就活レポでは、就活を終えた先輩たちに「なぜその仕事や会社を選んだのか(会社選びの軸)」「学生時代にどんなことをがんばってきたのか」「就活でどんなことに苦労したのか」「女子就活の取り組みかた」などをインタビュー。単なる就活テクニックではなく、仕事選びのヒントをお伝えします。就活のスケジュールも掲載!
Hanaさんの就活スケジュール(2021年3月卒業)
2019年夏前 | インターンに応募。企業説明会やキャリアサポートの先輩に話を聞きに行き始める。 |
2019年秋頃 |
大学のキャリアセンターへ相談。エントリーシートの書き方などを教わる。この頃から本格的に就職活動を始める。 |
2020年5月 |
大学のキャリアセンターや就活エージェントを活用し、面接練習に本腰を入れる。 |
2020年6月 |
最初に志望していた出版社の選考が全て終了。自己分析の重要性に気がつき、そこから力を入れて取り組み始める。 |
2020年7月 |
自己分析を通して通信インフラ業界と出会う。 |
2020年8月 |
通信インフラ業界から内定をもらい、就活終了。 |
自己分析を通して見つけた、思わぬ業界との出会い
就職活動ではじめに取り組んだことについて教えてください。
周りが就職活動を始め、焦る気持ちからインターンに応募していました。
あまり準備をせずに応募していたので、ESが通らず面接に進んでも選考で落とされてしまい、そこから就活のやり方を教わるため大学のキャリアセンターに話を聞きに行きました。
キャリアセンターでは自己分析なども学んだのでしょうか。どのように考えていきましたか?
相手にわかりやすく伝えるという点が一番悩みました。どうすれば相手に伝わりやすいかなと考えた時に、人に言語化を手伝ってもらうということが私の中では特に効果的だったなと思っています。
友人や家族、キャリアセンターの人と会話をするなかで自分の興味や強みを相手が要約してくれて、「それってこういうこと?」「じゃあもしかしたらあなたの強みはこういうことかもね!」というふうに言語化してくれました。その言葉をちょっとずつ使わせてもらい、自分が思っている以上に人に伝わりやすい言葉に変換することができたんじゃないかなと思います。
内定先である通信インフラ業界に出会ったきっかけは何ですか?
自己分析を進めていくうちに、2つの企業選びの軸ができてきました。1つは、社会課題の解決に携われるということ。もう1つは、幅広くいろんな挑戦ができる環境で働きたいということです。通信インフラ業界が扱っている情報通信技術が、今の世の中でいろんな課題を解決するのに必要不可欠な技術であると思いました。ほかには、いろんなことに興味関心があったのでさまざまなことに挑戦できる環境ということがすごく魅力的だなと思い、この業界を考え始めました。
内定先の企業は、国内の格差問題に力を入れて取り組んでいたり、発展途上国での事業に力を入れていて、インクルージョンやダイバーシティといった性別・年齢・人種などそういったものに問わず、みんなが働きやすい環境づくりに力を入れている企業でした。そこで、自分が興味のある社会問題に理解ある企業なのではないかと思い選びました。
海外の個人顧客向けに携帯・サービスの販売や営業をするとお聞きしましたが、なぜ国内ではなく海外の顧客向けなのですか?
1年間アメリカに留学していた経験を生かして、海外で働きたいなという思いがありました。ほかにはミャンマーとモンゴルで通信インフラを整えることに力を入れている企業であり、発展途上国で通信情報技術を発展させることが社会課題の解決にもつながることだなと思い、自分もそこに携わりたいなと考えました。
留学で触れた多様な価値観を通して、自分の強みを見つけ出した
何がきっかけで社会課題を解決することに携わりたいと考えたのですか?
そうですね、1番大きかったのは留学の経験です。留学でいろんな国の学生と話し生活していくなかで、世の中の問題に当事者意識を持つようになりました。
特にジェンダー問題に興味を持っていて、授業でLGBTQのことを扱ったり、実際に当事者の方もたくさんいたので、日本で過ごす頃よりもそういうことに触れることも多かったです。あとは、自分自身もアジア人として初めてマイノリティという立場で生活したので、よりこの問題に興味を持つようになりました。
学生時代に頑張ったことは留学ということですが、特に力を入れたことはなんですか?
留学先の学校新聞で国際問題について記事を書いたり、いろんな国の大学から集まった学生と一緒に社会課題の解決策を考えるプログラムに参加したりして、問題意識を持ったことに対して行動を起こす力や、いろんな価値観を持つ人と共同する力を身につけることができたかなと思います。
問題解決をしていこうというのはHanaさんの中での今の強みでしょうか?
そうだと思います。実行力やいろんな価値観の人と働くということは、自分の強みとして活かせたと思います。就活後にはじめたハナラボのイベント企画では、女性の社会進出やリーダーシップ育成などに対して問題意識を持ちました。女子学生のみなさんにいろんな将来の選択肢を与え、主体性を育てる機会を提供したいという思いで活動しています。
また、チームで物事を進めていく中で、さまざまな考えや価値観を持った人と協力した経験が強みとなって、チームでの活動にも生かせているんじゃないかなと思います。
自分にとって納得のいく進路を。視野を広く持つことが大きな鍵に
就活中の心の支えになったことはどんなことですか?
友達や家族の存在が大きかったです。私はサークルにも所属していなかったので相談できる人が周りにいなくてなかなか就活もうまくいかず、すごく落ち込みました。そんな時に心配して声をかけてくれた友達がいて、その子と話している中で、「悩んでいるのは自分だけじゃないんだな」ということを知れました。ほかには、その友達も就職活動をきっぱりと辞めて新しいことを始めていて、「就職活動や企業に勤めることだけが人生の全てじゃないんだな」と感じてから、すごく気が楽になりました。
就活を通して自分の中での価値観はどのように変化しましたか?
最初はマスコミ系の業界に興味があって、出版社に勤めることが自分のやりたいことだという思いで就活をやっていました。しかし、なぜ出版社じゃなきゃいけないのかと聞かれたときに、出版社でなくても自分のやりたいことや興味あることはできるのではないかなと思うようになりました。
最終的に、全く興味がなかった通信インフラ業界に就職することになり、自分の興味があることへの関わり方はたくさんあるんだなと思いました。今までの自分の経験や知識、やりたいと思っていることはすごく狭い世界なんだなと感じ、自分の考えにあまり固執しすぎない方がいいなと学びました。
この先の将来の夢、展望について教えてください。
世界を舞台に働きたいなということは、ずっと自分の中にある目標です。ほかには、世の中の仕組みや体制を変えられるような影響を与えられる人になりたいと思っています。
就活生に対してメッセージをお願いします。
就活して企業に勤めることだけが選択肢ではないと思うので、時間がかかってもよいと思います。人と比べて焦ったりしないで自分のペースで自分が納得できる進路を見つけてほしいです。あとは、困ったときは1人で抱え込まずに周りの人に助けを求めてほしいと思います。
取材を終えて
留学の経験を生かして社会課題の解決に携わりたいとお話ししていたHanaさん。最初から自分の道を決めつけるのではなく幅広い視野を持つことで、新たな自分の可能性が見つかるのだということを感じました。周りと比較して悩むこともあったそうですが、最後まで自分軸を大切にして就職活動をやりきったHanaさんのお顔は、とても清々しく魅力的でした。世界を舞台に働くという夢を応援しています。貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
取材:近藤万由子