「今」の直感とタイミングを大切に、自分らしく生きるための考え方
私も就職活動中、両親や先輩、企業の方などいろんな人の意見を聞く機会が多く、自分がやりたいことが分からなくなることがあります。私のような就活生に何かアドバイスはありますか?
私もこれまで人の意見に左右されることが結構多かったんです。確かに、自分より1日でも1年でも長く生きてる人の言うことって経験値も違えば、その人なりの見解でもあるし、間違いではないと思うんです。でも今は、誰かの意見が私にも当てはまるとは思っていません。参考程度で考えるようになりましたね。
今の私は、何がやりたいことかって、たぶん一生探し続けることなんじゃないかなと感じています。やりたいことが明確にある人なんてほとんどいないのではないでしょうか。警察官になりたいっていう人も、警察官になって自分がどうなりたいのかまでは分かっていないかもしれませんよね。警察官は自分の中にあるイメージで、現実は違うのかもしれません。
なるほど。さきさんもやりたいことは模索中ということですか?
私が今考えるやりたいことは、一生踊っていることですね。そのためだったら何をしてもいいと思っています。お金が必要で一旦就職するってなったら就職することも間違っていないし、スタジオに通い続けるためにフリーターになることも間違っていないと思います。空港で働きたいとか保育士になりたいとか、やりたいことのための過程は色々あって、その過程はみんな見えているんです。でも私の場合は、職業が目的になっていたから働き始めたら「結局何がしたいんやろ」ってなってしまったのだと思います。
私も就職先を決めることがゴールのようになっていました。
そうなっちゃうの、すごく分かります。その先まで考えるのは難しいです。だから一旦で考えていいと思いますよ。会社が何個もあったとして、どこに行っても自分のやれることって自分が決めることだから。自分がこうしたいと思って働くなら、そうできます。どんな状況になっても、後から正解にしたらいいと思うんですよね。
後から正解にする!素敵な考え方ですね。私は就活を始めてからも自分が働くイメージをあまり持てずにいて…。さきさんの「働いていて楽しい」っていう気持ちを聞いてすごく羨ましく思います。1年目で退職する際、きっかけのようなのはありましたか?
ダンスは趣味で続ければいいやと思っていたけど、私の仕事はシフト制で休みが固定されていなかったからダンス教室に通うことができなかったんです。踊れない時期があって、そのときのストレスがすごくて。私、踊れる人生じゃないと無理!って思いました。そして、4年生のときに受けたバイトの面接で、ダンスは好きだからずっとしていたいですって言ったとき、どうしてダンスをしたいのに違う仕事をするのかと問われて。その言葉がずっと引っかかっていました。
踊りたいのにどうして働いているんだろうって感じて、辞めることにしました。直感とタイミングですね。今の直感はそれを得る過程とか、今とこれまでの自分の人間関係や出会いがあって、全部が巡りめぐった今の自分しか感じれないものだと思います。タイミングは自分のタイミングでいいと思います。
自分の目標ややりたいことは声を大に!周囲に知ってもらうことも重要
大学生のときから現在にかけて、社会人像や働くことへの考えの変化はありましたか?それはどんな変化ですか?
学生のときは自立した女性に憧れていたから、私も社会人になったらバリバリ働こう!と思っていました。でもいざ社会人になったら、理想の社会人像と現実の間にギャップを感じました。社会人になると、想像以上に評価をされる機会が減って。私はそれまで評価を当てにしていたから、自分がどこまで頑張ればいいのか分からなくなりました。頑張ったから素晴らしいではなくて、結果を出さないとだめな世界なんだということを知りました。
では、就職活動を始めるにあたって、自分の将来の考え方や今後やっておくべきことはありますか?
やっておいた方がいいなって思うことは、いろんな人の話を聞くことですね。もちろん、その人の話が全てじゃないっていう前提です。教授や両親、アルバイト先の社員さんとかいろんな大人の人の話を聞くと、各々生きてきた時代は違ってもその人なりの考え方を知ることができて面白い。私は今になって、聞いておけばよかったと思っています。
一方で、自分主軸で考えて欲しいとも思います。私は就職活動のとき、両親を軸で考えていたから自分の軸がありませんでした。でも、大人になったら誰も評価してくれないし、誰の判断を頼りにしても自己責任になります。だからこそ、自分の判断で決めて欲しいです。とりあえずでもいいので、自分がいいなって思う感覚を大切にしつつ、しっくりくる道にいってみたらいいと思います。
コロナウィルスの感染拡大でなかなか自由が利かない中、やりたいことへの情熱を保ち続ける秘訣はありますか?
私も落ちるときは落ちます。でも、好きなことだし根拠のない自信とか意地はあります。遠慮していたら何もできません。やりたいことがあったら周りの人にたくさん言った方がいい。ダンスのインストラクターの仕事も「私イントラしてみたいんよね」っていろんな周りの人に言っていたら、私がお世話になっている先生が辞めるときに後任で名前をあげてくれて、それでもらえた仕事でした。
言葉に出していればどこかで聞いている人もいて、いい機会が自分に舞い込んできたりもします。応援してくれる人や味方も増えますよ。それと、20代のうちは自分で責任取れる失敗はできるだけした方がいいと思っています。特に私の今の働き方は母体がない分、自分が動かないと何も始まりませんから。
この質問、みなさんにさせていただいてます。今の自分は何分咲きでしょうか?
3分咲きです。今はまだ叶えたい目標がたくさんあるので。コロナ禍ですが、少しずつでも動き出して行けたらと思っています。
最後に、今日お話しさせていただいて感じたことや感想があれば教えていただいてもいいですか?
私がいろいろ言ったことも1つの意見であって、全てではありません。最終的には自分で決めてやるしかないから。でも、大学生ってやりたいことが分からないのが普通だと思っています。とても考える時期だけど、逆になんでもできる時期だとも思います。あまり考え込まずに楽しく行きましょう!
ありがとうございました!
インタビューを終えて
さきさんの自分に素直な考え方や言葉が、就職活動中の私にすごく刺さりました。
「今、感じている直感やそのタイミングに従うことも大切。後からでも正解にできる。」というお話がとても印象に残りました。また、母体のない働き方を選んだからこそ、自分から行動を起こすという姿勢にさきさんの覚悟を感じました。
私も今の自分の気持ちに素直に、将来を見据えて頑張ろうと前向きな気持ちになりました。
取材:片倉羽七