就活レポでは、就活を終えた先輩たちに「なぜその仕事や会社を選んだのか(会社選びの軸)」「学生時代にどんなことをがんばってきたのか」「就活でどんなことに苦労したのか」「女子就活の取り組みかた」などをインタビュー。
単なる就活テクニックではなく、仕事選びのヒントをお伝えします。就活のスケジュールも掲載!
Chiseさんの就活スケジュール(2016年3月卒)
2015年1月 |
テレビ局のES提出 |
2月 |
テレビ局の面接 |
3月 |
大学や合同説明会 |
4月 |
ES提出(多業種) |
5月 |
説明会やES提出 |
6〜8月 |
数社内定 |
9月 |
就活終了 |
テレビ番組を作りたい!これしか考えられなかった就活初期
就活期間が人より長い、と伺いましたがそれはなぜですか?
狭き門ではあったのですが、テレビ局に就職したくて1月から本格的に就職活動していたからです。
テレビ局の就職活動が終わって燃え尽きてしまったのか、長いこと他の業界選びに迷走していたからかもしれません。
テレビ業界の就活が終わってから、「この業界に入りたい!」という思いが芽生えぬまま就職活動をしていました。なので、銀行、保険、ホテル、旅行代理店、コンサル、広告、食品、消費材メーカー、芸能事務所、英会話スクール、映画会社、法律事務所を受けました。どの業界も1、2社に絞って受けていました。振り返ってみると、全業界受けていたように感じますね。
テレビ局への思いが強かったそうですが、何かやりたいことがあったのですか?
バラエティ番組を制作してみたかったんです。両親がテレビ局で働いていることもあって、自宅ではいつもテレビがついていて、私は小さい頃からテレビっ子でした。
なかでもバラエティ番組が好きで、家にいる時はもちろん、外出している時でも録画して帰ってきてからすぐ観るほどです。自分の知らなかったことが分かったり、色んな人の考え方に触れたり、落ち込んでいても笑顔になれたり。バラエティ番組、ひいてはテレビには多くの魅力があります。この魅力をもっと感じてもらいたい、私が伝えたいと思ったことが、番組制作を仕事にしたかった理由です。
また、忙しそうでも、活き活きとテレビ局で働いている両親の姿にも、影響を受けていると思います。
テレビ局の就職は狭き門なのですか?
他の業界も同じだとは思いますが、テレビ局は本当に狭き門だと思います。応募者が1万人以上で選考が10次くらいまでありました。私は最後の200人くらいまでしか残れませんでした。
選考の途中までのことしか話せませんが、面接やグループワークは独特なものが多かったですね。全く違ったもの同士の共通点をたくさん挙げたり、物語の続きを考えたり、新聞を作ったりしました。グループワークもユニークなものばかりでした。クリエイティブさが求められていて、とても難しかったのですが、面白かったです。
就活の軸。「これがやりたい」から「この環境で働きたい」への変化
テレビ局の就活以後は業界を選ばない、という選択を取っていたようですが、就活の軸は何だったのですか?
テレビ局の就職活動は、他の業界より始まるのも終わるのも早いんです。他の業界が本格的に採用を始めた頃、テレビ局の選考は終わっていて、私はすでに完全燃焼状態。
これはまずいと思って、就活の軸について考え直しました。少し悩みましたが、「都内で働けること」と「人と関わり合いながらみんなで仕事ができること」の2つが私の軸になりました。
実家が東京なので、慣れ親しんだ土地から離れるのは考えられなかったし、人と関わるのが好きなので、それができるかも大事なポイントでした。軸がはっきりすると、業界の縛りはなくなり、この仕事がしたいという気持ちよりも、こんな環境で働きたいという気持ちが大きくなりました。
様々な業界を受けていたと聞きましたが、最終的にどんな仕事を選んだのでしょうか?その決め手を教えてください。
法律事務所の秘書になります。銀行や保険、ホテル、旅行代理店は内定を頂けていたのですが、法律事務所を選びました。
理由は本当にたくさんあります。面接のときに無理して頑張りすぎていない自分がいて、適度にリラックスして自分を最大限に表現できたこと。自己分析で私はサポート役が向いていることが分かったのですが、秘書として弁護士を支えるという仕事が自分に合っていると思ったこと。クライアントが外国人が多いとのことで、英語で文書を作ったり、英語で電話対応したりするようです。英語は好きで力を入れてきたので、それを活かせるのがよかったです。
事務所の方々の中に中学校や高校、大学の先輩が多くいらっしゃったことも大きな理由です。また、女性として長く働けるような環境が整っていました。結婚しても子どもができても、働いていたいと思っているので、育児休暇や時短勤務の制度が整っているのは魅力的でした。
思い返してみると、小学生のときの夢が弁護士でした。夢が叶ったというわけではないけれど、秘書として弁護士を支えるという仕事を選んだのは、子どもの頃の夢が見えないところで影響しているのかなと少し嬉しく思っています。
就活で困ったことや失敗はありますか?
