日本企業のアフリカ進出を後押しし、ビジネスを通した世界貢献に挑む!(JETRO)

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JETROに勤務し、15年目を迎える高崎早和香さん。大学時代からアフリカに魅せられて、国際協力の舞台へ。ビジネスを軸に、アフリカの経済成長の現場を見つめてきました。国際的な仕事をする上で大切なこととは?国連が「持続可能な開発目標」を掲げてから2年。国際協力の形は変化を遂げ、ITの発展で途上国にチャンスが増えている現在、グローバルビジネスは欠かせないキーワードです。国際協力や、アフリカをはじめとする途上国に興味がある女子学生のみなさん、必読です!

きっかけは、「海外で働いてみたい!」という憧れ

まず、現在のお仕事について教えてください。

海外調査部の中東アフリカ課に所属しており、アフリカを担当しています。アフリカは日本企業にとって、物理的にも心理的にも遠いですからね。日本企業がアフリカで投資をするために必要な、現地の細かい情報を収集し、発信しています。

主には現地から届く情報を整理したり、原稿を書いていますが、企業からの個別相談対応や、セミナーでの講演もしています。今は子育て中ですが、アフリカ出張も年2回は行くようにしています。アフリカのマーケットが有望だということを伝えるために頑張っています。

JETROに入構されてから、現在に至るまでのお仕事の変遷を教えてください。

最初に所属したのは、同じ海外調査部のアジア大洋州課でした。その後、熊本事務所に配属され、3年間過ごしました。熊本では、地元企業の輸出や投資などビジネス展開の後押しをしていました。次に、南アフリカのヨハネスブルク事務所に現地の調査担当として5年3カ月ほど駐在しました。そこでは出張も多く、現地調査のためにアフリカ諸国を21カ国も訪問しました。パスポートも増刷したほどなんですよ!(笑)

それ以降は、現在の海外調査部中東アフリカ課で働いています。私は2人の年子の子どもがいるので、育休と産休あわせて2年間いただき、ちょうど昨年6月に復帰したところです。

アフリカでの駐在経験などを通して、現在でもお仕事するうえで気を付けていることはなんですか?

そうですね、まず大切なのは、体調管理です。特に南アフリカに駐在していた頃は、病気が一番怖かったので、かなり意識していました。出張や飛行機での移動も多かったので、週末は疲れを溜めないようにたっぷり休養をとっていました。

もう1つは、コミュニケーションですね。原稿を書き始めると、ひとりの世界に入ってしまいがちなので(笑)。情報を収集・発信するときには、その過程で相手とのスムーズなやり取りがとても大切だなと感じています。

例えば、企業からご相談を受けたときには正確にニーズを汲み取り、それを現地の駐在員に伝えて情報をもらい、それを企業にお渡しすることになります。この流れをうまく作るためには、日頃のコミュニケーションが欠かせません。良い情報はふとした瞬間に得られることがあるんですよ。

JETROに入構しようと思ったきっかけは何ですか?

大学生のときに、アメリカに交換留学に行ったのですが、そのままアメリカの大学のプログラムで、アフリカのジンバブエに短期留学したんです。

その際、大学にレポートを提出するために、日本企業やNGOなどに何度かヒアリングに行ったんですが、その度に「JETROにはもう行った?」って聞かれて。ジンバブエには当時JETROの事務所があったんですよ。その当時の私は、JETROってなんですか?っていう感じだったんですけどね。

徐々にJETROについて知っていくなかで、ビジネスの視点で海外と関われるというのが非常に大きな魅力、というか新鮮に思えました!それがきっかけで、JETROで働いてみたいなって思うようになりました。

大学生の時にはもうアフリカに留学していたんですね!当時から、アフリカに駐在するポテンシャルはあったんですね…(笑)普通の人はできませんもん!海外で働くことには、昔から興味があったんですね?

