就活レポでは、就活を終えた先輩たちに「なぜその仕事や会社を選んだのか(会社選びの軸)」「学生時代にどんなことをがんばってきたのか」「就活でどんなことに苦労したのか」「女子就活の取り組みかた」などをインタビュー。単なる就活テクニックではなく、仕事選びのヒントをお伝えします。就活のスケジュールも掲載!
Neneさんの就活スケジュール(2022年3月卒業)
2020年6月 | 就活ナビサイトに登録し、活動を始める。 |
2020年9月 | 文房具メーカーやIT企業を中心に就活を行うも、本当にやりたいことなのか違和感を持っていた。 |
2021年6月 | 企業を受けるも、全て落ちてしまう。自分の中で区切りがついたので就活を終える。 |
2021年7、8月 | 教員採用試験を受け合格したが、学校の先生になることを悩む。 |
2021年10月 | 教育実習に行く。生徒と関わることが自分にとっての1番のやりがいであると実感し、学校の先生になることを決意。 |
教育実習を通じて見つけた自分の居場所
なぜ教育学部を選んだのですか?最初から学校の先生になりたかったのでしょうか?
高校時代の寮生活がきっかけです。あまりよい環境で暮らしてこなかった子が周りに反抗しているのを見て、育つ環境によって行動や性格が大きく違うことを知りました。そこからどう生きるのが1番幸せなのだろうと考えるようになり、教育に興味を持ちました。
学校の先生は絶対に大変だし、なんなら一番なりたくなかったんです。なので、キャリアセンターの人と相談しながらIT業界や文房具メーカー、楽器メーカーを受けていました。でも、就職活動をやめる6月まで「なんか違う」というモヤモヤした思いがずっとありました。
なぜ6月で就職活動を辞めたのですか?
6月30日までは全力でやり切ってそれでも結果が出なかったら、やめると決めていました。「これで無理だったらいいや」と思えるくらいやり切ることができたので、迷いはありませんでした。
就職活動に対してずっと「なんか違う」というモヤモヤがあったそうですが、その気持ちが晴れた瞬間はどのタイミングだったのですか?
教育実習に行ったことがきっかけです。7月に教職採用試験を受けて合格していたのですが、「あの先生つまらないね」と言われるのが嫌で絶対に先生にはならないと思っていました。でも実習に行ってみると大学生活のなかで1番楽しくて、人を励ましているときの自分が1番好きなのだと気づきました。
コロナ禍で人に会っていなかったので、中学校で子どもたちと過ごしたり、あいさつをするだけですごく元気が出ました。子どもたちに大事な思い出を作ってあげたいと思ったし、自分がここにいる意味を感じて「私の道はこれだったんだね」と思いました。
教育実習に行って自分の居場所を見つけられるなんてすごい!教育実習は大変なことが多いイメージですが、苦労したことはありますか?
1つは、授業が全然うまくいかなかったことです。教える力が欠如していて45分間教えることがとても大変でした。もう1つは、周りの先生や子どもたちとのコミュニケーションに苦労しました。大人の世界でどう振る舞えばいいのだろうと毎日緊張していたり、中学生との関わり方に悩みました。指導教官の方に授業がうまくできなくてもあまり気にしなくていいとアドバイスをもらったので、そこからは意識しないようにしていました。
なぜ周りを励ます人になりたいと思ったのですか?
周りを励ます人になりたいという気持ちは、ずっと昔からありました。高校生の頃、お父さんが亡くなってしまった友達がいて、話を聞いてあげたことがありました。卒業するときに「一緒に泣きながら話を聞いてくれてすごく励まされた」と言われて、こんなにも嬉しいことがあるのだなと思いました。その経験が本当に忘れられなくて、ずっと根底にあるのだと思います。
変われていない自分への葛藤も。悩んだ期間も無駄じゃない
就職活動の軸はありましたか?
就活の軸は悩みました。私自身、企業の利益のために働くこと自体合ってないのだと感じて、今の仕事に出会うまで企業に合わせて軸を変えていました。
IT技術を使って母子家庭やひとり親世帯を間接的に支えることも考えていたのですが、私にとって人を励ました実感は、その人自身が直接元気になる姿を見たときだと思ったので、違うなと思いました。
就職活動で最も悩んだこと、またそれをどのように乗り越えたのですか?
何のために就活するのか分からないまま周囲に合わせて就活していることが苦しかったです。今まで教育を学んできたのに、全然変われていない自分にも葛藤していました。
悩んだときは就活のモチベーションや働く理由をキャリアセンターの人や周りの友達と話していました。その時々でアドバイスもらって、立ち止まったら相談しに行っていました。
就活を通して変化した価値観はありますか?
本当に叶えたい自分像が見えてから変わったかもしれないです。以前は周りから認められるために働くものだと考えていましたが、教師という仕事に出会ってからは、自分がなりたいからこの職業を選んだという自覚が生まれました。
結果的に今の仕事には何も結びついてない時期が1年以上あったけれど、その時間がなければ自分のやりがいや周りに対する感謝はなかったと思っています。
人の気持ちがわかる人間になりたい。常に自分への反抗心を大切に
学生時代に力を入れたことを教えてください。
アフリカの音楽やダンス、歌をやりながら戦争の歴史やアフリカの人間性などを学ぶ部活で活動していました。副部長だったのですが、ゆるゆる活動するのではなくもっとアフリカについて学べるよう部活を変えたいと思い、執行部のメンバーと協力してイベントを行なっていました。
部活を通して今に活きていることはありますか?
めちゃくちゃあります!裏方を経験したからこそ、イベントを開く苦労を知りました。あとは、いろいろな考え方と出会って、人の意見を受け入れることの大切さを学びました。
部活の活動自体もそうですが、人のことを知りたいという気持ちが根底にあるんですね。
あると思います。究極は自分がどうなりたいかに結びついている気がします。周りの人に向上心がすごいと言われるのですが、「もっとこういう自分になりたい」「もっと成長したい」と思うからこそ、周囲の人に感化されました。
あとは、自分のなかに湧いてくる気持ちと立ち向かおうことを大切にしています。常に自分に反抗みたいな感じです。少し前の自分と違うことを実感できたときが嬉しくて、進路が決まった今でも常に考え続けています。
将来の夢について教えてください。
まずは先生になって、その後はいろいろな仕事を経験したいと思っています。海外で青年海外協力隊に挑戦したり、企業で働いたりして先生に戻りたいです。いろいろなことを知っている先生の方がより多くの子どもを励ますことができると思うし、むしろ苦労して子どもたちの気持ちがわかる人間になりたいです。
励まして相手が元気になってくれたときが1番の喜びなので、子どもからも常に学びながら純粋な心で内面的な成長を重ねていきたいなと思っています。おばあさんになっても成長していきたいです。
就活生に対してのメッセージをお願いします。
心から「これだ!」と思える場所が絶対にあるので、最後まで逃げずに立ち向かって欲しいと思っています。結果に結びつかなくても無駄になることは一切ないし、全部自分の心の肥やしになって発揮されていくものだと思うので、諦めずに粘り強くやっていけば絶対に道は開けると思います。
取材を終えて
はじめは絶対に学校の先生にはならないと思っていたNeneさん。教育実習を通じて自分の本当のやりがいを見つけられたのがすごいと思いました。私も、仕事を通じてどのような思いを実現していきたいのか改めて考えてみようと思いました。Neneさんの夢をこれからも応援しています。貴重なお話をありがとうございました!