【社会人若葉マークのわたし】では、新卒社員として入社をしてから1~2年が経過した先輩たちに「現在の仕事内容や仕事のやりがい」「入社し働いて気が付いた社会人の面白さや苦労」「これからのキャリアをどう考えているか」などをインタビュー。社会人は大変なこともあるけれど、楽しいこともたくさんあるという思いを語っていただき、これから社会人になる女子学生の皆さんの背中を押します。
やりたいことはあっても、どこに就職すればいいのかわからなかった
現在の仕事内容を教えて下さい。
現在は主にパッケージデザインの仕事をしています。商品の表面だけではなく、裏面の成分表示を作成したり、イラストを作成したりと、仕事内容は多岐にわたります。
今の会社に入社しようと思ったキッカケや理由を教えて下さい。
物心ついた頃から、絵を描くことや物を作るがことが好きで将来は漠然とそういった職業に就きたいと考えていました。就活をはじめた当初は、広告業界、ものづくりの業界を幅広くみて自分のやりたいことを探していました。
そして、様々な説明会やOB訪問を経て、好きな美術の領域で将来「手に職をつけたい」と感じました。ですが、中々美術系の仕事を経験なくしてできる会社は少なくモヤモヤした時期が続きました。
そのモヤモヤをどの様に乗り越えたのですか?
当時、営業職として会社に入社し、部署の異動でクリエイティブ職に就くという選択肢もありましたが、未経験からクリエイティブ職に就くには狭き門であり、大学進学の際に美術系の学校に行かなかったことを悔やみました。
モヤモヤしながらも、進路を模索しているところに、インターンを行っていたハナラボ(*ハナジョブを運営しているNPO法人)の代表の紹介で、未経験でもクリエイティブ職に興味のある人を探している、現在の会社の社長に繋いでいただくことがあり、そのご縁で入社することになりました。
チャンスが巡ってくるよう行動し続けていたことが、実を結んだのですね!
そうですね。ハナラボでは就活に悩む女子学生向けのアプリを開発していたのですが、学生主体でアプリを開発し仲間とより良いものを生むために試行錯誤を繰り返していました。私はこのプロジェクトに、自分の得意なイラストを描くことで貢献できると思い、進路に悩みながらもイラストを描いて、周囲に自分の得意な事をアピールしていました。
私の就職パターンは少しレアケースかもしれません。ですが、諦めずに就職活動をしたからこそ好きなことを仕事にでき、現在は充実した生活を送ることができています。
念願叶ったデザインの仕事。自分の好きなことを仕事にした先にあるもの
念願が叶いパッケージデザインの仕事をされる中で、学生の頃には想像していなかったことはありますか?
学生の頃はデザインの仕事をすごくクリエイティブで自分のやりたいことを表現するような仕事という風に捉えていました。ですが、実際にこの仕事をしてみると自分の表現したいことだけを表現すれば良いのではなく、クライアントの期待に応える物を作成しなければならないんですよね。どういう人が購入してくれる商品なのか、どこで販売されるのかなど、多くのことを考えてデザインを構成する必要があることに気づきました。
消費者目線で商品をデザインする際に何か苦労された経験はありますか?
実際に、小さい子供向けの食品パッケージをデザインしたことがあるのですが、最初は大人の目線でかわいいデザインになっていたものを、会社の先輩からこの商品は小学校低学年向けの商品だから、もっときらきらさせたり、色をカラフルに使ったりした方が良いよというアドバイスをいただき、デザインをまとめていった経験があります。一つひとつの商品が持つ背景を気にしてデザインするには事前のリサーチがとても重要で、日頃時間をかけて行っている業務でもあります。
現在の仕事をしている上でのやりがいと大変なことを教えて下さい。
そうですね、自分が関わった商品が店頭に売られている時や、知人が購入してくれた際はこの仕事をやっていて良かったと強く思いますね。
逆に仕事をしていて大変だなと思うことは、パッケージのアイディアを考えることですかね。アイディアが思いついても、それをどのようにデザインソフトをつかって形にするかと言うところをいつも悩んでデザインを作成するのに時間がかかります。
では、仕事を通じてデザイナーの経験を一から積む中で、大変なことをどの様に乗り越えてこられたのですか?
