薬の開発で患者さんの治療の選択肢を広げたい。ワーキングペアレンツとして挑む大好きな仕事。(ファイザー株式会社)

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世界をリードする医療用医薬品メーカーのファイザーで「薬事」の仕事をされている森久保さん。新薬で患者さんの治療の選択肢を広げたいとおっしゃる森久保さんの仕事やワーキングペアレンツという新しい概念、今後のビジョンについて伺いました。

会社と規制当局との橋渡しをする薬事の仕事

現在のお仕事の内容を教えてください。

「薬事」として、医薬品の開発に携わっています。そもそも医薬品の開発というのは、まず薬になりそうな候補の物質を探すことから始まります。そして、見つかった物質が期待する効果や安全性を示すかを臨床試験等で確認します。そこで得られたデータを元に、医薬品として上市するために規制当局に申請し、承認を得ます。ここまでが医薬品開発の一般的な流れです。

薬の開発にはたくさんの人が関わっているのですね。

そうですね。その中で規制当局とのやり取りを担うのが、私の所属する薬事の部署です。薬の開発にはいろいろな規制があります。私は、担当する薬剤において、日本の規制下でどのような戦略で開発を進めるべきかを社内のチームメンバーと共に考え、規制当局の担当者とコミュニケーションを取って決めていく仕事をしています。

理化学研究所で過ごした学生時代

学生時代はどんな生活を送られていましたか。

研究が本当に忙しかったので、学生時代は部活やサークルはしていませんでした。大学4年から大学院生のときは、理化学研究所の研究室に所属していました。実家から鶴見の研究所までなんと2時間かけて毎日通っていたんです。朝も早くて夜も終電で、とにかく時間がなくて(笑)。 学生時代を研究に捧げていました。

学生のうちから理化学研究所で研究するのは珍しいですよね。

確かに珍しいですね。研究テーマが,理化学研究所との共同研究だったのです。学生はほとんどいなかったので、求められるレベルが高くて緊張しました。体力面でも新しい環境という意味でも最初は戸惑いましたが、人脈やコミュニケーション能力など、得たものが多かったです。

就職活動は製薬会社を中心に見ていたのですか。

はい。小さい頃からよく面倒を見てもらった叔母が、小学校1年生の時にがんで亡くなったのですが、治療法がなく苦しむ姿をずっと見ていました。それがきっかけで、薬や医療の道に興味を持ちました。医学は進歩していますが,病気によっては現代の医学でも治療法がないケースがあり、そんな患者さんの役に立ちたいという思いがありました。

知識の違いに愕然とした新入社員時代

薬学部出身ではないそうですが、どのように薬の知識を身につけていったのですか。

薬剤師のように幅広い知識はありませんが、自分が担当する薬の領域のことをどれだけ知っているかが重要なので、仕事をしながら少しずつ知識をつけていきました。

入社して最初の仕事は、治験のモニターでした。実際に医療機関に行って、治験が適切に行われていることを確認する仕事です。必然的に医師とコミュニーションを取る機会が多々ありましたので、その中で薬に関する基礎知識を学べたと思います。

モニターの仕事で大変だったことはありますか。

初めの頃はあまりにも知らないことだらけで、先生方との知識の差に落ち込むこともありました。大変というよりは「やらなければ!」という思いが大きかったです。自主的に家で勉強をしたり、会社で詳しい人に聞いたりしましたね。

モニターをしていて嬉しかったことや感動したことは何でしょうか。

モニターの仕事では、先生方とのコミュニケーションの中で,担当している薬が患者さんの役に立っていると感じる機会がありました。とても印象的だったのは、抗がん剤の開発を担当していた時、ある患者さんが、「子どもの入学式に出るという目標を叶えられたことがすごく嬉しい」とおっしゃっていたことです。こんなふうに、薬の先にある生活を感じることができ、やりがいを感じました。

家事も育児も夫婦でシェアするワーキングペアレンツ

平日はどのくらい家事をされているのですか。

平日は、最低限のことだけをするようにしています。使えるものは使おう!と思っているので、掃除はルンバと水拭きルンバの2台体制です(笑)。他には、料理は週末に作り置きをするなどの工夫をしています。

ご夫婦で家事や育児を分担されているのでしょうか。

私の夫は育児も家事も「協力する」というスタンスではなくて、「シェアする」と言ってくれています。息子と娘は違う保育園に通っていますが、娘は夫が毎朝保育園に送っています。「ワーキングマザー」ではなく「ワーキングペアレンツ」という概念ですね。ファイザーでも育児参加に積極的な男性が多く、男性も一緒に子育てしているというように時代が変わってきているのかなと思います。

夫婦で平等に育児や家事をなさっているのですね、素敵です!お子さんが生まれる前後で仕事の変化はあったのでしょうか。

本当に何もないですね。子どものいる生活には時間的制約がありますが、仕事でリーダーシップを取りたいと思ったときに諦める必要はないと思います。やりたいことをするためにどんな工夫ができるかを、同僚や上司と相談して解決すれば良いだけです。育児や介護、自分の体調など、どんな状況にあっても頑張りたいと思う時には力を発揮できるサポート体制がファイザーにはあると思います。

ひとりの社会人として、母親としての目標

これからどんな仕事をしていきたいとお考えですか。

数年後のことでいうと、薬事の専門性を高めるのはもちろんですが、日本だけに留まらず、海外の申請プロセスについてももっと勉強して、世界で通じる力をつけていきたいと思っています。約10年働いて、医薬品を開発する仕事が好きなんだと強く実感しているので、今までの知識を使って、これからも人のために働いていきたいです。

理想とする母親像はありますか。

仕事をしていないお母さんと比べると、私が子どもと関わる時間は確かに少ないと思います。でも、私の母も働いていて、その姿を見ていたことが今の私にとって支えになっています。私も母のように子どもにがんばる姿を見せることが、母親としての目標です。

学生に向けて、メッセージをお願いします。

与えられた課題にクリエイティブに取り組むことが、必ず将来役に立ちます。ルーティンでやるのではなくて、そこに何を見出すかが大切です。これをしたらどうなるのか、自分はどうしたいのか、イメージしてみてください。

取材を終えて

子育てや家事を理由に、仕事で何かを諦める必要はない。どうしたら仕事が回るのか周りの人と解決していけばいい、という森久保さんの言葉が心に響きました。貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

ファイザー株式会社 会社概要

ファイザー株式会社は、ヘルスケア分野における世界のリーディングカンパニーで、世界150ヶ国以上で事業を展開し、約7万人の社員が働いています。革新的で価値ある製品の開発・製造・販売を通じて、より健康な世界の実現を目指しています。

ファイザー株式会社のWebサイトはこちら

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About Author

久保美遥

東京薬科大学生命科学部3年。生物学、化学、医科学を中心に学んでいて、部活でも実験しています!日々、1限からの授業や実験のレポート、アルバイトに追われていますが、とても充実していて楽しい学生生活を送っています。趣味は軽い運動と映画鑑賞です。ラジオ体操で体型維持をしつつリフレッシュしています。女性の働くことへの意識の違いや、社会で輝く働き方に興味があります。ハナラボを通して女子学生の皆さんに活力を与えられるような記事を届けたいです。

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