子育てが始まってから、仕事へのモチベーションが上がったとおっしゃる堀口さん。女性だからといって甘やかされたくない!そんな堀口さんに、職場でも家庭でも輝ける女性の極意を伺いました。(2011年1月時点の情報です)
若くても、女性でも、任せてもらえる仕事がしたかった!
現在のお仕事内容を教えてください。
商業施設の運営を手がけるアセットマネジメント(AM)という仕事をしています。不動産の収益性を左右する賃料の設定や、テナントの選定、また、現場で運営業務をしているプロパティマネージメント(PM)担当者への指示なども行います。物件の収益を最大化できるように日々試行錯誤しています。それから、部の全体の運営をよりよくしていく立場に立ち、マニュアル整備や契約関連書類などの書式整備、環境法令(省エネ法)対応業務も担当しています。
現在の仕事に就くまで、どのようお仕事をされてきたのですか?
入社1、2年目はグループ会社の主に不動産売買・賃貸の仲介業をおこなっている東急リバブルに出向していました。分譲マンションのモデルルームでの接客業務です。直接お客様とお話をする経験を通して、お客様の視点で考えることが自然と身につきました。また、グループ会社ではありますが、他の会社で働いたことで、会社としての考え方の違いや、社風の違いも経験することができましたし、自分の会社がつくったものを違った視点で見ることができたのもよかったと思います。
そのあとは、商業テナントの運営に携わるPM業務を担当しました。最初は赤坂東急プラザ、次に蒲田東急プラザです。そして、東急不動産本社に配属になり、赤坂東急プラザのAM業務を担当するようになりました。このときのAM業務では、以前のPM業務の経験がとても役に立っています。例えば天井裏がどんな構造になっているのかは、テナントの運営をしていなければ見ることはありません。AM業務だけをしていたらわからないことなんです。現場の様子も把握しているからこそ、適切に指示を出せるんですね。
そして、赤坂のAM業務を担当中の入社8年目に子供を授かって1年半の産休・育休に入り、今年の4月に復帰しました。
どんな学生時代でしたか?
我ながらよく勉強をしていたと思います(笑)。私が通っていた大学の学科の国際コースでは、毎年TOEFLを受け、一定の点数をクリアしないと普通科に落とされてしまう決まりがあったため、きちんと勉強していました。ただ、旅行が大好きだったので旅費を稼ぐためにバイトもがっつりしていましたね。充実した学生時代を過ごしていました。
どうして不動産を選んだのですか?
街の開発に興味があったんです。そのきっかけは、学生時代に行ったアメリカのサンフランシスコとサンタバーバラへの短期留学でした。日本とは違い、街の景観に統一感があって、とてもきれいに整備されていました。日本に帰ってきて、自分だけ目立てばいいと言わんばかりの看板や、立地条件の良い場所に無駄なスペースがあることに気付き、こういう問題を少しでも改善できればなぁと漠然と考えていました。
学生時代ずっと英語を勉強していたので、英語が活かせる運輸業や商社も考えていました。不動産業は畑違いではありましたが、説明会やOB訪問を通しより自分の力を十分に発揮させてもえる業種、会社を選びました。
現在の会社に入社したきっかけを教えてください
若くても女性でも仕事を任せてもらえる社風と、人の温かさや会社の雰囲気に惹かれたのが入社のきっかけです。入社前の印象の通り、若いうちから男女の差もなく、責任のある仕事を任せてもらえます。もちろんその分大変なこともありますが、やる気のある人にはとても面白い仕事です。
仕事の楽しさを教えてください!
収益をあげるということは、お客様に喜んでいただくということ。いかに魅力的な施設にするか、どうしたらお客様に快適にお買い物を楽しんでもらえるかということを考えながら施設を改善していくのはとても楽しいです。
苦労を感じる点を教えてください。
私の担当している物件は、新しいものではなく既存のものです。例えば、お客様が休憩できるスペースを作る、パウダールームを増設する、物販のテナントを飲食に変えるなど、何か新しいことをしようとしても、それに当てられるスペースがない、設備の容量が足りないなど、いろいろな問題があり、すんなり進みません。でもその分、実現できたときの達成感や喜びは人一倍です。
仕事で心がけていること、大事にしていることを教えてください
商業施設は一時的なものではなく、ずっと続いていくものです。そのため、テナントさんや業者の方、PM会社の社員さんとの関わりを特に大事にしています。工事業者の方にも、きちんと対応するようにしています。そうすると、自分たちが困ったときに現場でしか分からないような知識を教えていただき、助けてもらえることもあるんです。一緒に働く人への感謝と、相手の立場に立って物事を考えること、この2点を心がけています。
仕事と育児の良いとこどり!!
堀口さんにとって仕事とは何ですか?
日常の一部、というとすごく気が抜けているように思われるかもしれませんが、私は家庭に入って育児に専念できないタイプだと思うんです。仕事と育児、両方があるからバランスを保っていられるような気がします。子供ができて、仕事へのモチベーションが一気に上がりました。
どのようにして仕事と家庭を両立させているのでしょうか
一人で頑張りすぎず夫にもサポートしてもらうことですね。できる家事は率先してやるように協力してもらっています。今は時間短縮勤務で、10時半から17時までの勤務です。朝のうちに夕飯の下ごしらえをして、帰ったらすぐに食べられるようにしていますね。
それでも両立は思っていた以上に大変です。子供がいつ熱を出すかわからないし、残業ができないので、余裕を持ったスケジューリングが必要になります。今日できる仕事は極力明日に回さないように、効率よく仕事を進めるよう努力しています。
また、育児をしてから、いやなことがあっても引きずらないようになりました。と言うより引きずっている暇がなくなりました(笑)。うまく気分転換がきるようになったので、仕事と育児の良いとこどりをしている、という感じですね。
これからどんなことをしたいですか?
仕事とは関係ないですが、子供が成長したときに一緒に同じスポーツを始めたいですね。例えばサーフィンとか。そのくらい若くてバイタリティ溢れるママでいたいです。その元気があれば仕事もバリバリやっていけるかな、と。
これから同じ業種に就きたいと思っている人にアドバイスをお願いします。
不動産会社と言っても、総合ディベロッパーやマンションディベロッパーもあり、強みも弱みも様々。会社説明会できちんと自分に合う会社を見極めて欲しいです。
でも、同業種だけではなく、あえて他業種の説明会にも参加して欲しいです。それによって、もっとあなたにとって魅力的な職業に出会えるかもしれないし、やっぱりこの業種が一番良いと再確認できるかもしれない。比較するものがなければ判断できないですよね。
私は、他業種と比べることで、不動産は女性の意見が通りづらいということもなく、女性だからここまででいいという甘えもないということを再確認できました。最初から自分で間口を狭めるのではなく、広い視野を持って会社選びを進めて欲しいです。
学生へのメッセージをお願いします!
旅行、資格取得、遊び、何でも! やりたいことは寝る間も惜しんで全てやるべきです。知識は後からいくらでも付いてきます。漠然とでも、やりたいと思っていることには常に関心を向けてください!
インタビューを終えて( ハナジョブ学生記者 )
インタビュー中、ご自身の経験を振り返っている堀口さんの様子から、“充実感でいっぱい”という印象を受けました。堀口さんのお話から、大変なことはたくさんあるけれど、そこには喜びもたくさん!ということを学びました。キラキラしている姿がかっこよかったです。ご協力ありがとうございました。