就活レポでは、就活を終えた先輩たちに「なぜその仕事や会社を選んだのか(会社選びの軸)」「学生時代にどんなことをがんばってきたのか」「就活でどんなことに苦労したのか」「女子就活の取り組みかた」などをインタビュー。単なる就活テクニックではなく、仕事選びのヒントをお伝えします。就活のスケジュールも掲載!
Manaさんの就活スケジュール(2021年3月卒業)
2019年6月 |
就活をスタートさせる。 |
7月 |
サマーインターンに参加する。一業界に一つのインターンや説明会に行くと決めて情報収集をする。 |
10月 |
秋冬のインターンに参加する。 |
2020年3月 |
30社にエントリーシートを提出する。 |
4月 |
モヤモヤ期に入りましたが、ここで止まっていたら終われないと思って、気持ちを切り替えるように努めました。 |
6月 |
IT企業の内々定を獲得し、就活を終わらせる。 |
高校生から憧れた商品開発!学生プロジェクトにトライして学んだこと
内定した職種は営業職ということですが、元々営業を志望していたのですか?
就活をスタートする前は、営業よりも商品開発に携わりたい思いをずっと持っており、メーカーへの就職を考えていました。就活開始後は、一業界に一つのインターンや説明会に行くと決めて情報収集を行いました。その中でメーカーで商品開発をやるためには「まず現場を知らなきゃいけない」という考えに至り、最初は営業職から始めてみようと腹を括る形で、営業職への就職も考え始めました。
いつから商品開発に携わりたいと考えていたのですか?
中学3年生の頃、学校で配られた職業ブックを見ていたら、商品開発担当者のページに行きついたことがきっかけでした。自分の手掛けた商品が店頭に並び、お客様が買ってくれることに喜びを感じるというエピソードを読みました。それから、私も「お客様の役に立ちたい!」と強く感じて、大学では商品開発に繋がる勉強ができる経済学部を志望しました。
商品開発への思いは就活までずっと変わらなかったのですか?
大学に入学してからは、商品開発に携わったことがないのにも関わらず、商品開発に憧れを抱き続けていることに徐々にギャップを覚えるようになりました。そして2年生の終わりから商品開発の学生プロジェクトにトライしました。
学生でも商品開発に携われる機会があるのですね!商品開発の学生プロジェクトを通して学んだことを教えてください。
大きく分けて2つあります。
1つ目は、お客様の立場に立って考え続けることが成果物になり、最終的な商品やサービスの質に直結するということです。
2点目は、逆算的思考力です。忙しいプロジェクトの中で、期限までにやらないといけないことがたくさんあり、自分たちが今何をしなければいけないのかを考え続ける必要がありました。その結果、物事を細分化して考え続ける癖がつきました。逆算的思考力は、就活解禁から逆算をして、夏や秋のインターンにチャレンジし続けるために役立ったと考えています。
今も商品開発に関わりたいという思いはありますか?
