就活レポでは、就活を終えた先輩たちに「なぜその仕事や会社を選んだのか(会社選びの軸)」「学生時代にどんなことをがんばってきたのか」「就活でどんなことに苦労したのか」「女子就活の取り組みかた」などをインタビュー。単なる就活テクニックではなく、仕事選びのヒントをお伝えします。就活のスケジュールも掲載!
Emiさんの就活スケジュール(2018年3月卒業予定)
2015年5月末 |
大学の全員参加の就活講座に参加。 |
6月 |
就職活動をしようと決意。 |
10月 |
サークルの引退講演 |
11月~2016年3月 |
合同企業説明会に参加。「全部リセットしよう!」と思い留学を決意。留学までの間に練習として就活を経験。 |
4月〜10月 |
海外留学。 |
11月 |
日本に帰国し、サークル活動再開。 |
12月 |
サークルを引退、本格的に就活を始める。 |
2017年2月~3月 |
ほぼ毎日企業説明会に参加。内定先にエントリー |
5月末 |
内定をいただく。 |
自分の力を発揮できる場所を見つけたい
就職活動を始めた時期はいつですか?
3年の6月の時に初めて就活を意識し、合同説明会に行ったのは、サークルの引退公演後の11月〜12月あたりです。就活をしよう! と決めたのが3年の6月で、それまで就活をするつもりはありませんでした。
なぜ就活をするつもりがなかったのですか?
私の学科は舞台や映像の制作、身体表現などをしている人が大半で、まわりに就活をしない人が多かったからです。私もオーディションを受けてお仕事をしたり、バックダンサーや小さなライブに参加したりしていたので、就活はしないものだと思っていました。
小学校3年生くらいの時から、声優になりたいと決めていて。10才のとき、2分の1成人式でも「私は声優になる、プロデューサーをさがす」みたいなことを書いたのを覚えています(笑)。 それで両親にお願いして、演技や声優の学校に通っていました。
高校時代もミュージカルの個人レッスンに通ってダンスと声楽を習いました。ずっと芸能関係をやりたいっていう気持ちはありましたね。
表舞台に立ちたいという気持ちから、就活しようと方針を変えたきっかけは何ですか?
バックダンサーなどをしていたときにプロの方々を目にして、自分を客観的に見て、私はこの道では売れないなと気づいたんです。プロの俳優さんは才能もあるのに努力をしていました。チャンスを逃すまいと必死になっている姿、そのすごさを感じたときに、私がどんなに努力しても届かないと思いました。それだったら自分の力を発揮できる場所を他に探そうと思って、就活を意識しました。
「全部リセットしなきゃだめだ!」留学を決意
就活を意識するようになって、はじめにしたことは何ですか?
就活しようと決めたものの、サークルが中心の生活だったので、10月の引退公演が終わるまでは結局なにもしていませんでした。SPIの本を買い、キャリアセンターのカウンセリングを受けただけです(笑)。
あとは9月から半年ぐらいアナウンサースクールに通っていました。
なぜアナウンサースクールに通おうと思ったのですか?
今までやってきたこと(演技やナレーション、声優など)もあって、人に何かを伝えたりするのが好きだったので、アナウンサーは選択肢の一つでした。ニュースを伝えて、ナレーションをして、ある時はインタビューもして、時には、記者のようにも飛び回って伝える…。素敵な仕事だなと思ったし、特にラジオのアナウンサーには惹かれていました。
今までオーディションもたくさん受けていたので就活もなんとかなるだろう!と思っていたところがあったんです。でも、アナウンサースクールで打ちのめされましたね。もうすごい人ばかり!芸能関係でやっていけそうな感じに真面目さもプラスしたような…。
ダンサーや芸能関係ではない普通に就活する人たちのすごさを知ってしまい、自分のやりたいことが分からなくなくなってしまったんです。それがきっかけで、そのあと突発的に留学しました。
留学ですか!?そのときの心境は…
1回全部リセットしなきゃだめだ!と思って。芸能関係も、ダンス関係も、舞台のお仕事や、レッスン、サークル関係、アナウンサースクールとか。海外に逃げました(笑)。
留学したことで、どんな影響がありましたか?
