いまや私達の生活に欠かせないコンビニ。小嶋さんは学生時代に経験した多くのアルバイトの中でローソンに出会いました。現在、そのローソンで働く社員たちの職場の環境作りに取り組んでいる小嶋さん。コミュニケーション活性化プロジェクトなど、その仕事内容についてお話を伺いました。(2012年3月時点の情報です)
仕事とは「自分にしかできないことを実現させること」そんな小嶋さんのワークスタイルとは?
現在のお仕事内容を教えてください。
社員同士のコミュニケーションを活性化させるプロジェクトに携わっています。そのプロジェクトの中で、主に社内報の作成やイベントの企画をしています。
このプロジェクトは、「最近の日本は、明るいニュースよりも暗いニュースが多い世の中だから、ローソンから日本を元気にしていこう」という社長の一言がきっかけで、2008年から始まりました。プロジェクトメンバーに選ばれたのは、私が元気だからという理由です(笑)。
これまで部活を応援するキャンペーンや、ローソンのキャラクター名の公募、商品の提案コンテスト、バンド活動をしているアルバイトさんのためのバンドコンテストなど様々なイベントを企画しました。プロジェクトが発足して半年、様々な企画をやりすぎてプロジェクトの方向性がわからないと指摘を受け、それを機に今後の方向性やプロジェクトの目的を見直したんです。
見直した結果どのように変化したのですか。
当社は全国に店舗があり社員が分散しているので、お互いを知る機会が少ないという現状があります。そこで「コミュニケーション」「お互いを知る」をキーワードに現在は軸がぶれないよう企画しています。当社の社員は入社後は店舗に配属されるため、ローソンの一員という実感がどうしても薄くなってしまいます。それを緩和するために本社見学ツアーやデザート工場見学ツアーを企画、実施しました。社内報は2010年より週に1回webで発行し、どこでどんな仕事をしていても社内の様子がわかるように務めています。
プロジェクト発足当初は1年間の期限付きでしたが、やはり「コミュニケーション」は重要なものなので継続しており、4年目にしてようやく定着してきました。コミュニケーションの成果は数字では表せませんが、社員のモチベーションはプロジェクト発足前よりも上がってきているようです。
現在のお仕事につくまでにどんなお仕事をされてきましたか。
1年目は直営店に配属されて、アルバイトさんと同じようにお仕事をしていました。2年目で店長を任され、3年目で本社に異動し、研修などの人事の業務に携わりました。結婚、出産を経て復職後は広報に配属され、店舗向けの社内報を1人で担当しました。店舗取材で地方出張も多く、常に現場の情報や声を聞きやすい状況にありましたね。
2005年にローソンが創業30周年を迎え、「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします」という新しい企業理念を発表しました。この具体的な取り組みのひとつとして「未来のコンビニを考えよう」というアイディアコンテストを実施しました。一般の方からアイディアを募り、最優秀賞に選ばれたアイディアは実現させるというコンテストです。1000通近い応募の中から最優秀賞に選ばれたのは、三重県の主婦の方考案の「子育て応援コンビ二」でした。このアイディアを実現すべく、ハッピーローソンプロジェクト(ハッピーローソンとは子育て応援コンビニのコンセプトショップ)が動き出し、リーダーとして携わりました。
コンセプトショップ作りはゼロベースからのスタートです。「100日で実現させよ」と指示されましたが、実際は半年くらいかかりました。土地探しから内装、商品構成など、店舗作りの仕組みを1から勉強でき、とても貴重な経験をさせていただきました。
どんな学生時代でしたか。
チアリーディング部の活動とアルバイトの毎日でした。華々しい部活ではありませんでしたが、4年間厳しくも楽しい練習のおかげで充実していました。アルバイトは、コンビニや喫茶店、ピザ屋、塾、日雇いのバスガイドなど、1週間のうち6日は働いていました。何もせずにただただ時間が過ぎていくのが嫌だったので、働くことは全く苦に感じず、とても楽しかったです。
入社を決めたきっかけを教えてください。
学生時代にローソンのアルバイトを3ヶ月ほど経験しました。その時にバックルームの仕組みに面白さと可能性を感じ、興味を持ったんです。就職活動時、コンビ二業界数社の説明会に参加しましたが、ローソンの採用担当に惹かれ、社風も一番波長が合うと感じました。
お仕事のやりがいは何ですか。
自由な中でゼロから自分達で仕事を作り上げることができることです。その分責任やプレッシャーもありますが、ミッションを達成したときのやりがいは何とも言えない充実感です。ハッピーローソンプロジェクトは成果が目に見えてわかりやすく、多くのメディアにも注目して頂いたので嬉しかったです。
お仕事の苦労は何ですか。
現在携わっている「元気になろーソンプロジェクト」は、コミュニケーション活性化がミッションです。しかし、コミュニケーションはどうしても成果が見えにくいんです。そのため、自ら問題意識を持って考えて実行に移すにはどうすればいいか、様々な方法を考えています。私は考えを実行に移すことが大好きなので、苦に感じてはいませんが(笑)。
現在、プロジェクトの一環として、全国規模のスポーツ大会やソフトボール大会を企画、実施しています。参加者には「ローソンに入社してよかった」と声かけられてとても嬉しいです。しかし、まだ全体で参加しているとは言い切れないので、今後は参加しない人をいかに巻き込めるようになるか、努力している最中です。
人を巻き込むために気を配っていることはありますか?
