就活レポでは、就活を終えた先輩たちに「なぜその仕事や会社を選んだのか(会社選びの軸)」「学生時代にどんなことをがんばってきたのか」「就活でどんなことに苦労したのか」「女子就活の取り組みかた」などをインタビュー。単なる就活テクニックではなく、仕事選びのヒントをお伝えします。就活のスケジュールも掲載!
Kossyさんの就活スケジュール(2022年3月卒業)
大学3年7月 | 幅広い業界のインターンに応募。 |
大学3年10月 | 女性と子どもの支援をしたいと強く決意し、就職活動の軸を定める。この時期にエントリーシートをほぼ完璧に固める。 |
大学3年11月 | 教育関係に絞って選考を受け始める |
大学3年2月 | 第一志望の企業に落ちる。就活アプリを通じて現在の内定先と出会う。 |
大学4年5月 | 3社の企業から内定をもらい、現在の内定先に決め、就活終了。 |
目に見えない貧困を救いたい。大学時代の経験が大きなきっかけに
内定先について教えてください。
子育て支援のIT企業です。保育園や幼稚園向けに体温計や連絡帳などのICTツールを作っています。子どもと女性の支援をしたかったので、保育園の設立や運営をしている企業など教育業界に絞って受けていました。
私の性格上、大手でゆっくり成長していくことは耐えられないなと思ったので、若手のうちからいろいろなことを任されるベンチャー企業を選びました。あと、実際にオフィスに行ったときに自由な雰囲気が良いなと思い選びました。
子どもと女性の支援をしたいと思った理由はなんですか?
大学2年の夏にカンボジアに行ったことがきっかけです。現地で貧困を目の当たりにしたことが、自分のなかでかなり衝撃的でした。ここで1ドルを渡しても、目の前にいる子どもが幸せになるわけではないと思い、もっと根本的な解決をしなければいけないと思いました。
大学で公共政策の勉強をしていて、子育て支援を勉強する機会があり、子どもの貧困について勉強しました。十分な教育を受けられなかったり、シングルマザーだったりとお母さんが貧困であることで、子どもの貧困につながってしまうという負の連鎖もあるなと感じ、女性の支援もしたいと思いました。貧困家庭の子どものなかには虐待を受けている人が多く、それ以前にお母さん自身が望まない妊娠などの性暴力の被害を受けている場合があり、性暴力も重要な社会問題だと思って、性に関する団体に入りました。最初は女性を助けるためにという気持ちがあったのですが、活動を始めてからは、性暴力は男女関係なく起こることだと知り、性に対する見方が広くなったと感じています。
なるほど、子どもや女性の貧困を学んでいくうちに支援を考えるようになったのですね。
そうですね。カンボジアに行った直後は発展途上国に支援をしたいと思っていたのですが、子どもの貧困を勉強するうちに日本にもやらなければならないことがたくさんあると感じました。カンボジアの貧困は目にわかりますが、日本は見えない貧困なので難しいなと思います。
ほかには学生時代に取り組んできたことで、特にがんばったことはなんですか?
塾でのアルバイトです。担当していた中学3年生の生徒の成績が、目指している志望校から偏差値が10くらい低い成績だったのでこのままではまずいと思い、指導内容を工夫しました。生徒の模試の結果や普段の勉強の仕方を見て、計算ミスの多さや問題をきちんと理解することを直そうと、簡単な計算問題を作りました。丸付けをするときに、「どうやって解いたの?」と毎回聞くようにして、理解できていないポイントを見つけるようにしました。あとは、励ましの言葉をかけたり、生徒の話を聞く時間をとるようにしました。その結果、無事志望校に合格することができました。子どもの成長を実感したことで子どもと接することが楽しくなり、人の可能性を信じられるようになりました。塾でアルバイトをするなかで、「もっとこういう教材があったらいいのに」「保護者ともっとやり取りできたらな」と思うことがあったので、教育面で根本的に支援ができる企業を選ぶことにもつながったと思っています。
未来はきっと明るい!会話を通じて見つけた自分の価値観
就活を通じて変化した価値観はありますか?