留学先の学校は、一度働いて会社を辞めてきた方が多かったんです。ヨーロッパの人材派遣の社長さんなど、すごい人生を歩んだ人がたくさんいました。
日本と違って転職社会だということもありますが、安定した仕事を辞めて学びにきていることに驚きました。そういう人たちを見て、好きなことして生きていいんだな、と思えるようになりました。
演劇業界を支えたい。自分が一番時間をかけてきたことをし続ける。
日本に帰国してからの就活で、会社を選ぶ軸は何でしたか?
好きではないことも情熱をもってやっていける会社かどうか、です。このためならどんな仕事でもいいと思えるかどうかは見ていたと思います。
最初は業界を選ばないで、ITの会社やシステムエンジニアのインターンに行ったりもしました。でもやっぱり、今まで自分が一番時間をかけてきたことをそのままし続けるのがいいんだろうなと気づいたんです。
例えば、就活では映画業界も見たのですが、私は映画よりも舞台を観てきたので、映画をたくさん観ている人にはかないませんでした。だから、私は演劇やミュージカルなど舞台に取り組んでいる会社を中心に見ていました。
やはり、舞台などのエンタメ業界に惹かれたんですね!それでどのような流れで内定先を決めたんですか?
まず、エントリーする段階で自分の中で企業に順位をつけたんです。基準は、「自分が働きたいと思うか、その会社で働く自分がイメージできるのか」というところを一番に考えました。その時点で今の内定先は上位に入っていたんです。
その後、ESを出したのは20社です。その中には、エンタメ業界に絞ったので舞台以外にもゲームやCG関係の企業にもエントリーしましたね。
でも、先ほど言った自分の中のランキングでは舞台関係の企業が上位だったので、一番初めに舞台関連の企業である今の内定先に内定をいただいて就活を終わろうと思ったんです。
ここでなら納得して働けるなと感じたので。
将来やりたいことは何ですか?
もっと演劇人口を増やしたいですね。舞台やエンターテイメントを見て、がんばろうって思ってくれる人が増えるといいなと思っています。
ESには、働く意義として「人生をかけて日本演劇界を支え、お客様に感動と生きる喜びを届けたい」ということを書きました。舞台を観に行きにくい地方の方も舞台を観られるようにしたいと思うし、もっといい作品ができるよう挑戦したいという気持ちがありますね。
最後に、就活生にメッセージをお願いします!
メッセージかぁ…なんだろう、いいこと言いたいですね(笑)。 箇条書きで言います!
ということで、Emiさんによる《就活に勝つための4か条》です!
- チャンスが来る時に備えて、しっかり準備する
- いろんな人のESを見る
- 幅広く情報を集め、その企業について勉強する
- 「気楽さ」をもつ
1番言いたいのは、4か条目です。エンタメ業界は就活2年目の人もいるので、だめだったらまた来年!という気持ちで、変に緊張せずにやってほしいです。ある意味覚悟でもありますが…。
私は、今年だめだったら来年また挑戦する、と決めていて、そういうところは気楽に考えていました。毎回落ちると思って面接を受けていて、面接を受けるたび、「もう落ちた~~!」って言っていましたね(笑) 。
もうここまでして落ちたらしょうがない、人生なんとかなるって。自分が決めた軸のために、気を負いすぎずに頑張ってほしいです。
Emiさん、ありがとうございました!
取材を終えて
誰もが憧れや理想を持っていて、だからこそ前に進めたり、でも苦しかったり、就職活動は本当にこういった気持ちの最中にあると私は思います。けれども届かない憧れのなかにも、よく目を凝らせば、自分がつながっていられる場所があるのではないでしょうか。えみさんのお話を聞いていて、常に自分と向き合い、どうありたいか意志をもつ強さを感じました。