最初は、デザインの知識や表現方法を全く知らずに入社したので、デザインソフトに慣れることからはじめ、先輩方から沢山のデザインに関することを教えて頂きました。毎日必死に経仕事をする中で、最近ではロゴひとつとっても文字の組合わせによって見え方が変化すること、この表現技法の組合わせの方がオシャレにみえる、といったことを体得しつつあります。自分自身が好きな「デザインすること」を仕事にしていることが、結果として大変なことを乗り越える原動力になっていると感じます。
それでは、働かれている中でできた今後の目標を教えてください。
今はまだデザインスキルを学んでいる段階なので、将来の大きな目標は定められていません。ですが、クライアントの方にもらった要望をそのまま形にするのではなく、商品がよりよいものになるよう、+αの提案ができるようになることを今は目指しています。
その他にも、誰かの困りことをデザインのクリエイティブな力で解決していくことにも将来挑戦していければなと思います。社会課題の解決法は人によってアプローチは様々だと思いますが、自分の得意分野であるイラストをかく、物をつくることを生かして今後社会に貢献していきたいです。
自分の将来について、悩むのは当然。でも、行動し続けることを忘れないで!
就活って何から始めたらいいの?という方へアドバイスをお願いします。
小さなことでもいいからインプットすることが大事だと思います。
例えば、料理を始める、美術館にいってみる、普段歩かないところを散歩してみる、とにかくいろんなことをインプットしてセンスを磨く、自分のちょっとでも好きなことを見つける。はたまた、苦手なことを見つけることで自分やりたいこと、働きたい業界をみつける糸口になるのではないかと思います。
社会人になるまで、社会人になることに対して日々大変で忙しいというネガティブな印象が先行していましたが、地道な毎日の中で着実にスキルが付いている実感あり、とても充実した日々を過ごせています。自分の少しでも興味のあることを仕事にするとすごく毎日楽しいですし、未来の自分への投資だと思って、皆さんに就活を頑張ってやってみてほしいなと思います。
やりたいことを仕事にできることは幸せだと思うのですが、その上で自分自身の生計を立てていかなければならないという不安も多くの方が悩むことだと思います。その点はどのように考えていらっしゃいましたか?
就職先を考える上で、お休みが取れれば趣味は休みの日にするので、仕事内容はそこまで気にしない、福利厚生がしっかりしている会社であればいい、というような自分のぜったい譲れない軸があると思います。
私の場合は、仕事をしていく中で手に職をつけたいと思っていたので、そこまでお給料が高くなくても自分の軸が乱れなければいいかなと考えていました。自分の譲れない軸を発見することが大切なことなのかなと思いますね。
最後に質問させてください。社会人2年目として自分を評価するなら何分咲きですか?
6部咲きですかね。最初ゼロからのスタートだったので、そこから考えたら自分が考えていたより成長できているなと思います。
私は雑談力がなくて、クライアントの人と会話するのに苦手意識があるんです。
打ち合わせのときって余談も大事なんですよ。かわいがってもらうようなことがなかなか難しくて。このあたりの能力を今後伸ばしていきたいです。
インタビューを終えて
取材を終えて一番最初に思ったことは、「好きを仕事に。」できていることはとても幸せなことだということです。取材を進めて行く中で、仕事について語られる先輩からはデザイナーの仕事が好きで、日々充実されている雰囲気がにじみ出ていました。
自分は何が好きで、どんな環境に身を置きたくて、どんな人になりたいのか。
就職活動をする上で、誰もがぶつかる難題について、悩んでも行動し続けることを大切にしたいと感じました。
取材:川勝来夢