適性は続けてみないとわからない!〜秘書からプロデューサーへ(TBSテレビ)

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人気バラエティー番組のプロデューサーってどんな仕事?華やかなイメージの番組づくりの裏側には、人と人との繋がりを大切にする、細やかな「心づかい」がありました。思い描いた希望の道とは違った秘書時代も、私生活も全てプラスにして今につなげる谷澤さんのお話を伺いました。(2011年7月時点での情報です)

テレビが好き!中学時代からの夢を現実に

現在のお仕事の内容を教えてください。

「中居正広の金曜のスマたちへ(金スマ)」と「ぴったんこカンカン」という番組のプロデューサーをしています。プロデューサーの仕事というのは主に予算管理や番組の品質管理、そしてもう一つ大事なのがキャスティングです。

「金スマ」では“金スマ波瀾万丈”というコーナーや、「ぴったんこ」では安住アナウンサーが毎週いろいろな人と旅をするコーナーがあるので、そこに出てもらう人を探して、会ったり交渉したりするのが主な仕事です。視聴者の方が「この人を見たい」と考えそうな人にお願いしたり、「この人ブレイクしそうだな」と思った人にも出演を依頼したりします。

プロデューサーは実際にキャスティングをして、全体の方針を決めます。そしてロケ中はタレントさんのケアをします。ディレクターは、番組を演出する仕事です。内容を決めて台本を作りロケにでたり、ナレーションを録ったりと編集も担当します。

現在プロデューサーをしているのは、プロデュースに面白さを見出したというのもあるのですが、ディレクターは編集してVTRを出さなければいけないという責任もあって、2日3日家に帰れないことも。子育てと両立するにはプロデューサーの方がよいというのもあります。

テレビ局に入りたいと考えられたきっかけ、学生時代をどう過ごされていたか教えてください。

もともとテレビが好きで、中学校時代から漠然とテレビ業界に入るにはどうしたらよいかなあと考えていました。マスコミの就職が強いと聞いていた成蹊大学に進学し、文学部の中のマスコミ専攻に進みました。あまりマスコミに云々と深くは考えていなくて、フジテレビでゴルフ中継のアルバイトなどをして、「こんな現場なのか」と憧れ程度で勉強していたという感じですね。

夫が中学の同級生なのですが、テレビが大好きなんですよ。当時電話をしているときも「○○がはじまるから!」と切られてしまうこともありました。悔しくて「そんなにテレビが好きかい!そんなに好きなら私が作ってやる!」と思ったのが実は始まりです。

希望と違った道、秘書部で学んだこととは?

TBSに入社されてから、すぐにバラエティ番組の制作担当をされたのでしょうか?

TBSに入社して初めに配属されたのは秘書部でした。希望していたバラエティ番組の制作とは遠いところでしたが、とても勉強になる経験でした。電話の取り方や慶弔のこと、FAXを一枚送るにもどうしたらよいかなどの社会人としての基本的なことを先輩から勉強しました。1年半しかいなかったのですが、「あ、世の中ってこんな感じなのか」と学べるよい機会でした。

バラエティでどんどん昇進している同期を見ると、差が付いてきているなあとは自分で感じていました。少し焦りもあったのですが、「続けてみないとわからない」と思っていました。「TBSには入れただけでも幸せだ」という気持ちも根本にはありましたが、「どんなところでも頑張れない人はどこに行ってもだめだぞ」とは思っていましたし、「石の上にも3年だ」とも思っていましたし。なぜそのように考えていたのかはいまだに不思議ですが、22歳くらいでは自分の適性なんてわからないだろうと思っていたので、誰かが何か私の適性を見つけてくれたのかなと考えていましたね。

レギュラーのバラエティ番組を続ける大変お忙しい中、どのようにお子さんを二人育てているのですか? そして家族のお話もきかせてください。

私の主人、義理の母、実母、私の実の姉と、一族総出で手伝ってもらっています。入社した当時から結婚や出産でやめるという選択肢がなかったのは、単に社風だけではなく父の仕事に対する価値観などもありました。

父がとても仕事が好きな人で「今日はこんな仕事があった」「この仕事はこうやった」と、家に帰っても仕事の話しかしなかったんです。社会人はこうやって気を遣うのか、こういう風に人と接するのか、と幼い頃から父との会話の中からなんとなく勉強していましたね。

小学生の頃に、たまたま父がNHKの英会話番組に生徒役で出演していたんです。父と撮影の現場に行って「テレビって面白いなあ」と思ったのも、テレビを意識するきっかけになっていますね。だから小さいころからも何がきっかけになるか分からない、油断できないなと思って息子にも接しています。

今の仕事の面白さと苦労、大事にしていることはなんですか?