就活中は社会人になるのがすごく嫌でずっと学生でいたいと思っていたのですが、いろいろな社会人の方と出会ってから、「こんな社会人かっこいいな」「社会人になるのも楽しそうだな」とプラスに捉えられるようになり、自分のキャリアの可能性を考えられるようになりました。
以前は新卒で入った企業にずっといなければならないと思っていましたが、転職した人に話を聞いて、1つの企業に縛られる必要はないと思うようになりました。
就活やキャリアに対してポジティブに考えられるようになったのですね。社会人の方とはどのように出会ったのですか?
主にWantedlyというアプリを通じて、自分が興味のある教育分野で働いている人に話を聞きました。なぜその企業で働いているのかについて聞く機会があったのですが、その方は家族を大切にしながら仕事を通じて自分が成長するためという理由でした。私は子育て支援するためにその企業に行きたいと思っていたので、価値観が違うなと思ったんです。
人と会話をするなかで自分の価値観が見えてきたということでしょうか?
まさにそうです!自分だけで考えてもわからないので、価値観が合う人とも合わない人とも話をしたほうがいいと思います。価値観が合えば「こういうことを大切にしているな」と分かり、価値観が合わなければ「別の考えを大切にしているのだな」と気がつけるので、合う部分も合わない部分も全てヒントになると思います。価値観が合わなかったときになぜ合わないのかを考えることも大切です。
これだけは譲れないこと、企業選びの軸について教えてください。
世界情勢に負けずに、子どもの支援を通して社会貢献ができる企業を考えていました。私は、人のためになることが一番大切にしている価値観なのだと改めて思いました。あとは、家族のためはもちろん、もっと目に見えない先の子どもたちのためにもがんばりたいのだなということに気が付きました。
第一志望に落ちてもめげない。就活が成長の糧に
コロナ禍になって最初の就活だったと思いますが、どうでしたか?
よかったことも悪かったこともありました。コロナ禍で気軽に友達や先生と話せず不安になりやすかったので、自分自身を励ますようにしていました。自分から努力していかないと開けない環境だったので、「zoomしよう」と声をかけて友達と話すようにしました。
あとは、留学できなかったもやもやがすごく大きかったです。でも、コロナによって就活が不利になったとはあまり思っていません。むしろオンラインで交通費や移動時間がかからない分、いろいろな企業が見られたのでコロナ禍の就活でよかったと思っています。
就活を通して成長したと思うところはありますか?
選考が通らなかったくらいでは何とも思わなくなりました。1番行きたかった企業に初めの段階で落とされてしまって、かなりショックでした。最終面接前で1度も落ちたことがなかったので、正直いけると思っていたんです。
落ち込んでいたときに、大学の教授に「就活はお見合いだからどんどんいくしかないよ」と言われ、自分が劣っていると考えなくていいのだと思えました。すぐに切り替えて次の日には前を向いていたので、落とされてもめげない力は養われたかなと思います。
就活をしていて人と比べて落ち込んだことはありますか?
友達と比較せずに先輩を見るようにしていました。同級生はみんなわからないまま就職活動を行っていたので、比べる対象にはできないなと思っていました。早くに内定をもらっていた先輩をお手本にして、いつの時期に何をしていたかを聞いて進めるようにしていました。
この先の将来の夢について教えてください。
自分自身の力で子どもと女性の支援をできるようになりたいです。
会社の中でもいいし事業を立ち上げてみてもいいし、最終的には本当の意味で支援ができる力をつけたいなと思います。
最後に就活生に対してメッセージをお願いします。
就活中は辛い思いをして自己卑下してしまうこともあると思いますが、自分自身に誇りを持ってがんばってほしいなと思います。みんな一人一人に使命があって、その人を求めている人が絶対どこかにいると思うので、未来は明るいということを伝えたいです。
取材を終えて
子どもと女性の支援をしたいと話していたKossyさん。自分と同じ価値観を持つ人だけでなく、さまざまな価値観を持つ人と会話することが大事なのだと改めて気づきました。自分の興味に向かって挑戦し続けるKossy さんの行動力と、明るく前向きな言葉にとても勇気づけられました。Kossyさんの夢をこれからも応援しています。貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!