新卒で入社したPR会社で業界の魅力に気づき、更なるキャリアステップである外資系広報代理店に転職。
現在は株式会社ビズリーチで、広報担当をされている田澤玲子さん。
広報の仕事、素敵な上司との出会い、シアトルへの留学や氷河期の就職活動など学生時代のお話もお伺いしました。(2015年8月時点の情報です)
人を繋げて笑顔を増やす「広報」のお仕事って?
モットーは「みんなのチアリーダー」
まず、現在のお仕事を教えてください。
現在はビズリーチが運営する、日本最大級の求人検索エンジン「スタンバイ」の広報を担当しています。
日本中の求人サイトや企業のサイトのお仕事を一カ所にまとめた、Googleの求人版のような検索エンジンです。
広報のなかでも、弊社のサービスや取り組みについて、テレビや新聞、雑誌、ネットなどのメディアに取材をしていただいて掲載してもらうメディア・リレーションズに注力しています。
広報をするとき、どのようなことを大切にしていますか?
モットーは「みんなのチアリーダー」。社内外の笑顔をもっともっと増やしたいですね。
メディア掲載によって、「知りたいけれど知らずにいる人」と「知らせたいけど知らせ方がわからない人」を繋げることができます。しかも、何十万、何百万と爆発的に。
繋がることでお互いの笑顔が増えると本当にうれしいです。
理想のシーンを想像してワクワク
モチベーションの源泉はどこにありますか。
いつも身近な誰かのために、と思って目の前の仕事に取り組んでいます。
例えば、スタンバイの記者発表準備をしていたときは、すぐ近くに「スタンバイ」を一生懸命開発してくれたエンジニアやデザイナーがいて「私が今ここでがんばらなくてどうする!」と自分を奮い立たせました。
誰かの顔を思い浮かべ、その努力を想像すると、自然とがんばる力に火がつきます。
仕事をする上で絶対に負けないと思うことはどんな部分ですか。
人を信じる力は誰にも負けないと思っています。
例えば、私が応援している仲間がビジョンを熱く語ってくれたとき、「絶対できる!」と誰よりも信じます。
それを実現するために私が何をできるのかを考え、行動に移しています。
人を信じる力、素敵ですね。どのようにして、自分にできることを探すのでしょうか。
いつも1枚の鮮明な写真を想像するのですが・・・何かやろうと思ったときに理想のシーンを想像するとワクワクしませんか?
そこから逆算して、今何をすべきか、何が必要なのか、いつも考えています。
「嘘でしょう?」と言われますけど、毎日会社へ行くことが楽しみなんです。
理想を想像してワクワクするときに大切にしているのは、「私はそのシーンのなかでどうなっていてワクワクしているか?」と自分主語で考えること。
自分事として具体的にイメージできて、楽しくなり、自然とやる気がでます。
行動することで次のチャンスへ繋がる
英語漬けの環境に飛び込んだ、留学時代!
学生時代のことを教えてください
大学時代は部活動に明け暮れていましたが、限られた学生生活このままではいけないと思い、1年間休学しアメリカのシアトルへ留学しました。
最初の9ヶ月は大学へ通い、残りの3ヶ月はNPOでインターンシップをしていました。
学校以上に学びの場になったのは13人のシェアハウスです。私以外は全員アメリカ人という環境でした。
まさに英語漬けの留学生活ですね。
そうですね。けれど、初めは想像していた留学生活とはかけ離れていました。
当初お世話になったホストファミリーは朝から夜まで仕事で家にはおらず、話し相手がいない。
まずいと思いましたね。
話し相手がいないのはもったいないですね。それからどうされたのでしょうか?
日本にいたときよりも貴重で限られた時間という意識がありましたし、何か成長しないと得られるものがないという危機感もありました。現状を変えるために何か行動しようと・・・。
そんなときに偶然、大学の掲示板にシェアハウスの張り紙を見つけ迷わず応募。
メンバー全員と面談、全員の了承を得て、念願かなってシェアハウス生活をスタート。英語を学ぶと決意して挑んだ留学でしたので、いつもキッチンやダイニングに誰かがいて会話できることは願ってもない環境でした。
言葉にして伝える姿勢が身についた
シェアハウスに住んでから何か変わった点はありましたか。
月に数回あるハウスミーティングでは、「意見を言わないとそこにいないのと同じ」というように捉えられてしまう。だから、常に考えて、それを言葉にして伝える姿勢が身につきました。
あとは色んな価値観の人がいて、違うことは当たり前であることを知り、人それぞれの「違い」を受け入れられるようになったことですね。
100社エントリーして、1社も受からなかった
氷河期の厳しさに、就活を辞めた時期も!
留学から帰ってきてからはどうでしたか?
私の就職活動期はバブルが弾けてから本格的な氷河期と言われた年でした。
海外との橋渡しになりたいという思いから、商社や有名メーカーの海外営業ばかり100社くらいエントリーしましたが、どれも最終まで進みませんでした。
それは、なぜですか?