自分が出演してほしいと思った人、面白いと思った人をキャスティングして、それに対する反応がダイレクトに返ってくるのでとても面白いです。特に反応が大きかったものとしては、杉田かおるさんや楽しんごさんの波瀾万丈などがあります。

その人の人生を深く掘り下げる必要があるので「どこまで話してもらえるか」というやりとりがポイントです。出てくださった方に、出てよかったと言ってもらえるようなものを作るように心がけています。

情報収集は大事で、スポーツ新聞なども購読しています。タレントさんの誕生日を確認したり、芸能欄で「この人こんな活動をしているのか」と情報を入れたりします。タレントさんの最新活動や受賞のニュースを見ると、マネージャーさんにおめでとうございますと言ったり、その話題を振ったりと、細かい気配りを大事にしています。お花を贈るにしてもお土産を持っていくにしても、その人の好みや現在のマイブームを調べます。タレントさんに気持ちよく出てもらえれば、それが視聴者にも伝わりますし。

仕事の苦労はたくさんありますね。なかなかキャスティングが進まなかったり、視聴率が取れると思ったのに取れなかったり。ディレクター時代は、しょっちゅう壁にぶち当たり、自分に能力がないと落ち込みました。でもゆっくり落ち込んでいる暇もなく、「前に進むしかない!来たものを全部やるしかない!」と、ただただ仕事を片端からこなしていましたね。

プロデューサーの仕事は世の中から大きく反応が返ってくるので、それが何より楽しいです。多少なりとも、世の中に影響を与えているという感覚がありますね。自分の会いたい人にも会えるのも、楽しさの一つです。

テレビが好き!中学時代からの夢を現実に

この仕事に就きたいと思っている人へメッセージをお願いします。

非常にやりがいのある仕事なので、前向きにいろいろなことに挑戦できる精神を大事にしてほしいです。あと、体力も大事です。就職から逆算して何かをやるのではなく、自分がやりたいと思ったことをとことんやるのがいいと思います。私はやりたいことに早くめぐり合えたので、ラッキーでした。

プロデューサーは人に興味があって、人と接するのが好きな人が多いですね。人に対する好奇心と尊敬の気持ちを大切にしてほしいと思います。

人生の先輩として、学生へのメッセージをお願いします。

自分が楽しいと思うことを早く見つけるのが一番、です。それが仕事なら仕事でいいと思いますし、プライベートならプライベートを充実させるのもよいと思います。子育てに向いている人もいるかもしれないですし。だから絶対に仕事をしなければならないということでもありませんし、自分が楽しいと思えることを見つけた人が豊かな人生を送れると思います。本当に人それぞれなので。

運と縁も大事だと思います。私自身は、学校の先生でも上司でも、素敵な人と巡り合えて運がいいなと思ってきました。「運がいい」と考えることも大事ですね。そう考えられないと、色々なものを逃がしてしまうのではないでしょうか。

最後に将来の夢を聞かせてください。

一つは、自分の現在担当している番組が長寿番組になることです。「笑点」がうらやましくてしょうがないです!もちろん気を抜かず努力しているからだと思うのですが。何をきっかけに番組が終わってしまうかわからないので、視聴率がよかったときほど気が引き締まります。

息子に「お母さんが作った番組面白い!」と言ってもらえるのも夢です。まだ小さいので今のところリアクションはないのですが。そして、一人前のプロデューサーになりたいですね。

インタビューを終えて(学生記者:市原佳菜子)

小さい頃から温めていた夢がある一方で、「私の適性なんてまだ分からないだろうな」という冷静さも持ちあわせていらっしゃるところが印象的でした。一期一会を大切にする丁寧さも、大変勉強になりました。お忙しい中貴重なお話をありがとうございました。

お仕事紹介(プロデューサー)

バラエティ番組のプロデューサーとは、番組の予算管理や品質管理、そして出演するゲストのキャスティングをする仕事。「視聴者は今誰をテレビで見たいのか」「誰が次にブレイクしそうか」を考え、ゲストを選定して交渉する。どこまで番組で話してもらえるのかという番組の面白さの鍵を握ります。

TBSテレビ

「最強」のコンテンツを創り出す「最良」のメディアを目指す~を企業理念とし、良質で魅力あふれるコンテンツ製作を目指している。2004年10月に株式会社TBSテレビが発足。テレビ番組の制作業務を行うとともに、編成・営業・技術・報道・美術・事業などすべての現業部門の実務を行う。採用はTBSテレビで実施している。(採用サイトはこちら

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ハナジョブ学生記者

2008年〜2016年までの学生記者たち

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