説明会の会場や会社の場所はいつも迷っていました。遅れてしまったことはないですが、ぎりぎりセーフは何度かあります。
あと、家を出なきゃいけない時間の10分前に起きてしまったことも。本当に焦って大急ぎで準備したのを覚えています。
困ったことや失敗ではないのですが、悔しかったことがあります。どの面接でも自分を十分に表現できなかったことです。面接が終わるたびに、こう言えばよかった、あれは言わない方がよかったなど歯がゆい思いをしていました。
これはやっておけばよかった、と思うことはありますか?
TOIECは早いうちから受けておけば良かったです。私は数回しか受けなかったので、就活しながらTOIECのスコアを上げていました。
私が内定した法律事務所もそうですが、TOIECのスコアが何点以上でないとESが出せないという条件が企業によってはあったりします。1年くらい前から受けておくといいと思います。私ももう少し早くから受けていれば、よりスコアが上がったのにと後悔しました。
また、時事問題や最近起こっているニュースを把握しておけばよかったです。面接で聞かれたときに、全然思いつかなくて、とんちんかんなことを語ってしまいました。あとは、学生生活でもっと色んなことをやればよかったと思いました。何かに打ち込んで、これは頑張った、胸を張って語れるものをいくつか作っておくべきです。
OB•OG訪問はしましたか?また説明会は何社くらい見聞きしましたか?
OB•OG訪問はしませんでした。説明会は合同説明会や個別説明会含めて60社くらいは見ました。
業界を絞らなかったので、合同説明会で色々な会社を見られたのがよかったです。
学生生活で頑張ったことは何ですか?
大学の授業でのグループワークです。毎年脱落者が出るようなハードで厳しい授業だったのですが、3ヶ月間毎日、朝から晩までグループワークを行いメンバー全員で完遂しました。
リーダーとして、みんなの予定を把握しスケジュールを決め、議論が行き詰まった時は空気を切り合える努力をしました。また、メンバーの得意分野を考慮して、役割分担をし仕事量のバランスの調製も行いました。
粘り強くみんなで努力したおかげで、先生に「一番素晴らしい出来だった。」と評価されました。勉強面だけでなく、みんなを見るというモニタリング能力や情熱を持ち続ける力を鍛えることができました。
大豊作の就活と私の将来
就活で得たもの何ですか?
たくさんの方に会って話をして世界が広がったことかな。会社に関しても全然知らなかったけど、説明会や面接を通して深く知ることができました。自分の年齢よりはるかに上の社会人の話や考え方に触れることで、自分の将来を描きやすくなりました。
また、自己分析をすると、私ってこんな人間なんだと新たな自分と出会えました。自分を認めて好きなれたからこそ、相手の良さも見えてくるのではないかと思います。
3年後、5年後など、近い将来どうなっていたいですか?
まずは、早く仕事を覚えて一人前になりたいです。一歩先に立って物事を把握して先を見通し、弁護士を支えていきたいです。
また、弁護士や他の秘書やスタッフのみなさんと信頼関係を築き、そのうち弁護士から指名されるような、この人にサポートしてもらいたいと思ってもらえるような秘書になりたいです。
結婚や子育てについてはどう思っていますか?
仕事で一人前になるまでは考えられないです。結婚しても子どもができても働きたいですね。
たくさんの人と関わるのが好きですし、成長志向が強いので働いて視野を広げていきたいと思います。
近い将来については先ほど伺いましたが、もう少し先の将来について教えてください。
いつかは、人事の仕事がしたいと思っています。私の内定先では、秘書やスタッフが人事を担当していることが多いようです。
秘書として周りから信頼され、仕事の経験も豊富になってからなので、何年かかるかは分かりませんが。
とくに、新入社員の採用を担当したいです。自分と同じように緊張して、自分をきちんと表現できない人が多いと思います。長い人生の中で人を見る目を養って、就活生の伝えられなかった思いを汲みとってあげたいです。
最後に、後輩に向けてメッセージをお願いします。
就職活動はたくさんの人と出会うチャンスです。色々な人の考え方や生き方を学べます。また、自分ともちゃんと向き合えます。楽しいですし、得るものが大きいので精一杯、頑張ってください。応援しています。