就活レポでは、就活を終えた先輩たちに「なぜその仕事や会社を選んだのか(会社選びの軸)」「学生時代にどんなことをがんばってきたのか」「就活でどんなことに苦労したのか」などをインタビュー。
単なる就活テクニックではなく、仕事選びのヒントをお伝えします。就活のスケジュールも掲載!
Kanaさんの就活スケジュール(2016年3月卒予定)
2月 |
SPIの勉強を始める。行きたい業界はまだ考えられない。 |
3月 |
学校開催の企業説明会に参加。人気のお菓子、文具メーカーをチェックする。 |
4月 |
メーカーのES締切のラッシュで追い込まれる。 |
5月 |
メーカーの営業職でやっていけるか不安になり、金融への就活を始める。セミナーが多く一番忙しかった時期。 |
6月 |
メーカーの選考が進む中、金融のES締切と筆記テストがあった。 |
7月 |
金融の座談会に参加していた。7月2~3週目に選考がなく、面接解禁8月への漠然とした不安があった。 |
8月 |
8月の頭に生命保険会社から内定をもらう。 |
意外な発見。金融業界のキーワードは人のちから
会社選びはどのように進めましたか?
はじめはどういう会社に行きたいのかわからなくて、とりあえず自分が使ってきた商品やものに携われるようなメーカーを見ていました。
具体的にはメーカーが何をしているのかわからなかったけど、漠然と商品の企画ができたらいいな、と思っていました。
5月になってから、メーカーは営業職が主な仕事で全国転勤が当たり前であることを知りました。そこで、慌てて金融について調べると、福利厚生がしっかりしていて女性社員が多い保険業界というものを知ったんです。
金融業界を調べていった中で、どんな魅力を感じましたか?
まずは、福利厚生がしっかりしているところ。私が内定を貰った会社は、介護のためのお休みや子どもの運動会のためのお休みもあるような会社でした。
だから、女性にとってとても働きやすい業界じゃないかなと思ったんです。
もうひとつは、人の力が重要なところ。メーカーは商品の魅力を伝えていくことが仕事だけど、金融業界は扱っている商品自体は業界内で似たり寄ったり。
「この人から買いたい」といかに思ってもらえるかが大切なので、人と話すことが好きで得意な私に向いていると思いました。
金融の中でも生命保険に行くことにしたのは、高校生の頃に母が病気になって生命保険にお世話になったからです。そういうきっかけもあって、一番感情移入して働けるのは生命保険かなと思って決めました。
私が頑張ったことは私が一番わかっている。だから笑顔で話したい!
自己PRを作るのは大変でしたか?
はじめは、どういう構成で作ればいいのかわからなくて苦戦しました。
ただ、自分のことを紙に羅列しても相手になにも伝わらないから、先輩やキャリアセンターの人に話を聞いて構成を作るようにしました。
ESを書き終えたら、ちゃんと私の言いたいことが伝わっているかどうか見てもらうこともありました。
ほかには、自分の強みを友達に聞いて、頑張ってきたエピソードにその強みのキーワードを入れてみました。
自分ひとりで考える場合は、エピソードの中から強みを探してみるのもいいと思います。頑張ってきたことは自分が一番わかっているから、自信もって書くことができましたね
業界ごとに自己PRは変えていましたか?
メーカーと金融では求められている人物が違うので変えていました。
メーカーでは、ゴルフ場でPOPを作るアルバイトをしていた経験を活かして、「どうしたらお客様に商品の魅力を伝えられるかを考えます」と話しました。アルバイトで「商品の魅力を伝える技術」を学んできたとアピールしていました。
金融は、お客様の悩みを聞き出して適切な提案をすることが仕事なので、「聞く力があり、相手の立場になって考えることができます」とアピールしました。
例えば、結婚式場でアルバイトをしていた経験、特に新郎新婦の親御さんと接する機会が多かったので、相手の気持ちに寄り添って仕事をしていたエピソードを話していました。
さらに企業別には自己PRを変えたりしましたか?
