日本人の英語力を「国内で伸ばす会社」から「海外へ送り出す会社」に転職。外資企業で働く面白さ、また苦労とは何でしょうか? より多くの学生を海外へ送り出す営業職、そして留学出発前までのサポートをする留学カウンセラーの仕事について伺いました。(2012年1月時点の情報です)
「柔軟性を持って仕事をする!」―古澤さんのワークスタイルとは?
現在のお仕事の内容を教えてください。
EFはスウェーデンで設立された語学教育機関で、日本事務局は海外にある直営の語学学校の紹介をしています。私は、16歳から25歳を対象とした長期留学・海外進学準備プログラムの営業職と、留学カウンセラーとしての業務に携わっています。世界の英語圏・非英語圏の41か所に学校がありますが、国ごとに担当を分けることはせず、すべての学校の紹介しています。
業務の流れは、まずお客様から留学のお問い合わせをいただいたら電話をして、お客様のご希望とEFのプログラムがあっているかを確認し、資料を発送します。次に、カウンセリングをして詳しい説明をします。年間で約200人ほどの長期留学希望者と話していますね。お申し込みされた後のビザの案内や出発前オリエンテーションなどもカウンセラーの仕事です。
古澤さんはどんな学生時代を過ごしていましたか?
学生時代は毎週日曜日にボーイスカウトのキャンプリーダーとして、子どもたちを引き連れてアウトドア活動をしていました。それから英会話のレッスンにも力を入れていました。当時は英語の教師になりたいと思っていたんです。当時、2011年度から小学校での英語教育の必修化が始まるというニュースを受けて、子どもも英語も好きな私に合っている職業だと思っていました。そのためには英語力とコミュニケーション能力をさらに向上させる必要があったので、ワーキングホリデー制度を使って、バンクーバーに1年3か月間、留学しました。
現地では、語学学校に通った後、その学校のアシスタントカウンセラーとして留学生のお手伝い・先生のサポートなどのアルバイトを半年間していました。ネイティブの先生やスタッフと仕事をする中で、英語も大きく伸びたと思いますし、とても良い経験でしたよ。その後は先生としてのスキルを身に付けるため、TESOL(英語教授法)を学ぶコースを4か月間受講し、ディプロマを取得し帰国しました。
帰国してから現在の仕事に就くまでに経験されたお仕事を教えてください。
大手の英会話学校で非常勤講師として採用が決まり研修を受けていましたが、まだ社会経験のない中、アルバイトのような形態で先生をしていくことに不安があったんです。その際に、他の英会話学校でマネージャーとして採用が決まりました。そこで私は、語学学校で働いていた経験から、教える立場より、やはりマネージメントの方に携わりたいと思い、マネージャーとして働くことを選択しました。
最初の1年はアシスタントマネージャー、その後マネージャーとして6年間働いていました。マネージャーは先生の指導、生徒のケア、営業、広告、人事、経費など全てを管理しますから、まさにお店を切り盛りしているような感じでしたよ。その時の仕事では、生徒さんの英語学習のお手伝いをする喜びや一つの学校を任されるという責任感とやりがいがありましたね。
EFに入社を決めたきっかけは何ですか?
EFを知ったきっかけは、それまでにマネージャーとして働いていた英会話学校の後輩が、EFで働いていて、その方から「人材を探している」と声をかけてもらったことでした。その面接で、サンチョリ・リー社長が、「EFというグローバル企業は、世界にある言語や文化や地域による壁をなくすことを企業ミッションと考え、語学教育を提供している」と熱く話してくれたんです。
それまで大阪の一英会話学校で、日本人の英語を向上させることに力を注いでいましたが、国内での学習だけでは英語力の伸びに限度がある、と感じていたんですね。一方、留学は未知数で、価値観も変わりますし、自分自身も留学経験者なので、そのような仕事に携わりたいと思いました。グローバル企業で働くことも面白そうだと思い、入社を決めました。
「人生の転機になるときのひと押しになる仕事」そう語る古澤さんの仕事観とは?
お仕事の楽しさ・やりがい、また苦労はどんなことですか?