高校生の時に、香港へ旅行に行ったんです。そこで日本人の女性がバリバリ働いているのを目にしたとき「あ~!かっこいい!」って思ったんです。非常に単純なんですけれど、外国で働くということに、漠然とした憧れはありました。

その中で、どのように海外で働くかを考えたんですね。途上国に興味があって、子どもが好きで…。そこから、子どもたちが生まれた場所によって既に格差があることに問題意識を持つようになりました。なので、大学でも開発経済学を選び、学んでいました。

なぜ、「援助」ではなく、「ビジネス」を後押しするJETROで働くのか。

JETROでのお仕事は、結果的にどんな効果を生み出すとお考えですか?

JETROは援助機関ではないので、集める情報も企業の経済活動と深い関わりがあります。日本のマーケットが縮小していくなかで、アフリカに進出することは、日本企業にとって大きなチャンスが広がります。

一方で、アフリカにとっても大きなメリットがあります。日本企業が、投資をすることで雇用の拡大や消費につながっていき、現地の経済が活性化するからです。

一時的ではなく、ビジネスの場合は、持続的ですし、可能性や広がりが期待できます。国際援助ではなく、ビジネスを通して、格差の問題の解決に貢献することができます。

高崎さんが学生時代の頃は、まだまだ援助が主流の時代でしたよね?

はい。バングラデシュでのグラミン銀行など、まだまだ援助の時代でした。日本でもアフリカといえば、援助でしたね。ここ10年くらいから、日本でも官民一体となって、投資という方向にシフトしています。今ではだいぶ、アフリカを投資先と捉えて、もっと長期的な経済活動をされている企業が多くなりましたね。

お仕事をする上でのやりがいはなんですか?

日々やっていることを情報としてフィードバックして、企業のアクションに実際に繋げられることですかね。企業がアフリカでのアクションを検討して、無事に投資が決まり、最後に拠点を作る、といった一連の流れに関わっていけるというところが楽しいですね。

ただ、そのために情報を書くとなると大変です。定期的に出張しないと新鮮な情報は得られませんし。その情報をどう言葉に落としこんでいくか、得た情報が企業側にとってどのような意味をもつのか、と考え始めると…なかなか筆が進みません!そういう苦労はありますが、企業活動と関われるのは嬉しいですね。

現地でのコミュニケーションで、重視していることはありますか?

現地に駐在していた頃は、担当地域がアフリカで日本でもまだ情報が少ないということもあり、情報をとるためなら、なりふり構わず一生懸命やっていました。フットワークを軽くして、「今なら会えますよ」と言われたらすぐ行ってみたり、とか。

初めは、感覚的に日本人とのコミュニケーションの形を求めてしまうんですよね。例えば時間に関して。「じゃあ明日の9時に会いましょう」って言っても、向こうの人は、10時とか11時になっても来ないわけですよ!そこをどうコミュニケーションで埋めていくか。初めは動揺していましたが、現地の人の感覚を理解して、心を広くすることが大切です(笑)。

日々の小さな発見が、自分の成長につながる

お仕事はとてもお忙しいと思いますが、ご家族からのサポートはいかがですか?

両親は、私が大学時代にアフリカに行ったときから、ビックリはしていましたが、諦めた~と言っていました(笑)。理解もあり、サポートもしてもらっています。夫がとても協力的なのはラッキーなことです。保育園の送り迎えなどもやってくれるので、助かっています。定期的に海外に出張することにも、理解を示してくれています。

私の実家は遠方にあるので、出張中は夫の母が家に泊まって子どもの世話をしてくれます。今までは疎遠だった親戚が、助けに来てくれることもあります。こうした周囲のサポートがなければ、夫の負担が大きくなり、小さな子ども2人を残して家を空けることはとても難しいことです。

民間のサポートサービスもいくつか探しましたが、1日数時間であっても1週間とおして利用すると自分の給料の何倍にもなってしまい、とても手が出ません!(笑)

今後、アフリカ駐在を含めて、どのようなことに挑戦したいですか?

