皆さんは、百貨店やショッピングセンタ―と聞いてどんな仕事を思い浮かべますか?
バイヤーや販売員など、店頭での仕事をイメージしがちですが、その裏側には店舗やショップの運営を支えるために必要な仕事がたくさんあります。今回は、株式会社丸井で、現在ショップ運営を担当されている浦野とも恵さんにその裏側の仕事についてお話を伺いました。これまでに10もの部署で働いた多彩なキャリアを持つ浦野さんが、仕事をする際に大切にしていることや学生に伝えたい思いとは何なのでしょうか?
お店を支えるさまざまな仕事
まず、現在のお仕事内容について教えてください。
自主事業部ショップ運営課という本部組織で、「運営受託」という取り組みが円滑に回るようにするため、またこれから会社で「運営受託」を拡大していくためのスキームづくりを担当しています
「運営受託」とはどんな取り組みなのですか?
リアル店舗でお取引先様のショップを丸井の社員が運営する取り組みです。特にDtoC※の企業様を中心に声をかけさせていただいています。事業が拡大した企業様の中には、ECサイトだけではなく、リアルのショップを持って実際にお客様の声を聴いたり、お客様に会ったりして販売したいと、声をかけてくださる方が多くいらっしゃいます。初めて出店される企業様も多いため、ショップの運営全体をサポートしています。
※D to C・・・ダイレクト・トゥ・コンシューマーの略称。メーカーが自社のECサイトなどから直接顧客に商品を販売するビジネスモデルのこと。
スキームづくりとはどういったことをなさるのですか?
運用やルール、仕組みを作ることを行っています。例えば、ショップの運営スタッフとして勤務する丸井の社員を誰が人事評価するのか、外出時の交通費をどのように申請するのかなど、新しい取り組みを進めていくと、新たに検討しなければならないことが出てきます。それをきちんと整理して、スタッフが働きやすいように、また全体として効率がよくなるように組み立てます。さらに、お取引先様の会社の仕組みやショップのある施設に合わせた仕組みになるようにもしています。
現在の仕事に就くまで、販売員をはじめとして人事部、財務部、サステナビリティ部、営業企画部といったたくさんの部署で仕事をされていますが、その中で印象に残っているのはどんなお仕事ですか?
2つあります。まず一つ目が経理や財務といった部門の仕事ですね。そこでは会社の支出状況に合わせて、今後お金がいくら必要になるか予測を立てて、それに合わせて資金を調達してくるという仕事をしていました。銀行に返済する支払額が足りなくなる、「不渡り」が発生してしまうと、もう二度と取引ができなくなるというリスクがあります。だからずっとお金のことをピリピリ考えている感じでした(笑)
すごく責任のある、重要なお仕事だったんですね!
そうですね、自分も当事者意識を持って取り組む必要がありましたね。スリル満点でしたが、グループの会社がどんなことをしているのか、どのタイミングでどれくらい資金が必要になるのか、広い視野で会社の事業をお金に置き換えて見るということを学ぶことができました。
二つ目が営業企画部で、小売部門の戦略を考える仕事です。私の入社時期のショップと現在のショップを比べると仕組みが変わっていて、新しい事業もたくさんあったので、会社の小売全体の事業を理解することが大変でした。あと、専門的な数字のバックデータを使って売上の分析をするのですが、これがとても難しかったですね。
では、今の仕事のやりがいについて教えていただけますか?
お客様を笑顔にすることができること、そして自分も笑顔でいられる仕事でいいなと思っています。自分がショップの中で接客をしたり、お取引先様との商談をしたりする中で、笑顔で携わっていることがすごく嬉しいですね。丸井グループ各社の仕事はすべて、「お客様のためにどうしたらいいか」ということを考える仕事なので、どんな部署に行っても、小さいことでも相手への思いやりを感じられる機会がたくさんあるんです。ちょっとしたことで「ありがとう」と言われるのはやっぱり嬉しいので、ささいなことの積み重ねが私にはやりがいになっています。
逆に大変だなと思うことはありますか?
いろいろな部署に行かなければならないのでベテランになることがなく、常にずっと勉強しなければならないことですね。異動のたびに毎回新人の思いをしています(笑)
異動が多い分、さまざまな人に出会うのですが、それぞれ考え方が違うので、私が良いと思ってやったことが、相手からしたら全然違うと言われることもあります。でも、そこからお互いに納得できるようにどうやってよくしていくか、行動していくかがある意味おもしろいと感じています。