今振り返ると「どうしてこの会社なのか」「この会社で何をしたいのか」という1社1社に対しての思いが欠けていたからだと思います。
そして、4年の7月頃に就職活動自体を辞めました。昔の自分に会ったら、辞めちゃダメだよ、と絶対に言いますね(笑)
新聞広告で目に留まったPR会社に、滑り込みで就職
そのまま就活を辞めたのですか?
それでも12月に中高時代の友人と再会したときに喝をいれられまして。
日本の場合は新卒でどこかに入らないと、今後のキャリア形成が非常に厳しいということに気づきました。
それで卒業の2ヶ月くらい前に、新聞の求人欄でたまたま目に留まったPR会社に入社。そこで1年間働いて業界の面白さを知り、ステップアップとして外資系PR会社に転職。
そこで出会った女性上司がいなければ、今の自分はいないだろうと思います。
私の頭の中を盗みなさい
30代での選択肢を増やすために、走り続けた20代
その女性上司の方からどのようなことを教わりましたか?
「田澤さん、30歳になったときに自分の腕で食べていけるようになりなさい。そのために私の頭の中のもの全部持っていってね」そういって厳しく仕事を教えてもらいました。
その上司との出会いがなかったら今の私はいないですね。
なぜ30歳なのでしょうか?
当時私の上司は30代でお子さんが二人いたのですが、社長にどうしてもいてほしいと言われる方だったんです。彼女にしかないバリューを発揮していて、上司のようになりたいと思いました。
女性の場合は出産などのライフイベントがあって、出産前と同じやり方仕事を続けることが難しい状況もあります。
けれど、自分に仕事の腕があれば多くの選択肢が出てくるはずです。
体力も気力もあるのが20代。その間にどれだけ練習試合を積めるか、良い監督・コーチとの出会いによって、30代は大きく変わると思います。そういう訳で、20代は走ることをおすすめします!
仕事以外の活動でリフレッシュ!
走り続ける中で、どのようにリフレッシュしていましたか。
私はホットヨガに週2で通っています。20代の頃は「田舎時間」というNPOに参加して、週末に地方で農業や漁業のお手伝いをしていました。
大自然のなかで無心になって目の前の農作業に取組むことで心が空っぽになり、また新たに仕事に向かっていました。
人それぞれリフレッシュ方法は違うと思いますが、がんばり屋さんほどリフレッシュは大切にしてほしいです。
最近の週末はできる限り「家族の日」と決めています。平日はなかなか時間が合わないので、週末は家族と一緒に過ごすように心がけています。
学ぶ姿勢があれば、誰からでも学べることはある!
もう一度就職活動をするとしたら、どういう観点を持ちますか。
成長している業界や会社を受けると思います。いくら自分に成長意欲があっても業界が衰退していたらチャンスが少ないかもしれない。
ただ、どんな会社に入っても良い監督・コーチと出会えるかはわかりません。自分からどんどん食らいついて、わからないことがあれば質問する素直さも必要です。
自分から学んでいこうという姿勢があれば、先輩は喜んで教えてくれるでしょうし、誰からでも学べることは必ずあると思います。
ありがとうございます。最後に学生へのメッセージをお願いします。
私は101社目の応募で、幸運なことに、それまで全く知らなかった「広報」という天職に出会えました。
自分の興味ある分野に出会うことが大切なので、とにかくいろいろなものを見てほしいと思います。
この先、想定していたことと現実とのギャップに悩むことはたくさんあると思いますが、何か行動すれば次に繋がることもあります。
大学時代は自由に使える貴重な時間です。学生の皆さんには諦めずに次の行動にチャレンジしてほしいです。
取材を終えて
何か行動することで道を切り開いてきたのだろうという、とにかく前向きで力強い印象を受けました。その一歩踏み出すことが1番難しいのかもしれませんが・・・。
けれど諦めず、前へ、上へ、もしかしたら横へ、何か新しいことにチャレンジし続ける姿勢は今後も大切にしていきたいと思います。
きらきらと終始笑顔が素敵なインタビューでした。田澤さん、お忙しい中本当にありがとうございました!
田澤 玲子
株式会社ビズリーチ 広報マネージャー
2000年、東京外国語大学外国語学部英米語学科卒業後、 PR会社を経て、ヨーロッパ最大の広告代理店グループ、パブリシス・グループ日本法人のPR部門でさまざまな外資系企業を担当。
2005年、世界最大の婚活サイト「マッチ・ドットコム」(本社:米国)日本上陸の際のマーケティングマネジャーとして、 日本のメディアにネット婚活を広め、日本に婚活ブームの先駆けをつくる。
事業会社の広報担当を経て、2009年よりインターネット事業を運営する 株式会社ビズリーチに入社し、広報マネージャーを務める。当初数人だった組織が6年で約550名の組織に成長。
管理職・グローバル人材に特化した会員制転職サイト「ビズリーチ」や20代向けレコメンド型転職サイト「careertrek(キャリトレック)」などの広報を歴任した後、 日本最大級の検索エンジン「スタンバイ」(https://jp.stanby.com/)の広報を担当。
日本最大級の検索エンジン「スタンバイ」
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