海外の駐在は…今すぐでもまた行きたいです!(笑)やはり現場の仕事ってすごく面白いので、現地に行って新しい情報をどんどん得たいという思いはあります。あとは、アフリカに関心のある若手職員を、どんどんアフリカのプロジェクトに巻き込んでいきたいですね!

海外と日本を繋げるお仕事をするうえで、大切なマインドは何だとお考えですか?

「違いがある」ということを大切にすることですね。自分の考えを相手に押し付けないことでしょうか。仕事を始めたばかりの頃は、上司や相手に対して、求める理想像がはっきりあって、その理想に少しでもそぐわないと不満に感じたりしていました。でも、国際的な仕事をしていると、理想と現実のギャップはさらに大きくなります。

自分が描いたようにいかないと、愚痴っぽくなりがちだったのですが、あるとき初めから「違うんだ!」というふうに意識をして、その中でどう歩み寄っていくか、が大切だと気付いたんです。

高崎さんにとってお仕事とはなんですか?

自分の幅を広げるというか、自分が成長するためのチャンスを得られる場所ですね。もらってばっかりだと、ちょっとよくないですけど(笑)。毎日いろんなことがあります。今日もまたひとつ、発見があったなぁって。お客さんから聞いた話でも、へ~ってことがありますし。広がりが持てる、チャンスがいっぱいある「場所」ですね。

女子学生たちに向けたメッセージをお願いします!

世界と関わる仕事は非常に面白いですよ!日々発見があるので。ただ、事実、女性の場合いろいろと難しいことが多いと思いますが、まずは、働くということに興味を持ってほしいです。そして身の回りの様々なことに関心を持つようになってほしいな、と思います。

最後に、ハナジョブ読者たちに、アフリカのここを見てほしい!などはありますか?(笑)

ぜひ現地に行ってみてください(笑)。独特な文化と、活気を見てほしいです!アフリカの女性たちは、元気でおしゃべりですよ。トイレでも、大きな声でゴスペルを歌っていたり、貧しくても明るい人が多いです。そして現地に行った際は、JETROの事務所にも足を運んでくださいね!

取材を終えて

世界54カ国に調査機関があるJETROは、国際的な仕事ができ、政府系機関のひとつとして社会貢献に深く携わることができます。そして、女性がとても働きやすい環境であるため、生き生きと働く優秀な女性職員が多い、ということをインタビュー前から伺っておりました。

高崎さんはお仕事に対して本当に丁寧に向き合っていらっしゃり、そして何より、タフな方だなぁ!という印象を受けました。大学生の時にはもう、アフリカに興味を持ち、ビジネスを軸に国際協力に向き合おうと決意していた、というお話を伺ったときは、本当に驚きました。時代の先読みが凄すぎます!(笑)世界を舞台に活躍していらっしゃる高崎さんにお話を伺えたことは本当に良い機会になりました。お忙しい中、お時間をいただき、ありがとうございました。

独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)

JETROは40以上の国内拠点と70カ所を超える海外事務所から成る幅広いネットワークを保有しています。対日投資の促進、農林水産物・食品の輸出や中堅・中小企業の海外展開支援に取り組むとともに、調査や研究を通じて日本の企業活動や通商政策に貢献します。

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About Author

大西芙蓉子

小説から詩から和歌に至るまで、たっくさんの人間の言葉に励まされ、笑って泣いて生きてきた21歳です!人生の2大師匠は『枕草子』でお馴染みの清少納言と、『若草物語』の次女Josephine(笑)。学生記者になろうと思ったのは、人が好き&文章力を磨きたかったから。…ここまで書くと文系女子のようですが、私の専門は開発経済学と計量経済学です。合理的・論理的に「なぜ」を問い詰めるだけでなく、人間として、女性として大切なものを探したくて、ハナラボに関わるようになりました。好奇心旺盛な二刀流剣士の修業は続く~。

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