みんなの声に耳を傾けることと「なぜ?」の共有には配慮しています。なぜこうなったのか、なぜやるのかなど、目的や背景の部分を特に注意して伝えるようにしています。
社内のコミュニケーションに変化は表れているんですか?
業績にも左右されるので全てではありませんが、社員意識調査に結果は反映されています。「元気になろーソンプロジェクト」が始動して2年目には、コミュニケーションが活性化したと感じた社員が多い結果になり、フリーコメント欄にも意見を記入する社員が増えました。このプロジェクトによって、コミュニケーションを意識する社員が増えたと思います。しかし、まだまだシャイな社員も多いので、そこを変化させていきたいです。
「思いを実現させる」その前提には周囲に迷惑をかけない心配りがありました。
仕事で心がけていること、大切にしている思いを教えてください。
心がけていることが2つあります。ひとつは子供の頃から当たり前になっていることですが、期限や約束は絶対に守ること。もうひとつは、メールなどのコミュニケーション手段にはクイックレスポンスをすることです。メールは「了解しました」の一言があるだけで相手は安心します。相手の立場に立って、お互いが気持ちよく仕事できるように気を配っています。一言あるかないかで、意思疎通にはかなりの変化が生まれると思います。
小嶋さんにとってお仕事とは何ですか。
「自分にしかできないことを、実現させること」です。関わらせていただいた2つのプロジェクトは、まさに自分にしかできないことだと思います。アイディアや発想を思いつく人はたくさんいますが、それを実現できるかどうかは別です。私は勢いも大切にしているので、時には強引にアイディアを実現できるよう行動します。実現させるのが使命であり、その力が強みでもあると思います。
どのようにして仕事と家庭を両立されているんですか。
実家が近所にあるので、家族の協力があって成り立っていますね。出産を機に退職するとは考えなかったので、フルタイムで働き続けています。子供が保育園に通っている頃はお迎えの時間があったので、社内で仕事をする時間にリミットがあり、残業もできませんでした。ただ、リミットがあるからこそ集中して仕事に取り組めたので、効率良く仕事ができよかったと思います。
将来の夢は何ですか。
この10年は仕事と子育てをがむしゃらにこなし、走り続けた年でした。子育ても少し落ち着いてきたので、自分の好きなもの、趣味といえるような熱中できるものを見つけたいです。
これから同じ職業に就きたいと思っている人にアドバイスをお願いします。
いまやコンビニはあって当たり前の存在です。例えば被災地では仮設店舗でも役に立つことができるので、社会のインフラとしてもコンビニの存在は認知していただけると思います。コンビニ業界は競合他社も多い為、競争が激しい世界ですが、大切な役割を担い、欠かせない存在だからこそ、大きなやりがいを感じることができます。
様々な価値観の人が世の中にはたくさんいるので、折り合いをつけながら働かなくてはいけません。だからこそ、企業理念を大切にしているか、またはそれに共感できるかは大きなポイントだと思います。
人生の先輩として、学生にメッセージをお願いします。
自分が苦手とすること、難しそうだなと思うことでも、自分を信じて精一杯やれば、必ず良い方向に向きます。何事もプラス思考で考えて、自分の思いややりたいことを叶えていってください。
インタビューを終えて(ハナジョブ学生記者)
終始楽しそうにインタビューに応えてくださった小嶋さん。お話を聞いているだけで私たちもワクワクし元気を頂きました。ゼロから物事を作り上げることはとても難しそうな印象をもっていましたが、小嶋さんのお話を聞いて、苦労も含めワクワクした充実感を経験してみたいと思いました。ありがとうございました。
日本全国に約1万店のコンビニを展開するフランチャイズチェーン本部。ナチュラルローソンやローソンストア100などの新業態、主婦や高齢者に向けた生鮮品やプライベートブランドの取り扱いなど、お客様の変化に合わせて常にチャレンジを続けています。