管理栄養士として、商品企画に携わっている金野さん。企画だけではなく、メニュー作りや料理教室など、様々な活動を行っているそうです。そんな金野さんのワークスタイルとは?(2009年10月時点の情報です)
現在のお仕事内容を教えてください。
私の仕事は、カゴメ調味料全体の使用価値創造です。
管理栄養士の資格を生かして、生活者の目線に立った商品づくりを行ったり、市場や食卓の調査をし、カゴメからどんな商品やメニューを提供すべきかを考えたりしています。またパッケージ裏面のメニュー開発やホームページでのメニュー情報発信も私の仕事です。今まで、管理栄養士は商品開発者のサポート役に回ることが多かったのですが、現在では、商品志向より顧客志向を大切にして企画の段階から管理栄養士が参加して、食卓に必要なメニュー開発や商品作りに携わるようになりました。
金野さんのこれまでのキャリアを教えてください。
短大卒業後一般職として入社し、転換試験を受けて全国総合職になり現在15年目です。14年間は、東京支社で、管理栄養士・食育担当として営業支援をしていました。お得意先様に向けた商談支援が主な仕事です。1都9県地域の特産物に合わせて商品やお店ごとの強みを活かせるような商品を提案します。野菜が強いお店、魚介類が強いお店など、お店によって強みが違うんですよ。その他、スーパーでの販売促進のためのメニュー提案をしたり、お客様に向けて「食育」をテーマにした講演会や親子料理教室を開催したりしていました。そして、今年の4月に現在の部署に配属されました。
学生時代について教えてください。
中学校・高校時代はバスケットボールと陸上をしていて、大学ではパラグライダーをしていました。常に大人数でワイワイしていることが多かったですね。
元々「食」にとても興味があって、おいしいものはもちろんまずいものにも興味があったんです(笑)。短大時代には、大好きなケーキ屋さんで働きたくて、募集もしていないのに履歴書を持っていきました! ちょうど1人募集しようと思っていたようで、運よく仕事をすることができたんです。とても楽しい時間を過ごせましたね。
「ピンチはチャンスです」―逆境も成功に変えてしまう金野さんの仕事ぶりとは?
現在の会社に決めた理由は何ですか?
当時は就職超氷河期だったので、とにかく厳しい時代でした。
栄養士の資格を生かして働ける会社、そして「食」を通してコミュニケーションがとれる会社に就職したいと思っていましたが、想い描くような活動が出来ないままに時間が経ちました。その時に自分は何がしたいのか突き詰めて向き合ったことで真剣に仕事について考えられたように思います。
その頃、カゴメから大学に一名募集がきたんです。多くの学生が殺到しました。
そこで卒業生のカゴメの社員に端から電話をしたところ、寿退職をする先輩の後任募集だとわかりその方から業務内容を細かく聞くことが出来たのです。聞いていくうちに、「自分のやりたいことはこの仕事だ」と思えたんです。それで、面接でもきちんと自分の想いを伝えることができました。縁があって自分の希望以上の会社に入社することができて、本当に毎日感謝しながら仕事しています。ピンチはチャンスですよ。
金野さんにとって仕事の楽しさを教えてください。
私がこの仕事を通じて楽しいと思っているのは、やはり「食」を通したコミュニケーションがとれることです。カゴメの商品は、野菜や果物がベースになっていて、食べれば食べるほど健康になるんです。自社商品を心から薦めることができて、さらにその人たちが「美味しかった」と笑顔になってくださることがとても嬉しいです。
また、食育支援活動で親子料理教室の講師を7年間やっていましたが、成長の現場に立ち会えたことは財産でした。トマトや野菜を通じた食体験を一人一人が最初から最後体験出来るように設計をすることで、子供達は主体的に取組み、新しい発見や自分の成長を感じた喜びを体いっぱいに表現してくれます。そういった姿は本当に感動的で、私も一緒に成長できた貴重な経験でした。
逆に苦労した部分はありますか?
好きな仕事なので、あまり苦労したと思うことはないですが、今まさに苦しんでいますね。新しい部署での仕事をいかに効率よく、優先順位をつけていくかは難しいところです。
以前6人チームのリーダーをしていた時は、リーダーシップについて悩みました。皆の意見を調整しながらお姉さん役にはなれても、リーダーとしてグループの指針を示すのは簡単ではありません。モデルとなる女性の先輩が身近にいなかったこともあり、自分自身が後輩のモデルにならなくては!と意気込んでいました。
「頑張っている自分が好き」-そう語る金野さんの仕事に対する思いとは?
金野さんが仕事で心掛けていること、大事にしている思いを教えてください。
笑顔でいることですね。そして「一緒に仕事したい」と思ってもらえるような人になりたいので、常に相手のこと思って行動したり、広い視野を持つことを心掛けています。
金野さんにとって仕事とは何ですか?
人とのコミュニケーションや、繋がりをもたらしてくれるものですかね。仕事での人との出会いや発見は私のかけがえのない「栄養」になっています。仕事を通じて成長させて頂いています。
仕事と家庭をどのように両立させていますか?
私は結婚して丸5年になりますが、会社にいる自分と家庭にいる自分を切り離さないで考えるようにしているので普通にやっていると思いますよ。完璧にこなそうとせず夫が帰りやすい家を作ることを大事にしています。家事を分担するスタイルもあると思いますが、男性はまだまだ厳しい社会で戦っていると思うので、うちでは家事は私がやっています。今後子どもが生まれても仕事は続ける予定です。産休を取らせて頂く間に身につけた母親視点をお土産に帰ってきたいと思っています。
金野さんの休みの日の過ごし方を教えてください。
祖母が茶道の先生をしているのでお茶を点てたり、友達を呼んで料理教室をしたり、マラソンをしたりしています。仕事とはちょっと違う世界を持つようにしています。
将来の夢を教えてください。
食文化研究家のような仕事をしたいと思っています。海外から風土や時代にあう「食」をどんどん吸収して日本の食卓に伝えていきたいですね。私はずっと「カゴメの管理栄養士」という肩書がライバルだったんですよ。だから肩書に追いつける自分になりたい、自分だからこそできる仕事をしてきたいと思っています。
女子学生にメッセージをお願いします。
失敗を恐れすチャレンジすることですね。「ピンチはチャンス」と言いましたが、「チャンスはピンチ」でもあるので…どんどん苦労して学んでいってください(笑)。
インタビューを終えて( ハナジョブ学生記者)
カゴメに入社できたことに「感謝」していると話してくれた金野さん。インタビューの中に「感謝」という言葉が何回も出てきました。仕事に対して前向きで、感謝を忘れない金野さんはとてもキラキラ輝いていました。金野さん、ご協力ありがとうございました。
カゴメの食育支援活動
カゴメではトマトジュースの原料になるカゴメ特別品種「凛々子」の苗を毎年提供して、幼稚園、保育園、小学校などの栽培学習に活用しています。その他にも各エリアで管理栄養士がお得意様企業と共同で食育支援活動を行っています。