【社会人若葉マークのわたし】では、新卒社員として入社をしてから1~2年が経過した先輩たちに「現在の仕事内容や仕事のやりがい」「入社し働いて気が付いた社会人の面白さや苦労」「これからのキャリアをどう考えているか」などをインタビュー。社会人は大変なこともあるけれど、楽しいこともたくさんあるという思いを語っていただき、これから社会人になる女子学生の皆さんの背中を押します。
「誰としたいか」で決めたI Tベンチャーの仕事とは?
お仕事内容について伺ってもいいですか?
建設業界を対象にしてI Tサービスを提供するベンチャー企業で働いています。私はその中でもカスタマーサクセス職という仕事に就いています。聞き馴染みのない職業だと思いますが、簡単にいえば、I Tツールを導入していくにあたってお客様が最初に躓かずに、効率的にツールを使っていただけるように導入のサポートやコンサルティングの業務を行なっています。
初めて聞いた職業でした!Kさんはどうしてこの業界を選ばれたのですか?
私も最初は全く知らない業界でした。大学3年生の就活の始めは、営業職で働こうと思っていたんです。そして大学4年時には、今働いている企業とは違う企業で内定をいただいていました。でも、内定をもらった後に「学生生活で何かやっておきたいな」と考えて、4年の夏にインターンをはじめました。そこが実は、今働いている企業なんです。最終的に4年の12月に内定先で働くことを断って、当時のインターン先であった企業に就職を決めました。
そんな経緯があったんですか!すごく大きな決断だったと思うのですが、何か決め手はありましたか?
一番の決め手は「どんな仕事・業界で働くか?」よりも、「誰と働くか?」ということを大事にしたいと気づいたことだったかなと思います。チームで成果を出すために、個人の目標だけを追うのではなくて、チーム全体の目標に向かって試行錯誤するというのは、自分にとって一番成長できる場であるように感じました。また、インターンを通して、外部情報だけを見るのだけではなく、企業の雰囲気を知ることの大切さを学びました。実際に業務をして、人と協力することの楽しさを肌で感じられたことも「誰と働くのか」を重要視するきっかけになりました。
インターンだからこそわかることって大きいんですね。
そうですね、インターンは学生時代やっておくと、とてもいい経験になると思います。新しいコミュニティに身を置けるということが一番の利点です。「自分はどういう存在なのか」「何を軸にして生きていきたいか」「何をやっているとき楽しいか」を自分に問い続け、「自分が何を大事にして活動したいのか」を探ることができました。インターンだからこそということもありますが、とにかく学生時代は新しい環境やコミュニティに奥手にならずに挑戦していくことが大事ですね。
同期ゼロの厳しい環境の支えになったのは自分の「精神的タフさ」
就活の時に自分の強みを考えると思うのですが、Kさんの強みはなんですか?
自分で思う強みは2つあります。それは、マネジメント力があること、精神的なタフさがあることです。大学時代にビジネスコンテストの実行委員を経験していて、2年生の時に実行委員長になりました。10~20人のチームをまとめたという点で、自分のマネジメント力は評価したいと考えて、アピールしてきました。他には、友人からよく言ってもらえることが精神的なタフさです。私自身、浮き沈みが少なく、精神的に安定している方だと思います。安定して結果を出し続けられるタイプじゃないかと自己分析しています。
その強みはお仕事にも活きましたか?
特に精神的タフさはすごく強みになったと思います。働いている企業はインターン生のみを採用をする方針で、実は同期が一人もいないんです。一緒に働く人たちは私より年上で、経験豊富な先輩たちです。そんな周囲に圧倒されて、自分とのギャップに落ち込むこともありますが、そんな中でもここまでやってこられたのは自分の精神的タフさが活きていると思っています。
自分のタフさを信じて頑張ってきましたが、入社して2ヶ月後に実施した全社員合宿は辛かったです。インターン時代から今までの長い時間を振り返り、「思ってはいるけれど、実行に移せない」という弱点を見つけました。「あの時先輩に遠慮せずに言うべきだった」とか「営業職とカスタマーサクセス職の架け橋になるべきだった」など様々な反省点がありました。その内容を先輩にずばり指摘されることもあったので、自己嫌悪につながりそうでした。しかし、その指摘も自分の糧にして次の自分へステップアップできるように今はポジティブに捉えられています。そんなところに自分の精神的タフさが活きていると思いますね。
同期がいない環境は時に辛いこともありますよね、そんな特殊な環境下で新たに見つけた強みはありますか?
良くも悪くも、自分がどんなふうに成長していくかビジョンが見えづらくて悩んでしまったり、鼓舞しあえる仲間がいなくて、常に上の先輩を見続けるのは時に辛いこともありますね。それでも、チームで動く中で、自分を客観視できる力がついてきたように思います。他のチームメンバーから自分がどう見えているのか、チームメンバーとどう関わり、どんな人から力を吸収すればいいかなどを考えて、その中で客観視する力が養われたと思います。
建築業界をハッピーに!今考える将来の夢とは?
お仕事のやりがいはどこに感じていますか?
実は、建設業界はITに馴染みのないお客様が多いんです。そのため、自分が自社とお客様を介在する中で、お客様が納得してITツールを導入してくださるときは、自分の価値が見出せたようで一番嬉しい瞬間ですね。早くお客様の購入に結び付けたい営業的な気持ちと、お客様の満足度を高めてから着実に次の導入も進めたいお客様寄りの気持ちの両軸を達成することは難しいです。その両軸をチームで達成できるように模索していく過程にも楽しさを感じています。一人ではなく、チームだからこそ、達成できた時のやりがいはとっても大きいです!
お仕事への熱い思いがとっても伝わりました!そんな一生懸命お仕事と向き合われているKさんに伺います。ずばり今の自分は社会人として何分咲きですか?
うーん、難しいですね。今は三分咲きかな。先ほどもお伝えしたように同期がいないこともあって、先輩に基本的にはまだ助けていただいているという面で、なりたい自分とのギャップにまだまだ苦しんでいます。でも、「自分の選んだ道だから、後悔しないように上を目指す!」というスタンスはぶれずに持っていることを評価して、三分咲きくらいにしておきます。
ありがとうございます!では最後に、Kさんのこれからの目標を教えてください!
大きい目標は建設業界をもっとクリアに、ハッピーな業界にすることです!まだ、かかわれる範囲は狭いかもしれませんが、その一端を担う人間として少しでも介在価値が出せる人間になりたいというのは常に思っています。
近々の目標としては、会社全体の目標でもある「納得感」の追求です。お客様に対してはもちろん、チームメンバーに対しても納得感を生み出せる仕事をしたいと思います。企業全体の雰囲気を考えつつ、お客様の望みを追求することで、お客様にとっても、自分にとっても、「納得感を体現できる存在」になりたいと思っています
インタビューを終えて
自分でも安定感があるとおっしゃるKさんならではの仕事のスタイルには、社会人になるにあたって武器であろう「精神的タフさ」という大事な秘訣がありました。就職という新たなコミュニティでは辛い環境もありますが、この「精神的タフさ」を自分の中に据え置くことで生きがいとする仕事に向き合っていきたいと思います。読者の皆様も新たなコミュニティに臆せず突き進む勇気を持っていただけたら嬉しいです。
取材:下垣内 優衣