好きだから、楽しめる(高島屋)

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好きな洋服と関わり、新たな市場を作りたい熱意をもって入社。今はトレンドの仕掛け役である今村さん。「好き」を「仕事」にするとは、どういうことでしょう? 消費者の視点を考えることが必要となる百貨店の裏側、バイヤーの仕事について伺いました。

「好きだから、楽しめる」~今村さんのワークスタイルとは?~

現在のお仕事の内容を教えてください。

現在はヤングクローゼットゾーンのアシスタントバイヤーを担当。主に四半期ごとの商品展開計画の立案や、それに基づく商品の発注を行っています。

バイヤーとは、言ってみればトレンドを仕掛ける仕事。例えば、去年から渋谷のファッションビルでフェイクレザーが流行っているのですが、それを参考に高島屋でも今年8月から秋のトレンドファッション提案としてレザージャケットを強化しました。

百貨店といえば高級路線というイメージが強いですが、ファッションビルや海外のコレクションからも新しいものを見つけ、積極的にトレンドを仕掛けています。秋のトレンドファッションと予測して仕掛けたレザージャケットは大変好調な売れ行きです。

現在のお仕事に就くまでどのようなお仕事をされてきたのでしょうか?

1994年に入社し、横浜店で入社志望通り婦人服Sサイズ売場の担当となりました。販売やVMDの仕事を経て、5年目からは婦人服の統括担当職としてバイヤーが仕入れた商品をいかに売っていくか、そのためのイベントやプロモーション計画を立案する仕事を経験。

その後、MD本部へと異動になり、婦人服の商品計画を担当しました。3年ほどそこで仕事をした後に育児休職を1年間取得し、復職してからはヤングクローゼットゾーンのアシスタントバイヤーを担当しています。ヤングクローゼットは4人(チーフ2人・アシスタントバイヤー2人)で構成され、高島屋全店のヤングクローゼットゾーンのブランドを扱っています。

トレンドを仕掛ける…ファッションにこだわる女子大生にとって、大変魅力的な言葉です。今村さんの学生時代と、高島屋に入社を決めたきっかけを教えてください。

親の反対を押しきって大学に進学したので、奨学金を貰いながらアルバイトにも励みました。アルバイトは懐石料理店と大手スーパーのレジで、そこで流通業に興味を持ちました。例えば、ただ値段を表示だけでなく、「今週のイチ押し」などPOP等でひと工夫加えることで商品の売れ行きが上がるんです。なにか工夫をすれば商品が売れる、ということが面白いと思いましたね。

高島屋に入社したのは、ヤングキャリア向けの「小さいサイズ」の服が作りたかったからです。当時はSサイズ市場でも若い世代向けのブランドがあまりなくて。私は“入社してヤングキャリア向けのSサイズ市場を開拓したい”と面接でもアピールしました。

「やりたいことを見つけて欲しい」そう語る今村さんの仕事観とは?

興味をもった業界で働けるのは一番の理想だと思います。では実際に働いて、嬉しい時や辛い時はいつですか?

嬉しいのは自分が仕掛けた商品が店頭で売れているのを目の当たりにした時です。逆に仕掛けた商品が売れないと売上責任があるのでかなり辛いです。

それから、取引先は私が育児勤務だということを知りません。また、いつトラブルが起きるかわからないので、時間に制限のある中で責任を持って仕事をしていくということは、やはり簡単なことではありませんね。

今村さんにとって、仕事とは何ですか?

自分がイキイキしていられる場所です。プライベートでは割と楽観的で多少適当なところがある性格なのですが、仕事になるとすごく几帳面な性格になるんです。そんな風に、プライベートとは違う自分を発揮できることがとても楽しいですね。結婚をしていますが、定年まで常にチャレンジしながら、自分らしく働きたいですね。

現在今村さんは、2歳のお子様の母親としても頑張っていらっしゃいます。 仕事と家庭を両立するコツは何ですか?

夫が助けてくれる事が大きいですね。夫の方が時間の都合をつけやすい仕事ですので、子供に急に何かがあった時など、夫に手助けをしてもらっています。朝、子供を保育園に送ってから夕飯の支度をある程度しておくなど工夫もしています。

最近ではなかなか子供を保育園に入れることも難しいのですが、私は無事に子供を預ける先が見つかりました。そのことにもほっとしています。

これからどんなことをしたいですか?

なるべく早く育児勤務からフル勤務に復帰したいです。そしてチーフバイヤーを次のキャリアステップ目標にしています。バイヤーは取引先と関わる仕事なので、突然緊急の連絡が入るなど育児勤務では難しい面もあります。だからこそ、「育児勤務でもバイヤーができる」ということを私が証明できたらと思います。

休日はどのように過ごしていますか?

子供を連れてファッションビルやショッピングモールによく行きます。そこで子供は夫に任せて、私は他店調査をしています。洋服が好きなのでウインドウショッピングも好きなのですが、他店の様子を見ることで次の仕掛けに繋がるヒントも得られるんです。ちょうど趣味が実益になっている感じです。ファストファッション系やグラマラス系のように高島屋で扱っていないブランドも見ます。ジャンルが違っても、トレンドは要チェックです。

これから同じ職業につきたい人、そして就職を考える学生に、アドバイスをお願いします。

やりたいこと、好きなこと、得意なことを早く見つけ、目標に向かって突き進んでください。共通点のない異業種を広く受けすぎると、目標を1つに絞ることは厳しいかもしれないですね。でも、その中から何かやりたいことを1つでもいいので見つけてほしいと思っています。

バイヤーに大切な事は、第一に「洋服が好き」な気持ちです。展示会で素材を触ったりするのも、好きだからこそ興味がわくし、楽しめるのだと思います。たとえ自分が着ないジャンルのブランドであっても、洋服を見るのが好きですから。それが新たな仕掛けの発想に繋がることもよくあります。好きなことや目標が定まると、志望動機も考えやすいですよ。

インタビューを終えて( 学生記者:沖広紀子)

好きなことを仕事にし、ファッションという女子の憧れの舞台で活躍する今村さん。その裏には、興味や希望を明確にし、目標に向かって突き進む決断力があることを知りました。どんなに好きなことでも、仕事となると苦労も多いはずです。それでも、常に「服が好き」な気持ちを忘れず、前向きに働いている姿勢がとても魅力的でした。ありがとうございました。

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About Author

ハナジョブ学生記者

2008年〜2012年までの学生記者たち

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