Kahoさんの就活スケジュール (商社/食品宅配事業)
11月 |
就職活動を意識して、Webから情報収集。 |
12月 |
リクナビ・マイナビに掲載されていた会社の説明会へ。 |
1月 |
IT・ベンチャー・中小企業の説明会に行く。 |
2月 |
ES、グループディスカッション、面接を経験。 |
3月 |
震災があり、選考が延期になる。 |
4月 |
食品宅配事業・印刷会社・Yシャツのメーカー・椅子メーカーを受ける。 |
5月 |
食品宅配事業の会社に内定。 |
業界・仕事選びからではなく、「何を思って生きていたいか」
大学生活をどのように過ごしていましたか?
模擬国連サークルの先輩から影響を受け、内モンゴルに旅して大自然の中で生活したり、国内で林業のボランティアをしていました。3K(キツイ、キタナイ、キケン)が揃っている環境でしたが、体を動かして食事をとって寝る、という本能的生活はとても気持ちがいいものでした。自然はすべての原点で、人間も自然の一部であるということを実感しました。特に林業ボランティアでは、普段使っている家具を遡れば自然に辿り着くということを改めて知り、これまでの私は「家具屋さんから買うもの」という思考で止まっていたことに気づきました。
こういう大学時代を過ごす中で「普段食べたり、持ったりするものがどこからどんな経緯で来たのか知りたい!」と思うようになり、更に「そこに自分が加わったらどうなるか」を考え出しました。
様々な活動をされていますが、就活中はどうでしたか?
就活中にも好きなことを色々と始めていました。一般社団法人の学生スタッフや、「暮らしを変えるグッドデザイン」を紹介するサイトでのボランティアなどです。就活は常に頭の3分の2を占めていましたが、実際に行動した時間は5分の1くらいでしたね。就活生であることにあまりとらわれずに、自分の興味あることには積極的に飛び込んでいました。
一般的に「就活」となると業界研究やOBOG訪問をするようですが、私はそういうのはまったくしていません。どの業界・仕事、というより、私にとって大切なのは「何を思って生きていたいか。どういう世界とつながっていたいか」だったからです。だから、いきいきした社会人に出会った時には日々の仕事内容を聞くのではなく、「どんなことを思って生きていますか」と尋ねていました。働き方も、「仕事は仕事、プライベートとは別」と割り切るのではなく、自分が熱い思いをもって取り組めるものをライフワークにしていきたいと思っています。
会社との接点は好きなイベントや媒体のスポンサーからも!
説明会はどんなところに行きましたか?
リクナビ・マイナビに登録して、興味のある項目にチェックをつけると希望に合う会社の紹介メールが来るので、まずはそこから行きました。業種は主にIT・ベンチャー・中小です。大企業の説明会は型通りの「講義」のようで面白みに欠けると思う一方、中小・ベンチャーは社長自ら話していて、会社のカラーがもろに出る「ゼミ」のような雰囲気が肌に合いました。自分が参加している感じがちゃんとして、説明会自体が面白くワクワクしましたね。ITは、社会で必要とされるスキルがつくだろうと思って見ていました。
また、会社を知る方法として、自分が好きなイベントや雑誌・Webのスポンサーについている会社がどこか、を見てみるのもオススメですよ!そうやって見つけたA社とB社が別のところでもリンクしていたりするので、「私が面白いと感じる会社はこういうところね」と見えてくるんですね。これはサークルの先輩から教えてもらって、就活が本格化する前から、スポンサーを見てはメモしていました。あとからこれが役に立ちましたよ。
今の会社もそうして出会ったのでしょうか?
はい。私の好きな会社のCSR紹介雑誌に載っていて、実は3年の夏くらいから知ってはいました。それを忘れかけていた12月にメモを見返したことで「そういえばこういう面白そうな会社があった!」と思い出し、1月に説明会に行きました。
他に考えていた会社はありましたか?
3つほどありました。尊敬する先輩が働いている印刷会社、「国産」にこだわりを持っているYシャツのメーカー、美容院の椅子メーカーです。印刷会社とYシャツメーカーに共通していたは、「作り手と使い手をつなげたい」という私の思いと一致する事業であったことです。今の人は大概「消費する」ことで社会と関わっていますが、それぞれのものがどこから来ているのかを知っていたら気持ちがいいですよね。生産者と消費者をつなげ、日々の消費の場面で働きかける会社に、私は惹かれていました。誰がどんな思いでこの商品を作ったかを知っていれば、より一層大切にしたくなるだろうし、それがワクワクする良い暮らしにつながると私は考えています。
美容院の椅子メーカーは、普段から美容院が大好きなのでその空間づくりに関わることに興味がありそんな単純な気持ちで受けていた会社もありました。
涙が出るほどに共感
今の会社を選んだのはなぜですか?
食品の宅配事業をする中で、生産者のことを消費者に伝えることができ、自然・地球ともつながれるからです。作り手と買い手がつながっているところは他にもあるかもしれませんが、この会社は特にそれを明確に持っていると思いました。会社・社員の言うことには心から共感できすぎて涙が出るほどで、ここで私のやりたいことを実現できたら幸せ!と思いました。
もう一つの理由は、生活できるくらいにちゃんと稼げることです。NPO・NGOにも関心がありましたが、まずは、自分の本当にやりたいことをしながらもちゃんと給料の出る会社で働きたいと思いました。このように思うようになったきっかけは、学生時代に関わったNPOです。そこに関わっていた社会人の皆さんは、収入源となる本職とNPOでの個人活動を両立していらっしゃったのですが、新卒からそうやっていくのはなかなか難しいですよね。私は「やりたいこと」と「稼ぎ」のバランスを考え、会社を選びました。
選考はいかがでしたか?
ESは2月が締め切りで、GDでは新商品企画について話し合い、1次面接、最終面接でした。全体を通して非常に「しっかり見る」会社だと感じましたね。GDは8人の学生に2人の人事がつきっきりで1時間見ていました。面接も超圧迫と言われるほどで、「どうしてそう思うのか」を何度も聞いてきます。でも私はこの会社にとても行きたかったし、伝えたいこともたくさんあったのでむしろ嬉しかったですね。自分の思いをこんなにも聞いてくれるんだ!という喜びでいっぱいでした。面接で会社の方と話すうちに、自分の気持ちと社員の方々の気持ちが同じように感じる場面があり、「うんうん、やっぱり」と共感がたくさんできました。私は「上手く盛る」「謙遜する」などはせずに、高校時代の話から、今どうしてここにいるのかまですべて素直に話しました。面接で自分のすべてをさらけ出して選ばれたのだから、今はこの会社で働くことに自信を持っています。
将来の夢は何ですか?
自分と家族・友達が健康で幸せに暮らしていて、それが周りからも良いと思ってもらえることです。そして、食べ物や持ち物がどこから来たのか皆知っていて、循環が自分の目に見える範囲で行われている状態であったらいいなと思います。人間1人が生きる中で、食べ物も含め全部の要素がつながっています。そういうことを大切にしていたら世界が平和になるのではないでしょうか。
最後に、後輩へメッセージをお願いします。
「人間は限りない可能性を秘めている」という、中学時代に通った塾で何度も言われた言葉を贈りたいです。就職活動中に、会社から否定されても自分の良いところを見出せるのは自分だけです。例えば「学生時代に何にもしてこなかった」と後悔している人には、「裏を返せば、これから何でも出来る!」と伝えたいですね。自分自身の可能性を信じて頑張ってください。