業界別にはアピールしたいポイントを変えていましたが、企業別には変えませんでした。
企業別にも自己PRを変えてしまうと、自分の性格や価値観をその企業に合わせてしまうことになって、入社してから会社と私が合わなくなってしまうと思いました。
軸はブレブレになったらダメだと思ったので、変えないでやっていきました。それに、私の培ってきたものを伝えて、それを企業に認めてもらいたかったので、企業によって自己PRを変えようとは思いませんでしたね。
自分自身どういうところが評価されて内定をもらうことができたと思いますか?
まずは面接官との相性があると思います。
私が内定をもらった会社の面接官の方は面倒見の良さそうな方で、すごく親切にしてくださいました。
もうひとつ意識していたのは、頑張ったエピソードは楽しそうに話すこと。
淡々と話すのではなく、自分の思いが相手に伝わるように表情豊かに伝えました。面接官の方にも楽しそうに話すねと言われて、嬉しくなりましたね。
内定をもらった会社では、最後に面接官の方からフィードバックをもらえます。そこで言われたことが「なんとなくはっきりした理由はないのに一緒に働きたいと思った」というメッセージでした。
しかも、二人の面接官の方から言われたんです。なので、最後まで真面目さと熱意が伝わるようにと面接を頑張ったかいがありました。あとは、女の子なので愛嬌も大事ですよね。
仕事?結婚?育児?どれも大切にしたい私の未来
就活を終えて、今だから言えることってありますか?
プレエントリーした会社は50社、その中でESを書いたのが40社くらいです。
面接まで行けたのは20社で、ESで落ちてしまったのが8社、筆記テストで落ちてしまったのが5社でした。
こうやって改めて思い出すと、うまくいった会社、うまくいかなかった会社どちらもあったなと思います。
落ちてしまう理由もさまざまで、ESが通っても筆記テストの勉強不足で落ちてしまったのはもったいなかったなと、反省することもあります。
でも、落ちたときは自分が悪かったわけじゃなくて、その会社の風土に合わなかったんだなと割り切ることが大事だと思って、へこみませんでした。
あとは、8月の面接解禁時期よりずっと早く面接をしている会社もあるので、ある程度興味のある企業を見つけていました。
その中で4月の最後に内定をもらえた会社があり、自分はどこかの会社で必要とされているし認められたんだなという自信につながりました。
この経験があったからこそ、プラス思考で頑張ろうと思えたのかもしれません。
将来の夢はなんですか?
生保の社員さんとたくさん話をして教えてもらったことは、今の人は生命保険に入る意義を感じている人は少ないということでした。
周りの人みんなが入っているから、なんとなく自分も生命保険に入ろうと思って入っているんです。
私が高校生の頃に母の病気で生命保険にお世話になったときに、生命保険に入ることでなにかあったときに経済面と気持ちの面で安心することを知りました。
この経験を活かして、万が一のときのために備えようと心から思ってくれるお客様を増やしたいです。
そして、せっかく子育てと両立しやすい制度が整った会社に入ることができたので、結婚しても出産しても仕事を続けたいです。
直接お客様に関わるだけでなく、自分の強みである「人の気持ちに寄り添える力」を発揮して、営業する人のサポートができるような仕事もしたいです。育児をしながらも働きやすい環境作りに関われたらいいなと思います。
最後に後輩へメッセージをお願いします。
私は結婚をして子供を産んでからのことを考えずに、みんなが知っているような大きな企業に就職できたらいいなと思っていました。でも就活を通じて、やっぱり働き方は大事だと学びました。
どんなに興味がない会社かもと思ったとしても、福利厚生がどうなっているのか見たほうがいいと思います。そこから興味がでてくる可能性もあります。
自分はライフワークバランスを大切にしたいのか、それもと男性と同じようにバリバリ仕事メインで生きていきたいのか、そこは就活が始まる段階できちんと決めておいたほうがいいです。
私はそれを考えずに就活を始めてしまい、5月にメーカー志望から金融志望へ方向転換したときにすごく焦ってしまいました。なので、自分が働く上でなにを大切にして働いていきたいのか、軸を決めてから就活を始めてもらえたらいいなと思います。