就活レポでは、就活を終えた先輩たちに「なぜその仕事や会社を選んだのか(会社選びの軸)」「学生時代にどんなことをがんばってきたのか」「就活でどんなことに苦労したのか」「女子就活の取り組みかた」などをインタビュー。単なる就活テクニックではなく、仕事選びのヒントをお伝えします。就活のスケジュールも掲載!
Shioriさんの就活スケジュール(2021年3月卒業)
2019年3月 |
就活開始。CAを目指すためのスクールに1ヶ月ほど通う。 |
5月 |
合同説明会に複数参加して民間企業について知識をつける。並行して大学の就活ガイダンスにも欠かさず参加。 |
6月 |
夏のインターンシップに参加するべくエントリーシートの作成開始。 |
7月 |
エントリーシートが通ったインターンシップの面接を受ける。 |
8月〜9月 |
短期インターンシップに複数参加。 |
10月〜11月 |
冬のインターンシップに向けてSPIの勉強を行い、エントリーシートの練り直しを行う。OB・OG訪問を開始。業界説明会にも参加して企業の知識をつける。場数を増やすため本選考の面接を複数受けて対策。 |
12月〜 2020年1月 |
冬のインターンシップに参加。企業の本選考の面接を受ける。 |
2月 |
インターン優遇で2社から内定をいただく。 |
3月〜5月 |
引き続き企業の本選考の面接を受ける。 |
6月 |
就職先を確定し、就活終了。 |
まわりよりも早いスタートダッシュが鍵!
就職活動はいつから始めたのですか?
大学3年生の春頃から開始しました。まわりの大学の友達より早く始めましたが、1年前から就職活動の準備を進めることで、周りが就活を意識し始める3年生の秋頃には焦ることなく就活を進められました。とはいっても、自分と同じ頃に就活を始める意識が高い人はたくさんいましたけどね(笑)
初めは何から就職活動を始めたのですか?
日本の航空会社が第一志望だったのですが、他の民間企業についてあまり知らなかったのでまずは合同説明会に参加しました。合同説明会では積極的に質問をしたり情報収集をしたりしました。
航空会社が第一志望だったのですね。もともと興味があったのですか?
はい、日本の航空会社でグランドスタッフとして活躍することが夢でした。最初はそれしか眼中になかったのですが、いろいろな企業を調べたり自分のやりたいことを考えたりするうちに、自分のやりたいことは「飛行機に乗っているお客様を幸せにすることだけではない」ということに気づきました。日本に来た外国の観光客の方にまた日本に来たいなと思ってもらったり、日本の魅力を伝えたりするのも魅力的だな、と思い、他の企業の総合職も受けました。
何社エントリーされたのですか?
14社エントリーをしました。エントリーシートは一つも落ちませんでしたが、コロナの影響で取りやめになってしまった面接などもあり、最終的には7社から内定をいただきました。
業界は問わず、日本の良さを世界に広げられる会社を軸に!
会社選びの軸を教えてください。
「日本の良さを世界に広げられる会社」というのが私の会社選びの軸でした。大学時代に2回の短期留学に行ったことがきっかけで日本の良さを改めて感じ、それを世界に伝えたいという思いが強く芽生えました。そのため日系で、グローバルに事業を展開している大手企業に焦点を絞り就活を行いました。見ていた業界の幅は広かったですね。
なるほど。インターンシップ先も同じような軸で選んでいたのですか?
そうですね、日本の良さを世界に発信したいという軸は就活を通して変わらなかったので、それに沿ってインターンの会社を選んでいました。人気企業に行ってみたいというのも本音ではありましたけど(笑)
インターンシップは実際やってみてどうでしたか?
私は主に短期インターンシップしか受けませんでしたが、正直とても大変でした。ある会社のインターンシップでは、初めて会うチームメンバーと3日間という短い間で与えられた課題に取り組みました。3日間寝ないでチームメンバーでプランを練り、プレゼンを成功させたのはいい経験になりましたね。
インターンシップから内定につながることはありましたか?