自分の好きなことが仕事につながっているので、とても楽しいですね。英語も生かせますし、人の目標や夢を叶えるお手伝いをすることは喜びを感じます。やりがいは、人生の転機になるときのひと押しになる仕事だということです。長期留学をすることに対しての生徒さんの迷いや不安を、私とのカウンセリングの中で見つけていきます。
例えば「周りは就職活動をしているけれど、自分はどうして留学したいのか」を向き合って話していくと、自然と答えは、生徒さん自身が見つけていくんですよ。この方は留学してきたらもっと強くなって帰ってくるだろうなと実感します。そして生徒さんが帰国したときに、大きく成長されている姿を見ると本当に嬉しいですね。
苦労は、まず外資企業で働くことの大変さがありますね。日本の企業では研修などがたくさんあって、受け身の状態でも学ぶ機会が与えられますが、外資企業ではそのような研修やマニュアルはなく、自分自身で実践しながら学んでいかなければいけません。また、海外の人と仕事をする時には、価値観の違いに苦労しますよ。日本では当たり前のことが通じないことや、反対に、日本のルールでは受け入れられないことを相手がすることもあります。日本人と比べると、外国人の仕事は大雑把だと感じることもあります。これには柔軟性を持って慣れるしかないですね。
それから営業職である以上、与えられた目標数字の達成も必要です。私個人だけでなく、全体の目標達成のためにも、東京本部一丸となり仕事をしていくこと必要ですが、オフィス内の人数が多いのはもちろん、海外経験があり自分の意見をしっかりと持っているスタッフが多いので、皆の意見を尊重しながら、上手く連携していくことが今後の課題だと思います。
働きながら、心がけていることはありますか?
EFの企業理念でもある、Positive Attitude(前向きに行動すること)です。海外から予期せぬミッションを与えられても、これを心がけて柔軟に対応していきます。また社内の雰囲気を明るくすることも意識しています。さらに、ビジネスとしての数字達成も重要ですから、より多くの成果を上げるために効率よく仕事することを心がけています。
古澤さんにとって、仕事とは何ですか?
趣味のように楽しいものですね。毎日オフィスに来ることも仲間に会うのもとても楽しいです。他の社員も非常に前向きで、ユーモアにあふれ、経験豊富な方ばかりで、日々学ばせてもらっています。またEFは柔軟性があるので、学生とコラボレーションして行うイベントなど、自らアイディアを発信すればするほど、具体化することに協力してくれる会社であるところが良いですね。
これからどんなことをしたいですか?
EFでは、年1回のパフォーマンスレビューにて、”次のビジョンは? いつ、何をしたい?”と聞かれ一人ひとりの社員の目標や、希望を尊重してくれるのですが、私が今後の目標として挙げたことは2つあります。まず短期の目標は、チーフとして勤務することです。長期的には、海外で働いてみたいと思っています。実際に、日本人スタッフでカウンセラーをしていて、後にEFシドニー校の校長になった人もいるんです。自分から挑戦したいということをアピールしていくと、後に海外からオファーが来た時に声をかけてもらえることがあったりして、EFで働く中での可能性は様々です。
これから同じ職業につきたい人、そして就職を考える学生に、アドバイスをお願いします。
まずは留学に行ってもらうことですね。外資系で働くには、外国人についていけるだけのタフさ、柔軟性、そして自分の意見をしっかり伝える発信力が必要です。留学によって、日本の価値観にとらわれず、いろいろな国で様々な人と出会って視野を広げてほしいです。その中でアイディアや自己主張の仕方、英語での交渉力が磨かれると思います。
また、日本は生活しやすく便利なため、海外で生活することにためらいがあるかと思います。でも学生には、日本の外へ出てあえて苦労をする方がいいよ、と伝えたいですね。人に迷惑をかけても、トラブルに巻き込まれて苦労しても、「良い経験だよ」と言ってもらえるのは、学生時代だけだと思います。特に留学は大きく成長できる機会なので、少しでも海外に関わる仕事に興味があるなら、ぜひ世界に飛び出してください。
インタビューを終えて(ハナジョブ学生記者)
外資系の企業で働く苦労や、面白さを教えていただけて興味深かったです。好きなことが仕事につながっていて、職場は学生時代のサークルのように楽しいところだとおっしゃっていた古澤さんの笑顔が印象的でした。古澤さん、お忙しい中取材にご協力いただきありがとうございました!
イー・エフ・エデュケーション・ファースト(EF)は、1965年にスウェーデンで設立された教育機関で、今日までに1500万人以上の方の語学学習、海外渡航をサポートしています。世界400拠点以上に学校と直営事務所を持ち、語学研修をはじめ、幅広い分野での教育事業を展開しています。