就活レポでは、「なぜその仕事や会社を選んだのか(会社選びの軸)」「学生時代にどんなことをがんばってきたのか」「就活でどんなことに苦労したのか」「女子就活の取り組みかた」などをインタビュー。足元では、新型コロナウイルスの影響で就職活動の在り方に大きな変化が出ています。今回の就活レポは、そんなコロナ禍での就職活動を続けている4年生にインタビューをさせていただきました。
Yurikaさんの就活スケジュール(2021年3月卒業)
2019年9月 |
バイト先の先輩に就活に関する相談をしつつ、本格的に就職活動をスタート。 |
2月 |
元々目指したいと思っていた航空関係の企業のインターンシップに参加。 |
2020年6月 |
アパレル企業へ内定。 |
7月 |
元々目指したいと思っていた航空関係の企業が新型コロナウイルスにより正式に採用中止を決定。 |
目指していた航空業界が新型コロナウイルスの打撃を受ける
本格的に就職活動を始めたタイミングで緊急事態宣言が出たと思いますが、就活を進めていく中で苦労したことはありますか?
苦労したことは、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言等の影響によって、とにかく途中で選考がストップしてしまうことです。就職活動を進めたくても進めることができないというもどかしさはすごくありました。就活が進まなくてとても不安だし、第一志望である航空業界が採用を中止してしまった段階で、このまま採用が再開されるのか、それとも中止されるのかすごくもやもやしました。その気持ちの状態が続いたことで、他の企業の採用活動が進んでいったとしても、どうしても一歩前に進めないということがありました。
中途半端な状況で、もどかしさを感じますよね。環境が変わる中、どのような気持ちの変化がありましたか?
とにかく、新型コロナウイルスの影響で選考が進まなかったりと、自分の意志とは関係なく、先に進めないことで、ゴールの見えない暗闇の中を進んでいるような感じが、すごくもやもやしました。その後7月になって、志望していた航空業界の企業が採用を中断・中止するというニュースが出たので、やっと次に進めるなと思いました。
中止になってしまったんですね…。すごく悔しいところかと思います。前例がないから、先輩などにも相談ができないですよね。
そうですね。前例がないのでなかなか先輩などに相談することも難しいですし、面接などもオンラインで実施されるので、同じ業界を目指している他の就活生などとも情報交換ができません。そのため、自分が他の就活生と比べて遅れているのかなど、どこまで進んでいたのかわからなかったです。
色々と不安があったり、今も就職活動中であるとは思いますが、どのように気持ちを切り替えましたか?
志望していた航空業界の企業が採用中止を決定してから、もやもやしていた気持ちを切り替えて、航空業界に限らず、応募する業界を広げていきました。そんな最中、アパレル企業から内定をいただきましたが、現在も就職活動を続けています。航空業界を諦めきれないということもありましたし、好きなことをしたいということもあって、大学院に進むことや、既卒の採用を待つことも考えています。将来どうなっているかはわからないですが、やりがいにつながる好きなことをしていきたいです。
新型コロナウイルスの影響を大きく受けた就活スタイルの変化
新型コロナウイルスの流行によって就活スタイルは変わりましたか。
オンライン化がすごく進みました(笑)結局オンラインになると、集団面接を実施している企業もあるようですが、基本的にそれがなくなってしまって、今までの就活スタイルとは全く違うと思います。ポジティブな面だと、基本的に面接官と一対一なので、他の就活生がこう言っている・・・じゃあ私はどうしようみたいな不安はなかったり、他の学生と会わないので、同じ面接の場において学歴を比べられてしまうのでは、などといったことは気にならなかったです。
ネガティブな面だと、3年生の時に参加していたインターンシップがあったとしても、そのディスカッションの中で企業側に何かしらのポジティブな爪痕や印象を残すみたいな、本採用への影響力が今回の新型コロナウイルスで無くなってしまった人がかなり多いと思うんですよ。もう、本採用自体が止まってしまったりして。
企業側の本採用の早期選考が2月、3月くらいにあって、多分3月、4月くらいに内々定が出る人が多いと思うんですけど、その早期選考自体が中止になっているので、ずっと頑張ってきた人はインターンシップを頑張った意味がなかったのではないかと、つらいですよね、やっぱり。
好きな業種はしんどくても貫ける
ここだけは譲れない、就活をする中での軸はありますか。
その仕事に対する『やりがい』っていうのはすごく、軸としてありますね。やっぱり、やりがいが感じられないと仕事へのモチベーションが続かないと思うので、自分の性格を考えてもそれだけはあったほうがいいのではないかと思います。
なるほど。目指されていた航空業界の中で具体的にどこにやりがいを感じましたか。
航空業界は、私の中ではサービス・接客の最高点のところにあって、その追及のレベルの高さにやりがいを見いだせると感じています。対人なので、相手から直接、感謝の言葉であったりクレームであったりというのが返ってくる業界だと思います。感謝の言葉をいただけるとそれはやりがいにつながるし、クレームをいただいたらその次はどうしよう、と改善しながら成長することができるので、その仕事に対してのモチベーションが上がっていくのではないかと考えています。そういった点に、やりがいを見いだせるのではないかと思います。
今はまだ就活中のYurikaさん。今後の意気込みをお願いします。
将来、一年後、自分がどうなっているのか、どこにいるのか、正直に言うと今は、新型コロナウイルスの影響もあって、状況が左右されやすいのであまり想像できないです。それでもとにかく、自分のやりたいことや好きなことに向かって、引き続き頑張っていきたいなと思っています。就活が終わってからでも、学校の授業もオンラインになったり、バイトが無くなったことで、時間にゆとりができて、色々と取り組めると思うので。一方で、やはり航空業界で働くということは私の夢でもあるので、今は採用が中止となって受けることができなくても、既卒採用などもあるので、今後チャンスがあれば諦めずに頑張りたいです。
インタビューを終えて
新型コロナウイルスの影響で、第一志望だった航空業界の採用が中止となってしまい、Yurikaさんの悔しさは計り知れないものだと思います。そのような厳しい状況の中、「仕事に対するやりがい」という就職活動の軸をぶらさずに、他の業界にもあてはめて就職活動を続けられていました。様々な環境の変化があり、来年の私自身の就活はもっと厳しいものになると予想されますが、Yurikaさんのように確固とした軸を持って頑張りたいと思いました。貴重なお話ありがとうございました。
取材:河島彩絵