就活レポでは、就活を終えた先輩たちに「なぜその仕事や会社を選んだのか(会社選びの軸)」「学生時代にどんなことをがんばってきたのか」「就活でどんなことに苦労したのか」「女子就活の取り組みかた」などをインタビュー。単なる就活テクニックではなく、仕事選びのヒントをお伝えします。就活のスケジュールも掲載!
Hanamiさんの就活スケジュール(2021年3月卒業)
2020年5月 |
授業でサイエンスコミュニケーターの方のお話を聴き、記者の仕事に興味を持ち始める。会社説明会に参加。 |
2020年7月 |
研究室から帰ってきたらインターンのエントリーシートを書く日々。 |
2019年8月 |
さまざまな企業のインターンに参加。9月の学会の準備と同時進行だったため、一番忙しかった。 |
2019年10月〜12月 |
本選考のエントリーシートを書き始める。選考内にある作文の対策との、両立が大変だった。インターンを受けた企業から早期選考に進み、内定をもらう。 |
2020年6月 |
本選考の企業の面接を受ける。第一志望の企業から内定をもらい、就職活動終了。 |
伝える勉強をしたいという思いから始めた就活
就活を始めたきっかけを教えてください。
大学の授業で、サイエンスコミュニケーターの方の話を聞いて、記者に興味を持ったことがきっかけです。5月くらいに新聞社の説明会があって、そこに参加しました。その時期から少し就活について意識し始めました。
初めはどのような観点で企業を見ていましたか?
就活という観点よりは「書いた文章を見てもらいたい」「プレゼンで上手く人に伝えられるようになりたい」と思ってメディア系に絞って見ていました。きっかけは、研究室のゼミなどでプレゼンテーションすることが上手くないな、と感じていたからです。せっかくの機会だから就活生という立場を利用して、社会人の方に「相手に伝わる伝え方」を教えてもらおうと思っていました。そのせいで、最初からメディア系に絞りすぎて見てしまったな、とも思います。
本選考はどのくらいエントリーしましたか?
エントリーは5社 、面接した数も5社、内定が4社でした。1社は辞退しました。
それを聞くと、かなり就活がうまくいってるように感じます。
就活がうまく行った理由は、大学時代に所属していた部活動のミーティングで部員と議論する場がたくさんあって、「話すこと」に慣れていたことが大きいと思います。面接のために練習する、といったような特別な準備はあまりしていませんでした。人事の方がどんな質問をしてくるかは分からないし、質問を予想して練習しても外れたら時間がもったいないと感じていたんです。落ちたら落ちたでしょうがないな、と割り切ろうと思っていました。
業界にこだわらず、ときめきを大事に!
会社選びの軸を教えてください。
初めはメディア系だけ見ていましたが、そのあとはできるだけ満遍なく見ることを意識していました。就活の軸を聞かれた時は、好奇心旺盛でさまざまな業界の企業を幅広くみていることを素直に伝えました。自分を一言で表してください、といった欄があったら、浮気性って書いてました(笑)インターンを受けている中でときめいた会社があれば、その感覚を大事にしようと思っていました。
ときめいた企業はどこでしたか?
結局、メディア系でしたね。就活を進めていく中で、社会をもっとよくしようという思いを持つ同世代の子に感化されて、私も社会貢献をしたいなと思い始めました。そのときにキャリアとして、貧富の差をなくすために大きなお金を動かす能力を身につけるか、メディアで発信するか、制度を動かす公務員になるかの3つで迷っていたんです。その迷いを正直に話したときに真摯に相談に乗ってくれたのが、メディア系の企業でした。
内定先の企業に入社を決めた理由を教えてください。
内定先の人と、話しやすいと思ったからです。最終的に2つの企業で迷ったのですが、入社しても今の自分のままでいられそうな今の会社を選びました。私のキャリアプランの相談にも一番熱く、真摯に向き合ってくれた、というのも大きかったです。
理系からメディア系企業を志望するってめずらしいですよね。志望動機はどのように話していましたか?
私は小さい頃から水族館や科学館が大好きでした。だから科学ってもっとワクワクするものだと思っていたんです。でも、出生前診断とかデザイナーベイビーとか、自分が大学で学んだ技術が社会問題になっていて。科学っていうものが正しく理解されていなくて、言葉が一人歩きしている状態になっているのかなと思いました。できることが増えているはずなのに、世間の理解のスピードが追いついてなくてもどかしい状況になっている、だから私は科学を伝える仕事をしたいです、と話していました。。確かに理系からメディア系にいく人は少数派だと思うので、エピソードとして面接官の印象にも残りやすかったのかな、と思います。
就活だけの生活にならないように
就活と研究室の両立はどうしていましたか?
私はできるだけ研究室に行くように心がけていました。午前中研究室に行って、午後からインターン、みたいな予定をたてて継続して研究を行っていました。教授ともしっかりコミュニケーションを取ることで、良好な関係を保つことができたと思います。ただ学会前の時期は、ちょうどインターンが本格化する時期と被っていたので大変でした。
もっと就活でこうしておけばよかったなということはありますか?
いまのところ後悔はないですが、もっといろんな人と話しておけばよかったなと思います。就活生は働いている人から会社の事情を聞ける特別な立場です。キリがないと思いますが、いろんな人と話してみるのがよいでしょう。あとは、同世代の就活している子と、もっとコミュニケーションをとればよかったなと思います。インターン先で出会った子は、就活で悩んでいる子もいましたし、自分と同じような考えを持っている子もいました。そういう子たちが最終的にどんな企業を選んだのか、みたいな話をできればもっと視野が広がったのかな、とも思います。
これからの夢を教えてください。
入社当時は自然や環境問題に関する番組を作りたいな、と思って今の会社に入りました。ただ、他にも社会問題に焦点を当てた番組も取り扱っていたりしてそこにも興味があって。そう考えると、今は少しでも人の生活を豊かにすることに貢献できたらいいな、というのが将来の夢です。ただ、10年後は自分でも何をしているかわからないので、今の仕事をとりあえず頑張ります!会社のいいところをどんどん吸収していきたいです。
最後に就活生に一言アドバイスをお願いします!
プラス思考になれるような環境があることが大事だと思います。私は研究室に行くようにしていたので、就活以外にも打ち込める場所がありました。就活を考えない時間がある、というのは大きかった気がします。説明会、インターン、面接ももちろんやりましたが、がっつり就活だけという期間は作りませんでした。あんまり気負うこともなく、人とコミュニケーション取って普通の生活をすることが大事ですよ。
取材を終えて
就職活動自体を目的とせず、自分が興味を持ったことをきっかけに行動しているのが素敵だなと思いました。お話を聞いている中で、面接でも自分のことを素直に話すことが大事なことかもしれない、と思いました。私も最近就職活動を始めましたが、視野を広く持って、さまざまなことを両立していきたいと思いました。貴重なお話、ありがとうございました!
取材:與賀田 侑里