就活レポでは、就活を終えた先輩たちに「なぜその仕事や会社を選んだのか(会社選びの軸)」「学生時代にどんなことをがんばってきたのか」「就活でどんなことに苦労したのか」「女子就活の取り組みかた」などをインタビュー。単なる就活テクニックではなく、仕事選びのヒントをお伝えします。就活のスケジュールも掲載!
Mizukiさんの就活スケジュール(2021年3月卒業)
2016年4月 | 福祉の学部に入学 「福祉の分野で起業する」という考えに興味を持ち始める |
2017年~2019年 | 福祉、災害のボランティアを多数経験し、「活動家を応援する」という立場で仕事をしたいと考える 憧れのディレクターの方と出会い、その会社に入ることを志す |
2019年4月 | 大学を3年間で卒業後、大学院に進学 |
2020年4月 | 本格的に就活を開始 第一志望の会社1社の他、練習として1社面接を受ける その後、第一志望の会社の内定をもらう |
夢は「福祉の活動を広め、応援すること」
福祉系の学部を卒業されたそうですね。進学先を選んだきっかけを教えてくだい
フィールドワークとか福祉の現場に行って実践学習をする授業スタイルに惹かれて、社会起業学科を選びました。福祉って、ビジネス的な分野ではないってイメージありませんか?社会の課題解決の結果が利益に繋がるってすごく良いなと思い、この学科で学んでみることにしました。
福祉の学科から、なぜマスコミ業界を選んだのですか?
授業や課外活動の場では、先生や福祉の活動家の話をたくさん聞かせていただきました。そのため、私もそういう立場で活動したいという考えもあったのですが、少し飽き性な私には、一つのことを掘り下げて活動する立場よりも、いろんな活動家の方と出会って、話を聞いて、刺激を受けて、活動を応援していく立場を目指したいと思うようになったんです。それで、伝えることを仕事にするメディア業界を選びました。
学生時代はどのように過ごされていましたか?
福祉関係や、災害のボランティアに参加していました。その中の一つに、「注文をまちがえる料理店」というイベントがあって。認知症の方がレストランのコールスタッフをして、注文を間違えても誰も責めたりしない、というイベントです。そのイベントを発案した方が今勤めている会社のディレクターの方だったんです。私もこの会社に入って、福祉というジャンルで面白いことを考えて、みんなの笑顔を作りたいと思うようになりました。
素敵な出会いがあったのですね!学生時代からいろいろ色々なことをされていますが、そのような行動力はどうやったら身に付けることができますか?
行動力があるよね、と周りかよく言われるのですが、私は力だと思っていないんですよね。自分が行動したら良いことが起こった、という成功体験がたくさんあるから、行動しないという選択肢が無いのだと思います。
気になることがあったら、実際に自分の足で関係する人に会いに行ったりして経験を積むことを大事にしていました。それが今の仕事にも繋がっています。
自分のやりたいことを仕事にする就活
いつ頃から就職活動を始めましたか?
新型コロナウイルスが流行しだして、ボランティアの活動ができなくなった頃です。私は大学院に進学したので、卒業する年度の4月ですね。それまではインターンや説明会にも行かず、自分のしたい活動を続けていました。
周りの人と比べたら遅いスタートに、焦りはありましたか?
焦りは感じませんでした。就職活動に興味を示さなかったのは、頭の片隅に今の会社に入りたいって思いがあったからかな。それよりも、私が行っている活動を大事にしたいし、将来やりたい仕事に繋がっている自信がありました。それでも、就活が始まると世の中の動きを知るために他の会社を調べたりはしていました。
練習として1社面接を受けたそうですが、そちらはどうでしたか?
視野を広く持ちたいと思って、練習でエントリーした1社に面接に行きました。でも、2次審査の面接で「第一志望は他の会社です。」と言ってしまったんですよね。嘘が付けないくらい、第一志望の会社に本気で入りたかったのだと思います。
ものすごい熱意ですね。第一志望の会社に落ちた場合は考えていましたか?
秋採用や、来年の採用に挑戦しようと考えていました。それでもだめだったら、自分はもっと目指したい場所に導かれるんだろうな、とも思っていましたね。私は、人生の選択の岐路に立ったとき、「縁」のようなものを大事にしています。そういう発想の転換も必要かなって。この考えは、学生時代に沢山のことを経験できたから身に付いたのだと思います。
入社しただけでは終わらせない「夢」
これから挑戦したいことなどはありますか?
仕事では、人が何かにチャレンジするきっかけとなる番組作りを目指したいです。ドキュメンタリー番組では、成果を発揮した人を取り上げて、「すごいね」という感情だけで終わってしまう気がして。その先の、「私もできるかな、やってみよう」と思わせる番組を作りたいです。プライベートでも、福祉の分野で何か挑戦したい中高生とグループを組んで、認知症への理解を広めるなどの活動をしているので、若い世代を応援する、という活動も続けていきたいです。
就活を控える方にメッセージをお願いします。
やりたいことが決まっていても、そうでなくても、自分に関係がないところにも飛び込む、ということが大事だと思います。私はその中の一つが仕事に結びつきましたが、自分とは関係のない場所に新たな発見があるかもしれません。どんなことでも、これは今自分にとって大事な経験なんだって気持ちでいれば、何事も楽しめると思います!
ありがとうございました!
取材を終えて
私は、就活というものは自分に向いている業種を見つけて、たくさんの会社を受けて、内定が出た会社に就職するものばかりだと思っていました。しかし、それは数ある就活方法の一つであり、Mizukiさんのように、この会社に絶対に入る!といった就活もあるのだと驚きました。私も、普段の生活の中で憧れの会社が見つかるかもしれないので、視野を広く持ち、たくさんのことを体験したいと思います。
記者:土川香音