。
自分が携わったイベントやSNS投稿を、世の中の人が実際に目にした瞬間はとても感動します。人数が少ないチームだからこそ、手を挙げたことにすぐチャレンジできるのも魅力です。みんなで作り上げたものが多くの人の心を動かすのを見られると、大きなやりがいを感じます。
多忙な中で身についた「チャレンジ精神」
昔からエンタメに興味があったということですが、どのような学生時代を過ごされていたのですか?
とにかく忙しい学生時代でした。アルバイトを4つ掛け持ちし、インターンや留学、そして教職課程を含む大学授業など、さまざまなことに取り組んでいました。「ガクチカ」と呼べる活動はたくさんあったので、なんとなく「就活は上手くいくんじゃないかな」と思っていたのですが、現実は難航しました。最初はテレビ局や映画会社などメディア系の会社を受けたのですが、活動の数が多すぎて、かえって自分の強みをうまく伝えられませんでした。結果的に、メディア系の会社から内定をもらうことはできませんでした。
その後、どのように進路を変更されたのでしょうか?
エンタメ業界の選考が思うように進まなかったことから、視野を広げようと思い、もともと興味のあった教育DXの分野にも目を向けるようになりました。そこでIT企業を受けて、営業職として入社することになりました。
入社後は、副業の経験なども活かして、社内公募制度を利用しマーケティング部門へ異動をしました。その後、社内施策として社員に向けたLinkedInの活用推進・教育を担当することになりました。実は、そうして整えた自分のLinkedInプロフィールを通じて、現在所属している会社から直接コンタクトをいただき、面接のお話へとつながりました。エンタメに関われるチャンスであること、そして仕事内容が自分にぴったりだと感じたことから挑戦を決意し、ご縁もあって転職をしました。
チャレンジすることへの恐怖心はないのですか?
さまざまな経験を積むうちに、新しいことに挑戦することへのハードルは、自然と下がってきたように思います。学生時代にはアルバイトや留学など、新しい環境に飛び込む機会が多く、前職でも複数の部署を経験しました。そうした中で、小さな成功体験を積み重ねてきたことが、今の自信につながっています。今では「何もしないことのほうがリスク」と考えるようになり、チャンスが巡ってきたら迷わず乗るようにしています。
エンタメを別の角度から見られるのがおもしろい!
原さんが一番「好き」なこと、原動力になっているものは何ですか?
やはり私が一番好きなものは、エンタメです。映画や海外ドラマ、アイドルなどを中心に、いろいろなジャンルにすぐにハマってしまいます。「もうこれ以上好きなものは出てこないだろう」といっても、また次の「好き」がすぐに現れます。そんな風に、エンタメにはいつも心を動かされ続けています。
今の仕事で関わっているスタジオツアー東京では、映画がどうやって作られているのかを深く知ることができ、その裏側にあるたくさんの人の力や工夫に触れられるのが本当に魅力的です。「好きなものが、どうやってできているかを知れる」ことは、自分の原動力にもなっていて、良い仕事に出会えたなと感じています。
最近ハマっている「好き」なコンテンツはありますか?
最近ハマっているのは、歴史について語るポッドキャストです。通勤時間によく聞いています。学生の頃は「歴史=暗記科目」というイメージだったのですが、このポッドキャストでは、年号や人物の背景をストーリーとして語ってくれるので、まるで映画を観ているような感覚で学べるんです。自分の物事の見方を変えた、インパクトのあったコンテンツですね。
これからどんなことにチャレンジしていきたいですか?
ハリウッド規模の映画の舞台裏を体験できる施設は、日本ではまだ珍しいと思います。実際には、まだ訪れたことがない人や、「何が体験できる場所なのか分からない」と感じている人も多いので、もっと多くの人にその魅力を届けていきたいです。友人に「すごくおもしろいから行ってみて!」と伝えるような感覚で、SNSを通してスタジオツアー東京の魅力を広めていきたいと思っています。
今はSNSコンテンツの制作をメインで担当していますが、将来的にはより広い領域でマーケティングに関われるようになりたいです。たとえば、大規模なブランドキャンペーンやブランド全体の戦略に関わるような、スコープの大きいプロジェクトに挑戦して、チームをリードするようなポジションも目指していきたいです。
最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
「人生、やりたいことは意外とできる!」ということを伝えたいです。
私自身、就活では思うようにいかず、「私は好きなことを仕事にできないんだ」と落ち込んだ時期もありました。でも、気づけば今は大好きなエンタメに関わる仕事をしています。前職での経験がつながって今のチャンスをもらえたり、「それ好きならやってみない?」と周囲から声をかけてもらえたり。好きという気持ちを大切にし続けていたからこそ、少しずつ道が開けたのかなと思っています。
すぐに希望の仕事にたどり着けなくても、近いところで経験を積んでいけば、思いがけない形でチャンスが巡ってくることもある。学生のときには見えなかったけれど、社会人になってからそう感じられるようになりました。
自分のキャリアは、自分でつくっていけるものだと思います。だから、今見えている道がすべてだと思わず、ぜひ「好き」を信じて、歩き続けてほしいです。
取材を終えて
自身の「好き」を追い続けるアンナさん。就活をしていると自分の求める職に就けなかったり、「これはやりたいことじゃない…」と思う瞬間もあると思います。そんなときに原さんの「自分の作りたいキャリアは作れる。夢を諦めなくていい。」という言葉を思い出して、前向きな気持ちになってもらえたら嬉しいです。
きっと、本当に好きなものであれば道は開けると思います。そんなことを再認識させられたインタビューでした。原さん、ありがとうございました!(学生記者:のどか)
ワーナー ブラザース スタジオジャパン合同会社は、2023年6月、としまえん跡地に開業した「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ・ハリー・ポッター」を運営しています。世界中のゲストに向けた体験型エンターテインメントおよびリテール施設の展開を推進するワーナー ブラザース・グローバルエクスペリエンスの枠組みのもと、当社は、卓越したカスタマーサービスとともに、来場者の期待に応える魅力的な施設運営に取り組んでいます。
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写真提供:原さん

