食から農を知ってほしい!私はお母さんのようなリーダーでありたい。(学生団体eat_happy)

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学生団体eat_happyは食から農の魅力を伝えるイベントをつくっている団体です。eat_happyの7代目代表を務めるのは田中舘初音さん。大学では栄養学を専門として勉強しながら、ほぼ毎週農家さんのもとへ通っているのだとか。団体に関することからリーダーとしての思いまで、1つ1つ丁寧にお話していただきました。

若者の農業のハードルを低くしたい!食から農を知れるイベントづくりを

どんな活動をされているんですか?

私たち学生団体eat_happyは名前の通り、食から農業の魅力を伝えるイベントを作っている団体です。学生や若い人たちは農業を身近に感じることはあまりなく、食べ物の背景にあるストーリーを知らずに何気なく食べていると思います。そんな人達に少しでも農業の魅力を知ってもらえるように、とっつきやすい「食」をテーマにして活動しています。

具体的にはどんな活動を?

農業を自然と知ってもらえるように、3ステップでイベントを作っています。

ステップ1は「おいしいものを食べる会」です。カフェとコラボして、都内近郊の農家さんのところで採れた野菜などを使った特別メニューを作ってもらっています。おいしいものを食べる幸せをみんなで共有するところから始めています。

ステップ2は「1日農体験」です。都心近郊の農家さんの畑へ行き、農作業後には収穫したものを調理しておいしくいただきます。

ステップ3は「ファームステイ」です。これは毎年春休みに1週間、宮崎の農家さんのところでホームステイをします。そこでは鶏の首を切り落として、皮をはいで肉にする屠殺も経験できます。そのような農作業を実際に体験することで、私たちが何気なく食べている命について考えてもらえればと思っています。

eat_happyにはどういう人が所属していますか?

4年生が2人、3年生が3人、2年生が4人の9名で活動しています。以前は栄養系学部の女の子が圧倒的に多かったのですが、今は商学部、農学部、法学部や環境系の学部と意外とみんなばらばらですし、やっと男の子も増えました(笑)。

農業経験ゼロから、リーダーとして成功させたファームステイ

田中館さんはどうしてこの団体に入ったんですか?

私は農業経験がゼロで、実際に畑に行ってみたいと思ったのがきっかけです。大学で栄養の成分や野菜の効能の勉強しているんですが、そもそもどうやって作物が育てられているのかを知らないのはもったいないなと思ったんです。

今までで1番印象に残っていることは?

今年2月にあったファームステイですね。今年5回目で、毎年ファームステイ先の町全体で協力してくれていて、補助金などで参加費などを賄えていました。でも今年からそれが無くなってしまい、資金ゼロからのスタートになってしまったんです。さらに、私以外の運営メンバーはファームステイに参加したことがなかったので、1人で多くのことを引き受けることになりました。

負担がとても大きかったのではないですか?

半年間は本当に大変でした。でも資金調達のために農家さんの野菜を都内のマルシェで販売するなど、悩むだけではなくて自分たちにできることを考えて実行しました。最後にワークショップをしたときに、農家さんに今年が1番よかったよと言ってもらえて、とても嬉しかったです。また先日、ファームステイ参加者の子に「ファームステイに参加したから、今私は夢に向かって行動できるようになった!」といってもらえて、じわじわとやり遂げたことの実感しています。

理想はみんなをしっかり理解したお母さんのようなリーダー

リーダーとしてどんな時に大変だなと思いますか?

私は人に役割を振るのが苦手で、自分で何でもやろうとしてしまうんです。メンバーのことを理解しきれていないというか、その人に合う役割を振るのがとても難しいです。

その気持ちすごくわかります。

あと学生や社会人などいろんな方にお会いすることが多いのですが、話していて団体としての理念なのか自分自身が感じていることなのか分からなくなることがあるんです。代表として人と接すると団体を背負うじゃないですけど、見えないプレッシャーを感じますね。うちの団体の場合、過去の代表者が素晴らしいので、なおさら自分って何だろうと思ってしまいます。

しっかりリーダーを努めようという気持ちがあるからこその悩みだと思います。

そうなんですかね。自由奔放にやりたいと思っても、私は変なところで遠慮してしまうところがあるのでなかなか難しいです(笑)。

どんなリーダーでありたいと思っていますか?

私はお母さんのようなリーダーでありたいです。みんなのことをしっかり理解した上で、包み込むような感じですね。団体の理念に沿っていれば、どういう視点でイベントを作ってもいいと思っているので、みんな自由に活動できるような団体を目指したいです。

若者が生活の中で農業と繋がっていてほしい。 

団体として目標としていること、達成したいことはありますか?

例えばスーパーで野菜や果物の旬に自然と目を向けられるようになってほしいんです。畑に行くと季節が見えるので、1人でも多くの学生や若い人達に実際に農業を経験して、そういうことを自然と身に着けてほしいです。

その先も考えていますか?

そうですね。農家になれと言っているわけではなくて、食という分野でもいいのでずっと関心をもち続けてほしいです。将来の進路選択の可能性を広げてほしいという思いもあります。特にわたしは、子供を持つことになった時もそれが活きるようになってもらいたいと思っていますね。

最後にメッセージをお願いします。

実は学生団体eat_happyは今季をもって解散します。しかし私自身この団体に出会えたからこそ、農業のことだけではなく、「自分がこれからどう生きていきたいのか」を考えるようになり、自分の人生観が変わりました。解散はしても、今まで通り農家さんに会いに行ったり、私なりの想いを伝える場を作ったりしていこうと思っています。

今は、学生でいる間に「食べる」ことを通して、人との繋がりだったり食材の栄養価だけでは測れない「心の栄養」をサポートできるような食堂を開いてみたいなと考えているところです。学生団体eat_happyで活動してきたからこそ挑戦したいと思えたことなので、これから頑張っていきます!

学生団体取材終えて

全3ステップのイベントにおいて、「食」から「農業」を知るという団体の目的が一貫してありました。1ステップのイベントごとにも団体側の意図や思いがしっかりとあり、だからこそ丁寧なイベントづくりが可能なのでしょう。

取材を通して、代表の田中舘さんが団体をとても大切に思っていることが伝わり、代表として悩みながらも前を向く姿が印象的でした。田中舘さんが目指すリーダー像は珍しいかもしれませんが、そこから彼女のメンバー1人ひとりを想う気持ちや器の大きさを感じました。ぜひ多くの人にこの団体のことを知って欲しいと思います。

学生団体eat_happy

代表:田中舘初音

Twitter:@eat_happy_pr

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About Author

小池千紘

千葉大学3年。体を動かすことが好きで、クラシックバレエと陸上をやっていました。最近は、筋トレとストレッチを毎晩のんびりやっています。高校時代と比べると量こそ減りましたが食べることも好きです。大学で専攻しているのは社会学で、ジェンダーバイアスや女性の働く環境など私たちが生きる社会の側に興味があります。記事を通して女子学生の皆さんが働くことを考えるきっかけになれるように、学生記者として頑張ります!

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