就活活動を本格的に始めたときに、どうして商品開発に携わりたいのかを噛み砕いて考えました。自分の気持ちに向き合った結果、「食品や化粧品メーカーで、この商材を開発したい」といったいわゆる商品開発へのこだわりが強かったのではないことに気が付きました。私は商品や商材にこだわっているのではなくて、お客様と一緒に商品を作り上げる過程で、企業とお客様の繋がりを強める一連の流れに魅力を感じていたと気が付きました。IT業界もものづくりの一環なので、まずは営業職として頑張りたいと思います。
私が長くイキイキと働き続けるためには?自分と向き合って見つけた条件
内定先の会社に決めた決め手を教えてください。
最終的に3社から内定をいただいて、そのうち2社がIT業界でした。2社で悩んだ時に決め手となった点は2つあります。
1つ目は女性社員の割合です。IT業界は今も男性が多い業界なので、私は中高大と女子校だったこともあって女性が多い方が良いなと思いました。女性の働き方は企業ホームページのインタビューを参考にしました。それに伴って、女性管理職の割合も確認しました。働き続けている女性がいると良いロールモデルになりますし、女性が働く社会を少しでも体現している会社に行きたいという気持ちがありました。
2つ目は教育体制です。私自身、先輩の背中から学んで技術を盗んでいくことはあまり得意ではないので、研修体制が整っている会社の方が自分に合っていると考えました。
現時点で思い描いている今後のキャリアを教えてください。
結婚や出産などのライフイベントを経験してからも一社で長く働き続けたい思いが一番強いです。また、社外からも社内からも信頼される人になりたいと思っています。IT業界の会社はいろんな業種の会社と関わるタイミングがたくさんあるので、信頼されることは大切だと思います。そのためには、ITの知識や情報についてアンテナを高く持つことと、目の前のお客様だけではなくて、企業様が抱えている最終的なお客様のことも考えて仕事ができる人になりたいと考えています。
コロナ時代の就活だからこそ、淡々と目の前のことをやることが大事!
コロナ禍の就活のメリット・デメリットはなんだと思いますか?
本選考が始まってから12社面接を受けた中で、1社以外の11社は全部オンラインで完結しました。
メリットは、面接でキツいことを言われたり、うまく伝えられなかったとやるせない気持ちが残ったりした時に、画面をオフした瞬間に切り替えられることです。面接が終わってすぐに反省したり、聞かれた内容を全部書き起こしたりできるのはよかったなと考えています。
デメリットは、会社の雰囲気がわからなかったことです。いろんなアプリを利用し、工夫してコミュニケーションを図ろうとしてくださる企業は多かったですが、対面でないと雰囲気や人柄はお互いわからないと思うので、入社後にどうなるかなという不安はあります。控え室で他の学生と会ったりすることも全くなかったので、同期がどういう人なのかなという不安は少しありますね。
コロナ禍の就活でManaさんが意識したことは何ですか?
周囲に惑わされることなく目の前のことを淡々とやることです。
S N Sで就活が終わった雰囲気を出す子や、就活終わったってダイレクトに発言する子もいました。でも、そこでお祝いを伝えなければいけないという義務感が勝ってしまい自分を追い詰めるくらいならば、少し冷たい言い方ですが、自分から積極的に連絡をとる必要もないのではないかと思いました。ZOOMやオンライン飲み会に誘われても、今参加したら気持ちが落ち込むだけだと考えて断ったこともありました。それも就活を淡々とやるコツだと思います。
また就活に限らず、今やっている活動は何のためにやっていて、この活動で何を成し遂げたいのか、どうやりがいを感じたいのかを整理して挑み続けていると、周りと比べて自分を見失わずに目の前のことをやり遂げられるのではないかと考えています。
最後に就活生にメッセージをお願いします。
就活では、数字で結果が出る受験とは違い、自分自身を否定されるみたいな苦しさがあって、周りの人と比べてしまう不安定な時期もありました。でも就活を振り返ってみると、不安定になるよりも目の前のことに対して何をやっていくかという点に切り替えることや、周りの人たちに惑わされることなく自分の気持ちに向き合いながら、「自分の」就活を進めていくことが大事だったなと思います。そういう風に切り替えたことで、結果として5月上旬から3社内定いただけたことに繋がっていると思うので、周りの人と比べずに頑張ってほしいなと思います。
インタビューを終えて
取材をしていて、一業界につき一つのインターンや説明会に参加したという部分がとても印象に残りました。先入観やイメージで受ける業界や会社を狭めてしまうのはもったいないことだと思いますし、自分が就活をする時はManaさんのように一つ一つの業界をすることから始めたいと思いました。
また、私は周囲と自分を比べては落ち込んでしまうことが多いので、自分の活動について目的や達成したいことを整理して挑み続けるというManaさんの言葉に感銘を受けました。
取材:西村純