学生時代から、ものを作る仕事で多くの人に夢を与えたいという思いがあった山本さん。希望の職種につけたのは、入社から7年目。現在は希望していた企画の仕事で大活躍されている山本さんですが、入社から現在に至るまでたくさんの努力がありました。家庭と仕事を両立させている山本さんの秘訣とは?!
玩具メーカーの中で「衣料」を手がける山本さんの仕事とは?!
現在の仕事内容を教えてください。
現在はアパレル事業部でカジュアルチームのサブリーダーとして、ベビー服の企画開発を行っております。私の業務は簡単に言うと「プロデューサー業務」です。
アパレル業界では年に3回大きなシーズンがあり、10ヶ月前から展開商品内容を決めて、キャラクターの版権元と交渉したり、企画の内容をさらに深めたり、営業と戦略を考えたりと広く活動しているんですよ。
山本さんはこれまで、どのような商品を手がけてこられたのですか?
アウター、パジャマからパンツやヨダレかけまでベビー商品全般を担当していて、1年間に手がける商品点数は450~500点程です。(一同驚愕!)。
アンパンマンのベビー服や、最近では「父親と息子」をターゲットにしたブランド『BROOTS(ビールーツ)』の立ち上げを行いました。『BROOT』で扱うキャラクターは「ウルトラマン」や「仮面ライダー」などの初期の作品のキャラクターで、いずれも父親世代には懐かしいものばかりなので、時代の流行を取り入れながら父親と子どもに支持される服を提案していくことを心がけています。
またその他にも、赤ちゃんの可愛いコスプレが楽しめるよだれかけ『SUTAISTYLE(スタイスタイル)』も手がけ今年の8月下旬に発売となりました。商品が出来上がるまでは苦労が耐えないですが、やはり自分が手がけた商品が世の中にでるのを実感できるのでやりがいがありますよ。
それでは、これまで経験してきたお仕事の内容を教えてください。
入社2年目までは、営業事務を担当していました。初めは希望の職種だった企画に配属されず少しショックでしたね。それでもとにかく頑張ろうと思って仕事に取り組んで、色々勉強をさせていただきました。そして、3年目から6年目は営業企画の宣伝担当となり、CMや雑誌広告制作や商品をマスコミにPRする仕事を行っていました。
そして、やっと希望の職種の企画の仕事につけたのは7年目で、アパレル事業部に異動となり、商品企画の仕事に就きました。11年目に現在のベビー衣料の企画に配属され母親の視点を活かした商品の提案を行っています。
大学時代はどのように過ごされていたのでしょうか?
大学時代は、家政学科に在籍し、設計図面を描いたり、照明のデザインを描いて制作したりということをして過ごしていました。手先は器用だったのですが、設計があまり得意ではなかったので(笑)大学入学当初に考えていた設計士になることは諦めましたね。
「おもちゃで夢を与えたい」~山本さんの仕事に対する思いとは?!
現在の会社に入社を決めた経緯を教えてください。
学生時代、家政学科で設計などを行っていたことから「ものを作る仕事」に興味がありました。就職活動では、メーカーを中心に様々な企業を受けました。その中で、このバンダイに出会い「おもちゃで夢を与えたい」という想いがありこの会社に入社をすることに決めました。
それでは、現在の仕事の楽しさを教えてください。
やはり時間をかけて愛情いっぱいに育てた商品が完成した時が楽しいです。さらに、その商品を持っている方、身につけている方を街中で見かけた時は嬉しさを感じます。
仕事で心がけていること、大事にしていることは何ですか?
アパレル業界は流行の変化が激しいので、その中で生き残っていくために「取り残されないように」という恐怖がいつもあります。そのため、情報を常に取り入れていくことを心がけて、インターネットや雑誌となるべく多く目を通しています。
また、じっくり商品を育てていくことも大事にしています。これまでの経験からも確信があるのですが、急いで作った商品は売れないんです。やはり、じっくり愛情をかけて育てた商品は売れるんですよね。
そして全力で愛した商品を生みっぱなしにするのではなく、売ることに繋げることを心がけています。商品は宣伝して初めて「売れる!」という実感があるんです。これは3、4年宣伝の仕事を担当していたからできる強みですね。
これまで、仕事を辞めたいと思ったことはありますか?
