人の生活の基盤を支えたい。就活を通して見つけた自分のベース
どんな学生時代でしたか?
農学部でしたが、部活はゴルフ部だったので、夏はキャディバイトをしながらゴルフをして、冬は先輩たちとバックパックでアジアを回ったりして遊んでいましたね。
4年生になって、親の意向もあって就職活動はしていたんですが、卒業研究がすごく楽しかったんです。もっと突き詰めていきたいなという気持ちが芽生えて、親をどうにか説得して大学院に進学しました。
卒業研究はどんなことをされてたんですか?
北海道十勝地方の輪作をテーマに、農家さん毎の最適な面積比率を提案するソフトウェアを開発しました。
十勝地方では、畑を分割して、数年ごとに異なった作物を育てる「輪作」で農業を営んでいます。同じ畑でも違うものを育てることによって、特定の病害虫が定着しないようにしているんです。
でも、その面積比率は、農家さんの長年の経験や勘で決められたもので、手間がかからない農作物の面積を増やしていたり、そもそもどんな面積比率にしたら、どれくらいの収量や収益が得られるかはっきりわかっている農家さんは少なかったんです。
そこで、「輪作は維持しつつ一番収益が高い面積比率にしたい」「収益は確保しつつ労働時間が少ない面積比率にしたい」など、農家さんの方針に合わせた面積比率を提案できるソフトウェアの研究をしました。
この研究を通して、経験や勘ではなく、データに基づいた選択ができるようになれば、農業はもっと儲かったり楽になったり、とっつきやすい業界になるんじゃないかなと思ったんです。
卒業研究と今のお仕事が重なっていますね。もともと、農業に興味があったんですか?農学部に入ろうと思ったきっかけを教えてください。
父が北海道大学の農学部だったんですよ。それで、ずっと北大いいよー、農学部いいよーって言われて。母が北海道出身なので、小さいときから北海道に行く機会も北大に行く機会も多くて馴染みがあったんです。
それで、高校2年生のときに体験入学で、農学部で畑仕事を体験したり、研究を見せてもらったりしてすごいなと思ったのが、きっかけです。
大学院を経て、クボタに入ろうと思ったきっかけを教えてください。
昔から料理やフィールドワークが好きだったこと、人の生活の基盤を支える仕事をしたいという思いがあって、インフラや素材関係、食品業界など幅広く見ていました。
人の生活の基盤を支えるという点で、クボタは食料生産を支える農業機械を開発していますし、水や環境にも力を入れている企業なんです。ここだったら、どこの部署に行ってもやりがいを持って働けると思い、入社を決意しました。
今、大学生に就職活動のアドバイスをするとしたら?
「幅広く業界を見た方がいい」とアドバイスしますね。既にやりたいことが明確にある人も、どうしてその仕事をしたいのかを深く考える機会になると思うんです。
例えば私の場合は、なぜ「食」に関わりたいのか、なぜ「メーカー」なのか、なぜ「機械業界」なのか、そしてその中でなぜ「この会社なのか」を自問自答しました。これを行うためにも、1つの業界や狭い範囲ではなく、幅広くみることが大切です。最初は「おもしろそうだな」と思った企業に、全部行ってみるとよいと思います!その中で、最終的にいいと思う企業の共通点を見つけていけば、「就職」の先の「将来どうなりたいのか」が見えてくるのではないでしょうか。