正直、チャンスはたくさんあると思います。私はさまざまな企業のインターンに行ったことで内定も複数いただきました。インターンに参加した人のみが一次面接や二次面接をスキップできる権利を手にできたり、インターンでの成績が優秀だと最終面接のみ受けてで内定をいただけたりするようです。私の内定先もインターンがきっかけで内定に繋がったので、インターンに行っておいて損はないと思います。
最終的にはどのようにして就職先を決めたのですか?
日本の良さを世界に伝えたいと考えていたので、一番グローバルに事業を展開している今の会社を選びました。日本を背負って働けるというのは自分にとってかなり大きかったです。もう一つは、女性でも働きやすい会社だったことです。私は総合職ですが、仮に結婚をして転勤が多い総合職で働くことが難しくなっても、転勤がないエリア職に変えることができ、長く働くことできます。その点は非常に魅力的だと思いました。あとは、やはりそこで働いている「人」の良さですね。自分もそこで一緒に働く姿をイメージできることは非常に重要でした。
十分な準備をしていたから、コロナの逆境も乗り越えられた
就職活動で悩んだことはありますか?
1年間悩みっぱなしで、泣いてばっかりでしたね…。夏の航空のインターンでは、説明会に全部参加して何度もエントリーシートを添削したのにあっさり書類で落とされて辛かったです。また、周りがどんどんと内定を決めていくこともかなり辛かったですね。私と比べて就活の開始時期が遅かった友人が10月頃にあっさり内定を決めていたので、正直ショックでした。まわりよりも早い時期から頑張っていたからこそ結果に対する焦りがあったので、他の人と比べてしまいがちでした。
精神的にかなりきつそうですね…。コロナの影響で航空系の企業が採用中断になってしまったこともかなり大きなショックだったのではないですか?
コロナの影響で航空会社の客数も減少しているのは知っていましたし、客観的な資料を読んでも航空業界は相当落ち込んでいたので、採用が中断になることは薄々気づいてはいました。第一志望だった航空会社はぎりぎりまで採用を続けるという方針でしたが、察していた部分はありますね。だからこそ早めの段階から他の企業の選考にも力を入れていました。もし航空業界がダメだった場合どうすれば良いかというのを考え、方向転換がすぐにできるように準備をしていました。
聞けば聞くほど大変そうですね…。
そうですね、実際非常に大変でした。だからこそ前もって取り組むのがベストだと思います。どんな状況でも対応できるように前もって準備を重ねるのが大切です。不安なことももちろん多かったけれど、新しい企業を知るのは楽しいことも多かったです。長期間準備をするのは大変ですが、楽しんでやるとさらに良いと思います。
これからの目標はありますか?
私のこれからの目標は、日本の良さを世界に発信することです。アイルランドへ短期留学に行って感じたのは、思っているよりも日本について認知している人が少ないということです。もっと日本に対して愛国心を持ち、世界に日本のことをアピールしたいという思いがあります。就職先の会社では海外で働くトレーニー制度があるので、それに応募して日本の良さを広めていきたいです。また、将来結婚してもキャリアとプライベートをうまく両立していきたいと思います。
最後に就活生へのメッセージをお願いします!
「部活動をやっていたら有利」とか「長期インターンシップやっていたら有利」などさまざま情報が飛び交っていますが、結局はその人次第だと思います。確かにそれらはアピールにはなりますが、私のように目立った活動をしてこなかったとしても、前もって準備して諦めずにたくさん行動すれば大丈夫です。夢に向かって頑張ればわくわくすると思うので、頑張ってください。
インタビューを終えて
就職活動に不安を抱えながらも、周りが就活を始める1年前からコツコツと準備を重ねてたくさんの内定を獲得したShioriさん。特別な活動はしていなかったと言いながらも、彼女の人柄の良さと誰にも負けない努力の量が、さまざまな企業の方の心を掴み取ったのだと感じました。思いがけない状況にもうまく対応するには、やはり準備が大切なのだということに気づかされました。
取材:東紗楽