希望の職種であった企画の仕事についたときに壁にぶちあたりました。私が配属された当時、アパレル事業部はバンダイの事業部としては特殊で、仕事を共にするメンバーは、これまでデザイナーとして活躍されてきた中途採用の方など、知識が豊富な方々ばかりで、なにも知識がなかった私は専門用語もわからないなど苦労が絶えませんでした。
ちょうどこの時期に出産したため、会社を辞めることも考えました。しかし、やはり仕事を続けたい!という気持ちがあり、一年間の育児休暇を取得して復帰しました。復帰後にベビー衣料に配属されたんですね。そこで自分の「母親の感覚」を活かした商品を作れるようになり、仕事が楽しくなりました(笑)。
山本流ワークライフバランス☆学生へのメッセージ
どのように仕事と家庭を両立されているのですか?
家庭にも仕事にも境界線はないですね。ほんと毎日が無我夢中です!!
気をつけていることとしては、前の日に寝る前から段取りを組むことです。でも、家事も仕事も、あきらめる時は、あきらめる(笑)。
また、企画は考えるのが仕事ですが、考えるという行為には際限がないんですよね。街中や家の中、電車の中でも常にヒントは転がっています。子供と遊びながら突然アイディアが浮かぶこともあります。「両立」というよりは、「融合」している感じです。
ストレス解消法がありましたら教えてください。
小さい手帳を用意して、ありのままの自分の気持ちを書いています。後で見返すと、とても冷静に振り返ることができるんですよ。「この間、あの人にああ言われてイラっとしたけど、こんな意図があったのかも!」なんて思えたりするので、心の整理ができるんです。でも絶対に人には見せられません(笑)これは社会人はもちろんですが、学生の方にも試して欲しいです。
将来の夢、目標を教えてください。
これまで、育児休暇をしたのち時短勤務させていただくなど、働きやすい環境を提供していくれて、そして好きな仕事を思いっきりさせてくれる会社には感謝しています。これからは会社に恩返しをしていきたいです。
息子の成長と共に新しいアイディアで商品を作っていきたいです。また、女の子の商品も手がけたいですね。
同じ職業に就きたい学生へメッセージをお願いします。
どんな経験も役に立ちます。会社に入社すると希望通りにいかないことが多いですが、落ち込まずにプラスに捉えていけるようにして欲しいです。
そして、いつかはチャンスがくることを信じて仕事に取り組んで欲しいです。私も入社してから希望の職種につけたのは7年目でしたから。しかし、これまでの経験が私の強みにもなっているんです。営業事務の経験では会社の商品の流れが把握できました。宣伝を担当していた経験から、商品を生むだけではなく、どうプロモーションすれば売上に繋がるかということも考えながら仕事をしています。
入社する前から憧れの仕事がある人も多いかと思います。しかし「絶対にこれがやりたい!」という強い気持ちがありすぎると、現実の仕事とやりたい仕事にずれが生じたときに会社を辞めることを選択する人もいるようなので、柔軟に考えることも必要だと思います。
インタビューを終えて( ハナジョブ学生記者)
明るく、ハキハキされていて取材者一同に元気を下さった山本さん。2児の母でありながらも時間を大切にし、自身の経験を仕事に活かしイキイキと働かれている姿にとても魅力を感じました。今回のお話しから「どんな経験も役に立つ」とおっしゃった意味が強く感じられました。仕事も家庭も山本さんのようにブラッシュアップさせられるようなハナジョを目指したいですね。山本さんご協力ありがとうございました。
アパレル事業部での企画の仕事
アパレル事業部での企画の仕事は、製作全般の運営・管理をするいわばプロデューサー業務。 実際にどんな商品を作るのかを企画し、デザイナーと議論しデザインを決めたり、また使用するキャラクターの商標権を取ったり、営業の方々と販売戦略を練ったりと製品を完成させて販売するまで核となる部分を担う業務を行います。 自分のアイディアが元となった商品を世の中に送り出すことができるやりがいのある仕事です。