薬剤師の資格を持ちながら、今は広報のお仕事をされている吉本さん。半年間休職し、アメリカで英語を学んだ後、現在のお仕事に就かれたそうです。仕事は人生に欠かせないスパイスだと語る吉本さんに、その生き生きとしたワークスタイルの秘訣を伺いました。(2010年12月時点の情報です)
半年間休職をしてアメリカへ!女性が本当に働き易い環境を作ろうと思ったきっかけと、その後の変化とは?
お仕事内容を教えてください。
主に外部に向けた商品PRと社内広報をしています。商品PRはマスコミ、特に新聞社向けですね。新商品が出た時に「プレスリリース」という報道向けの資料を作って記事を載せてもらうんです。弊社は商品数が多いため全てはPRしきれていないのですが、月に2~3回程の頻度で動いています。
社内広報としては社内報の編集長を務めています。社内報は年4回、紙媒体で発行される物で、会社の方針や会社で起こっていることを社員全員で共有するために発行しています。
これまでのキャリアを教えてください。
入社後4年間は「学術」という仕事に就いていました。学術とは新商品のパンフレットを作って、店頭販売を担当する店員さんなどに対して勉強会を開き、商品やPRの方法を説明する仕事です。
その後半年間休職をして、夫の転勤に付き添う形でアメリカのインディアナ州に行きました。夫の転勤がきっかけではあったんですが、私自身もアメリカで英語を勉強したいと思っていたので、ちょうどいい機会と思い、休職の申請をしました。初めての事例だったのですが、当時の上司はとても理解があり「女性が働きやすい環境を作りたい」と申請を受け入れてくれたんです。事例を作れば他の社員も後に続きやすいだろうという意図もありました。
復職後の2009年10月から今の広報の仕事に移りました。広報はより経営に近い所で働けますし、会社を客観的に見ることも必要になってきます。そのため、視野が広がる、やりがいのある仕事ですね。
半年間休職した前後で何か大きな変化などはありましたか?
休職する前は、今まで積み上げてきた実績が崩れてしまうかもしれないという不安がありました。でも実際にはそんなこともなく、スムーズに仕事に戻れましたね。現在、特に英語を使って仕事をしているという訳ではありませんが、アメリカでの経験は貴重なものでした。特に変化したのは、時間配分の仕方かな。アメリカ人は仕事もプライベートも上手くバランスを取っているので、その影響で私も残業はだらだらせずになるべく早く仕事を終わらせて帰宅するようになりました。
学生時代はどのように過ごしていましたか?
大学では軟式テニス部に所属していたので週3~4日テニスをしていました。大学卒業後に薬剤師の資格をとって、大学院に進学。大学院では薬剤師やドラッグストア、カフェのアルバイトをしていました。教授が「研究ばかりしていたら、物の見方が偏るから、必ずアルバイトをしろ」とおっしゃっていたので、その言葉通りにほぼ毎日アルバイトをしていたんです。海外旅行にも行きましたし、その教授が海外の学会で発表する機会を与えてくださって、アメリカのフロリダ州やオランダなどに何度か行ってプレゼンをしたこともあります。
いつごろから薬剤師を目指されたのですか?
そもそも大学で薬学部を選んだのは、高校一年生のときにホスピスを知って、医療関係の仕事に就きたいと思ったことがきっかけでした。ホスピスとは死期に面した患者のケアをすることなのですが、ある本を読んで衝撃を受けて自分もそういう仕事をしたいと考えました。
でも、私は血を見るのが苦手だったんです(笑)医学系の学部で人体実験がないのは薬学部しかなくて……。それで薬学部に進んだのですが、薬学ではホスピスに直接関わることができないんですよね。でも当時はそんなことまったく気づきもせず、ホスピスに携わるんだという思いで薬学を学んでいました。
「ロート製薬の言葉」となること。その責任感とやりがいとは?
では今の仕事の楽しさと苦労を教えてください。
この仕事をしていて楽しいと思うのは、私のメッセージが相手に伝わった瞬間ですね。「伝える」と「伝わる」は似ているようで違うものです。始めはなかなか耳を傾けてくれなかった新聞社の方が、きちんと話を聞いてくれるようになったときや、記事を載せてくれたときなどは本当にうれしいです。
メーカーで働く楽しさとしては、いろいろな人と出会えるということ。理系の人、文系の人、企画の人、技術職の人、営業の人など、みんなで一つの物を作り上げていくということが楽しいです。
広報として大変なことは、自分の発する言葉が「ロート製薬の言葉」になるということですね。特に新聞記者との仕事が多いので、発言はすべて記事になる可能性があります。だから曖昧な表現や不確かなことは言えません。あとは、急な仕事が多いということ。ルーティンではなく新しい仕事が多いので、仕事量のコントロールが難しいことですね。
今の仕事をする上で心がけていることは何ですか?
人との繋がりを大切にすることです。人との繋がりは財産なので、あいさつやお礼はきちんと言うように心がけています。それと、頼まれた仕事を期待以上に完成させて返すこと。あとは一つひとつの仕事の目的を考えることです。目先の仕事をこなすことも大切ですが、すべての仕事がロート製薬のファンを増やすことであるという目標を忘れずに仕事に取り組むようにしています。
吉本さんにとって仕事とは何ですか。
人生の欠かせないスパイスです。仕事が刺激になって自分が成長できる。仕事で辛い時もある反面うれしいこと、楽しいことも多いです。
これからの目標はありますか。
子育てをしながら仕事をすることです。ロート製薬の社員は半分以上が女性で、産休育休の制度も充実していて、育休後に職場復帰している先輩も沢山います。仕事をしながら家庭を持つということで、色々な世界に身をおいて、女性としての幅も広げていけるかな、と思うんです。
広報を目指す学生へメッセージをお願いします。
心がけて欲しいことはいくつかあるのですが、まずは流行に敏感になってください。広報をする上では会社だけでなく、業界を知ることも大切です。次に、新聞などをよく読んで今日本で何が起こっているか把握すること。そして自分の興味のあることには積極的に参加して、自分自身のアンテナの感度を高めてください。広報は「伝える」仕事なので、「伝えたい」という思いが大切。その為に、自分の言葉で表現することも心掛けてください。
あとは、自分自身が新聞社を担当して感じていることですが、知らないことは素直に「知らない」と言うこと。そして笑顔で誠実な対応をすることが大切ですね。
人生の先輩とてのアドバイスをお願いします。
旅行はしておいた方がいい!インターネットで見るのと、実際に足を運んで行くでは全然違いますよね。なんでも自分の感覚で感じて、感性を磨くことが大切です!
インタビューを終えて( ハナジョブ学生記者)
かわいらしい関西弁でインタビューに答えてくださった吉本さん。ロート製薬のファンを増やす!という目標からロート製薬が好きな気持ちが伝わって来ました。ありがとうございました。
吉本さんのお仕事
外部への商品PRと、社内向けの広報を行っています。新商品のプレスリリースを新聞社に持ち込んで記事を書いてもらったり、社員同士の情報共有のための社内報を制作したりしています。
ロート製薬株式会社
ロート製薬は、目薬や胃腸薬などの一般用医薬品で培ってきた技術をベースに、機能性化粧品などの新しい分野にも活動のフィールドを広げている、トータルヘルスケアカンパニーです。海外売上30%以上と欧米・アジアへも展開しグローバル化を進めています。
ロート製薬のサイトを見る!