就活レポでは、就活を終えた先輩たちに「なぜその仕事や会社を選んだのか(会社選びの軸)」「学生時代にどんなことをがんばってきたのか」「就活でどんなことに苦労したのか」「女子就活の取り組みかた」などをインタビュー。単なる就活テクニックではなく、仕事選びのヒントをお伝えします。就活のスケジュールも掲載!
Fuyukoさんの就活スケジュール(2019年3月卒業)
2017年6月 | 就活を始める(就活サイトの登録、サマーインターンの準備) |
8月 | サマーインターン(4社、途上国の開発プロジェクト) |
9月 | 交換留学開始 |
11月 | ボストンキャリアフォーラム |
2018年3月 | 就活解禁でとりあえずエントリー |
6月下旬 | 帰国、日本での就活開始 |
7月末 | 内定先から内定をもらい、就活を終える |
短期戦だった日本での就職活動
留学から帰国された6月下旬に就活を本格化されたそうですね。時間のない中、かなりきつかったのではないですか?
はい、本当にきつかったです(涙)。そもそも、多くの企業が選考を終了しているので、応募枠が少ないという現実がありました。加えて、帰国当初は企業調べや自己分析といった準備が全然足りず、なかなか面接も通らなかったです。
就活が上手くいかない挫折感と、留学帰りの高揚感を誰にも分かってもらえない寂しさで、モヤモヤしていました。家族からのプレッシャーにも耐えられなかったですし、猛暑にも耐えられなかったですし、とにかく心身共にボロボロでした。
留学中には就職活動は行っていなかったのですか?
3年生の11月に留学生向けの就活イベントの「ボストンキャリアフォーラム(ボスキャリ)」に参加をしていました。ごく一部の留学生はそこで内定を貰って就活を終えるのですが、ボスキャリ自体の倍率がかなり高いので、普通に対策をするようなレベルでは内定を貰うのは厳しいものがあります。
私の場合は、留学先での初めての中間テストと重なったということもあり、ボスキャリで内定は取れませんでした。ボストンに到着する前の2週間は、毎日1時間しか寝られないくらい勉強が大変で、LAからの6時間のフライトで久しぶりに寝た、というような状態でしたね。
留学と就職活動の両立は大変なのですね。
そうです。私はボスキャリで痛い目を見たので、3月の日本の就活解禁時には、積極的にESを出したり、WEBテストを受けたり、オンラインでできることはとにかくやって準備をしていました。
ただし、ESが通っても、海外にいるので書類選考通過の電話を取れるはずがないですよね(笑)。
そんな中、7月末には就職予定企業から内定を得たとのことですが、どのようなことを意識して就職活動を行っていたのですか?
6月下旬に帰国してすぐ就活を始めましたが、7月中旬になっても全く上手くいかず、持ち駒(選考中の企業の数)がゼロになってしまったんです。その時に一旦、気持ちも戦略も全てリセットしました。本命も3社だけに絞って、「この3社に全部落ちたら学年を一個下ろそう」と決意し、ブレブレだった就活軸や自己分析もやり直しました。
面接官への魅せ方の工夫や、面接での回答も見直しました。OG訪問もしっかり行い、「本当にここで就活を終わらせるぞ!」という崖っぷちの気持ちで臨みつつ、「今まで頑張ってきたから、絶対に頑張れるはず」と自分を励ましながら再スタートを切りました。
悩んだITか金融。決めては「自分らしさ」
続いては、どのように業界を決めたのか、教えてください。もともとは、IT業界を目指していたそうですね。
はい。3年生の時に行ったサマーインターンで、気鋭のIT企業に行ったことから興味を持ちました。技術を用いて「実際に問題を解決する」という点や、自分が学んできた経済の知識が活かせるのでは、と魅力を感じて、IT企業が良いなと思いました。
自分の知識が活かせることを大切にされていたのですね。会社選びの軸は何だったのでしょうか?
今まで勉強してきたことがいかせる、という軸のほかには、「日本のために働く」ということを大切にしていました。以前は海外で働きたいという思いがあり、途上国の開発プロジェクトにも参加したことがあったんです。
しかし、「途上国のため」に働く私に対して、現地の人たちから、「あなたはこれから『日本のため』にどうするのか」と聞かれたんです。留学先でも、自分が「日本人の代表」であることを背負う経験をするうちに、視点がいつの間にか日本に向くようになりました。
あとは、人に恵まれている環境、努力が報われることを会社選びの軸としていましたね。
留学経験を通して、視点が日本に向いたのですね。
このような軸をもとに、まずはIT業界で当てはまる企業を探していきました。
しかし、気持ちを切り替えて就活を始めた7月下旬のある日に突然、憧れだった金融機関から「明日面接をするので来てください」と電話がかかってきました。正直、その時はESを出したことも忘れていて…(笑)。
実は、就活そのものを始めた3年生の時は金融業界を目指していたんです。けれども、当時志望していた金融機関はかなり狭き門であることを知り、なんとなく諦めてしまっていたんですよね。
すごいですね!
そのときは面接を辞退しようと思っていました。その金融機関は夏採用の2回目の枠なので厳しいと思いましたし、次に控えているIT企業の面接に支障をきたす訳にもいかない。今更、金融に関する質問をされても、準備をしてこなかったので、答えられる自信も無い。面接を受けるか受けないか自体、とても悩みました。けれども、恩師から「結果が出てないのに悩むな」という厳しい助言を受け、とりあえず面接を受けることを決意しました。
最終的に金融機関に決めたポイントは何だったのでしょうか?
憧れていた金融機関から突然の内定を頂いた後、もともと行きたいと思っていたIT企業の最終面接に進むか、金融に進むか、かなり悩みました。
その際に思い出したのは、ゼミの先生の言葉でした。「自分の代わりが沢山いるような会社はダメ」という助言です。それを考えると、IT企業の方は、新卒が500人もいることが難点でした。一方で、内定を頂いた金融機関は、自分の会社選びの軸に当てはまっているし、自分の理想も全て詰まっていました。
そして何より、面接の時に、自分が努力してきた勉強の話を真剣に聞いてもらえて、今までの面接の中で一番自分らしくいられたと感じたんです。「自分はこの瞬間のために今まで耐えてきたんだ」と感じたので、金融機関に就職することに決めました。
最後に就活生へのメッセージをお願いします!
就活に関わらず、自分のことをもっとたくさん知ってみることが大切だと思います。
「私みたいな人は他にもたくさんいる」と思いがちですが、そんなことはないですよ!
あとは、「縁は作るもの、運は授かるもの」という言葉がありますが、出会うべくして人と出会うなかで、自分を知っていき、いろんな人に支えられながら運は巡ってくるものらしいので(笑)、様々な人と出会えるように、自分から積極的に行動してみることが大切だと思います。
取材を終えて
どんな環境でも努力をし続けたFuyukoさん。インタビュー中、ユーモアを交えながら、明るくお話してくださいました。就活中、上手くいかず悩むこともあったとのことですが、最終的に結果を掴み取ったのは、留学といった様々な経験を通して培った、諦めず最後まで努力する力があったからこそだと感じました。